#7 アメリカン・アニマルズ
前から気になっていた作品で本作鑑賞にあたって前回のスナッチの再鑑賞も行いました。満を持してアメリカン・アニマルズの感想を書きたいと思います。
“実話に基づく“ではなく、“実話“である。
アメリカ、ケンタッキー州で退屈な大学生活を送るスペンサーとウォーレンは大学の図書館に時価1,200万ドルを超える画集「アメリカの鳥類」が保管されていることを知り、退屈な人生から抜け出すために強盗計画を練っていくが、、、
「レザボアドッグス」「オーシャンズ11」「スナッチ」などの犯罪映画を参考に作戦を練り老人の姿に扮装し図書館へと足を踏み入れる。。という事前情報を先に知ったので、この3作品の大ファンの私は期待値高めで鑑賞してしてしまいました。
結果として、この映画自体もすごく面白かったのですが、上記3作品のような痛快なクライムムービーといった感じではなく、素人の大学生が身近な図書館に盗みに入るが、計画は穴だらけ、当然トラブル続出、メンバー4人の幼稚さやいざ犯罪を犯す瞬間のメンタルも普通の男の子たちっていうところが、愛くるしくもあり、素人が泥棒しようとするとこうなるのか〜、かっこいい映画のようにはならないなぁと、ある意味リアリティのある泥棒映画って感じでした。そして実際に本人たちが出てきて回顧録風になってる作りが面白かった。4人とも後悔しつつも、盗みの計画を練っている時は最高に楽しかったんじゃないかなぁと思う。最後に司書のおばちゃんが出てきて4人をディスるところも良かった。
退屈な人生を変えたい。自分は周りとは違う。特別でないなら突飛なことをして特別だと思いたい。といったことは誰でも思いそうですが、そのために実際に行動に移した4人組の勇気と勢いはすごいなと思った。そしてなぜか共感する部分が多かった。自分自身も毎日同じ生活の繰り返しで、何か大きな転機が勝手にくるのではないかとつい思ってしまうこともあるが、自分で行動しなければ人生は何も変わらない、ということも考えさせられる映画だった。スペンサーが計画から抜けると言った時に、ウォーレンが放った「人はいつか死ぬ」というセリフは定番だけど、シンプルに刺さった。ただ、相応の覚悟がない限り、悪いことなんてするもんじゃない。笑
よくあるスカッとする泥棒映画ではなく、現実は映画のように甘くないっていう映画なので、もしこれから観る方はテンションに気をつけてください。
ひとことパンチライン:誰にでもスパイスが必要
あ、ポスターめっちゃかっこいいよね。