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【新アルバムを全部YouTubeにアップするスタンスについて】

最近の音楽業界の傾向。

邦楽勢はそうでもないですが

洋楽勢はかなりの割合で新アルバムを
発売したら
同時か、もしくは何日か後には
全曲フルでドーン!とアルバム丸ごと
YouTubeにアップしちゃう人が多いです。

ここでは、僕の好きなノエル・ギャラガー
について、
彼を例に挙げて話していきたいのですが。

ノエル・ギャラガーという人は
オアシス時代から
ホントにシングル、アルバムの駆け引きの
上手い人でした。
もう、ほんとに『それの代表的な人!』
みたいな感じです。

超ヒットを記録した2ndアルバム
『(What’s the Story)Morning Glory?』
の時もそう。

アルバム収録曲(内、歌モノは10曲)は
1995年の早い段階で完成していましたが

いい案配で温存し、
アルバム発売は1995年10月2日でしたが、

アルバム発売以前の先行シングルには
「Some Might Say」と「Roll With It」という
絶妙な選曲。

これには身内からもクエッションが多数
出たそうです。

なんで「Wonderwall」も
「Don’t Look Back In Anger」も
「Morning Glory」もあるのに

「Roll With It」なの?…と。

でもコレ、歴史が証明してますよね。
このカードの切り方が正しかった事。

アルバム出した後で「Wonderwall」を
同じ月の10月30日にシングルカットして、
そのB面には「The Masterplan」を収録する。

完全に勝ちに行く姿勢です。

このワクワクする駆け引きが
ノエル・ギャラガーの真骨頂でした。

調子の悪そうな時期ですら
彼の頭脳は冴え渡っていて、

例えば、4thアルバム
『Standing on the Shoulder of Giants』
の制作期間中には
実は「Little By Little」が完成していた様ですが

『この時期に名曲的なモノを出しても
見過ごされたり注目度が低いから』と
次のアルバムまで温存しておいたり。

かといってすごく手を抜くかというと
そんな事はなく、

先行シングルの「Go Let It Out」のB 面には
「Let’s All Make Believe」みたいな
超絶名曲が入っていたり。

調子が良くないなりにも
ファンを楽しませようという駆け引きというか
カードの切り方、采配が成されていました。

ところがどっこい。

びっくりしたのは去年のノエルのソロの
4thアルバム『Council Skies』の時です。

アルバム発売前から先行して

「Pretty Boy」などからはじまり、
「Easy Now」「Dead To The World」
どんどんYouTube上に公開されていきました。

『ノエルのアルバムって多分いつも通り
10曲なのはほぼ間違いないだろうな』と
思っていたので
すごい出してくるなぁ、とは思いました。

そこから、アルバム発売直前で
表題曲「Council Skies」そして、
「Open The Door, See What You Find」まで
公開されたのです。


めっちゃ公開するやん、ノエル。。



率直に思いました。

僕はノエル・ギャラガーのアルバムは
CDを買って来ました。

今回も普通に買おうと思ってました。
やっぱり全曲聴いておきたいから。

しかし、驚くべき事が起こりました。

なんと、僕の記憶では
アルバム発売4日後くらいでした。

全曲フルでYouTube上にアップされて
しまったのです。


えー、マジかよ、ノエル。。。。。

それだけでなく、本アルバム以外の
ディスクに収録されている
ボーナス曲というか、そういう曲すらも
ドシドシ公開されていき、

結局、すごく確かめては居ませんが
多分、全部公開してしまったのでは
ないでしょうか。


もうね。今回はアルバム、買いませんでした。

僕はサブスクはしてませんので
そっちの方はどんな感じか知りませんが

でも、YouTube上では全部
聴けてしまうんですからねぇ。

コレ、皆さんどう思われますか?


勿論、ノエルほどの存在になると
もはやお金儲けとして音楽をやってないと
思いますし
どれだけ無料で公開しようと
知った事ではないというか

勝手に聴けよ、みたいな事なのかも
知れませんし

ライヴで収益をあげるスタンスなんだと
思いますが。

ただ、【アルバム】という文化が好きな
僕みたいな人間からすると
すごく残念というか。

わくわく感ゼロですからね。。

やっぱり、無料で全部聴けてしまう

というのは
正直、どうなのかな、と思います。


先行シングルのみ公開して
あとは何らかのカタチで曲を購入した人しか
聴けない、みたいなスタンスに
してほしいなって。

じゃないと音楽業界が廃れてしまうのでは
ないでしょうか。
これは僕の頭が古すぎるというか
時代に追いついてないだけなんでしょうか。


Coldplayとかもすぐアルバム全部
アップしてしまうし。

スペシャルVerみたいな、
アルバムの別形態とかもわざわざ作るのに
そっちの方もやっぱり全部
YouTubeに公開してしまうし。


プリンスが生前、こういう状況を
嘆いていましたね。

『音楽が死んでしまう』って。

あれだけ多作で、絶対にアルバムは出せた
筈のプリンスが
多分、この状況に嫌気がさして

2011年〜2013年の間
アルバム出すのを控えていたんですよね。
(でも、2014年には2枚もアルバム出してる
のは流石プリンス(笑))


ノエルの話に戻すと
こういう事もあってか、とうとう
ノエルの4thアルバムは無双状態の筈の
イギリスでもアルバムチャート1位を
獲得出来ませんでした。

決して内容が悪かった訳ではありません。

恐らく、アルバムの内容を早々に
公開し過ぎてしまった事が原因なのでは
ないでしょうか。


そりゃあ、消費者側としては
無料で全部聴けるってのは嬉しいですよ。

けれど、それではいずれ
音楽産業がダメになってしまうのではないか、

というのは
僕も一応クリエイターのはしくれとして
危機感をもちますね。

ノエルの4thで言えば、

「Pretty Boy」「Easy Now」「Dead To The World」
「Council Skies」

くらいの公開で十分だったと思いますよ。

この4曲で十分に良いアルバムだ、買おう!
って思えますもん。

YouTube上でもそれだけ聴けたら
ファンだって十分だと思う筈です。

そして、ちゃんとアルバムを
買うと思いますもん。

もし、他の曲を公開するにしても
ライヴでやった時の動画とか
そういう、音源ではないカタチで載せるとか。


はい。今回はここまでです。
ありがとうございます!













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