【シングルの3曲目みたいな記事その②】
以前、シングルの3曲目みたいな記事を
書いてしまうんだ、
という内容の記事を書きました。↓
シングルの3曲目というと、
1曲目は勝負曲、2曲目はいわゆるB面曲で
1番手ではないが
『こういうのも出来るんだぜー』という様な
挑戦的で遊びも入った曲。
そして、いよいよ3曲目というと
【でがらし】みたいな曲である(笑)
手癖で作られた様な、歌詞もメロディーも
全然キャッチーではない
しかも、かなり個人的な曲だったりします。
「今日は朝起きてコーヒーを飲んで
ゆっくりしたよ。パンケーキが
食べたくなったなぁ」くらい
日常のつぶやきレベルの曲だったりします。
世間はそんな個人的なつぶやきレベルの
発言や作品にほぼ興味を示さない。
いわゆるその界隈は別としてもだ。
(ここで言うとnote の住人たちは
そういう記事を読むのも楽しんでいるのだと
思います)
何か調べ物をする為に、または
何か暇つぶしに面白いエンタメを探して
ネットを漁っている人たちには
まったく有名でも何でもない人の
「今日は朝起きてコーヒーを飲んで
ゆっくりしたよ。パンケーキが
食べたくなったなぁ」
などというブログ記事など
まず何も響かない。
しかし、この記事はそれを否定するモノでは
ありません。
何しろ、僕はそういう記事を多く書いている
のであるからして(笑)
そして、今回のこの記事もその類(たぐい)の
モノである。
話が長くなりますが、ここでOasis(オアシス)と
いうバンドを出します。
大好きなバンドですが、彼らは
シングルのB面を充実させる事でも有名でした。
ここで「Go Let It Out」というシングルに
注目してみましょう。
このシングルには計3曲が収録されています。
まず、1曲目は表題曲「Go Let It Out」。↓
いったん、全盛期を過ぎたオアシスは
前作から3年の月日を費やして
新しい方向性を模索しました。
そして、辿り着いたのがこのサイケ路線です。
というか、ノエル・ギャラガーという男は
大層、サイケが好きな人で
隙あらばサイケデリックな曲を作りたいという
ミュージシャンなのです。
そして、この4枚目のアルバムは
『じゃあ、全編思いっきりサイケで行くか!』
というモノだったと認識してます。
そのリードシングルがこの「Go Let It Out」。
世間ウケしやすく、一応ノエルの中での
1番良い曲という基準で繰り出して来たと
思います。
そして、2曲目「Let’s All Make Believe」。↓
これがとんでもなく良い曲なのである。
まさしく、『なんでアルバムに入れなかったの?』
とツッコミを入れたくなる曲だ。
それまでの曲で言えば
「The Masterplan」や「Stay Young」みたいな
曲である。
日本版では本編の後にこの曲が
ボーナストラックとして足されて収録
されているので
元々アルバムに入っている曲だと
未だに勘違いしてそうな人がいるかもなぁ
と思っているほどの名曲だ。
実際、ノエルが何かのインタビュー時に
「オアシスの曲で十分に評価されていないと
思う曲はどれか?」との質問に
この曲と「Part Of The Queue」を
あげていた。
そして、問題の3曲目。
「(As Long As They‘ve Got)Cigarettes In Hell」。↓
和訳をしてくれている動画も観つけましたので
貼っておきます。↓
怠惰な毎日を何となく過ごしてる。
今んトコ何とか生きていけるからいいんだ。
永遠に生きるなんて思わない。
別に天国に行けなくたって構わない。
タバコさえありゃ地獄に堕ちても
やっていけるだろうよ。
…みたいな歌詞である。
癒し系のメロディーと雰囲気をもつ
まさにタバコをふかしながらぼや〜ッと
聴き流すようなタイプの曲だ。
1曲目、2曲目の作り込み具合からすると
随分と肩の力の抜け切った曲です。
ただ、これが商売っ気の一切ない
しかも、この時期のノエル・ギャラガーの心情を
最もよく表したような曲なのである。
そう。
こういうのは我々、人間でも同じです。
僕らはシングルの1曲目で勝負し続けている。
それが尽きそうになれば
B面を出して応戦する。
が、更に、なかなか出てこないシングルの
3曲目のような個性が存在します。
世間の誰も注目しないような
シングルの3曲目のような性格や特性、
考え方、想い。
まったくキャッチーではないし、
他の人にとっては取るに足らない個性が。
その【でがらし】が実は1番おいしかったり
するし、その人のホンネだったりする。
多くの人には需要が無いが
その人を知りたい人にとっては
貴重な【でがらし】。
オアシスのB面曲を集めたアルバムに
『The Masterplan』というモノがある。
実際、このアルバムが1番好きだという
オアシスファンは多い。
B面を集めたら
A面曲よりも本質的だっただけでなく
より長く聴ける愛すべきアルバムになった、
というのが興味深い。
その題名が『マスタープラン』というのも
何だか芯を突いていて面白い。
だが、もっともっと掘って
シングルの3曲目ばかりを集めたアルバム
なんてのも、とても面白いと思う。
流石にここまで来るとキャッチー度が
ガクッ、っと下がるので
一般の需要は相当減るが
ファンにとってはたまらないと思いますね。
まぁ、熱心なファンはもう勝手に
作っていると思いますけどね(笑)
オアシスはYouTubeの公式ページで
シングルも全部無料公開してくれているので
聴こうと思えばすぐ聴けてしまいます。
ノエルのボーカルの曲が多いので
ノエルファンは充実した時間が過ごせると
思います。
そんな訳で僕はこれからも
誰の何の需要がなくても
このようなシングルの3曲目みたいな記事を
いっぱい書くのだと思います。
そして、実はこういう記事に
より、僕の本質が詰まっているのだと
感じます。
この記事は、何か役に立つ情報が
お手軽に、わかりやすく知りたい人達の
目には止まらない。
今の忙しい日本ではこんな記事や
他人のシングルの3曲目の個性を
知ろうとする気もなかなか起こす人が居ない。
だけど、【でがらし】が1番おいしい。
今回は以上です。
ありがとうございます。