【仲間だと思ってた奴が実は敵キャラとして登場した場合】(物語詩)
※これはフィクションです。
🎬YouTube動画
【仲間だと思ってたやつが実は敵キャラとして
登場した時に流れそうな曲】
(Nanaki Piano様の動画)
からインスピレーションを受けて書いた
完全オリジナルストーリーです。
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読み進めてくださいませ🌟
勇者「アナタは…..!!」
???『…..久しぶりだな、ロバート』
勇者「まさか、…すべてはアナタが
仕組んでいたとでも言うのですか?!」
???『いつの世も』
勇者「…..?!!」
???『いつの世もこのような事は
変わらないのだ、ロバート』
勇者「分かりませんッッッ!
アナタは一体何がしたいと言うのですかッッ!」
???『何がしたい?…..何も。
私は最初からすべてを手に入れている。
そして、これからもずっと変わらない』
勇者「では、アナタは何のために
私を雇ったというのです?!」
???『何かをするために理由など要るのかね?』
勇者「…..」
???『人を愛するのに理由は要るかな?』
勇者「…..」
???『人を壊すのにも理由は要らない。
みな、難しく考え過ぎているのだ』
勇者「アナタは狂ってる…..」
???『人は何のために生きていると思う、
ロバート』
勇者「幸せになるため…そして僕は
みんなの幸せを守るために勇者になったんだッ!」
???『いい答えだ。そう。私だって同じだよ』
勇者「なにッッッ…..!!」
???『私は私の幸せを守るために生きている。
そして、みなの幸せを守るためにもな』
勇者「バカを言うなッ!アナタのやっている事は
多くの人々を苦しめているッ!!!」
???『そうだろうか?
何の恐怖も試練もない、まるで平和ボケした様な
人生を生きる事がキミの言う幸せかい、ロバート』
勇者「…..」
???『ちからの無い村人の中には
魔物に喰われて命を落とす者もいるだろう。
だが、それで助かった他の村人たちは
自分が助かった事を幸せに感じるのだよ』
勇者「何だと?!」
???『幸せを感じるためには不幸が必要だ。
人は幸せの中に居ては幸せを感じられない』
勇者「バカな!」
???『私は適度な不幸を提供してやっている
に過ぎない。みなが幸せを感じ続けられる様にな』
勇者「理解出来ない…..」
???『キミだってみなの幸せを守るという
目標をもった事で生き生きとしているじゃないか。
私と初めて会った時とは比べ物にならない程
目に光がある。さぞ幸せであろう』
勇者「貴様ッッ…!」
???『人は不幸の中にしか幸せを見つけられないのだ。それにな…』
勇者「…..?」
???『例えほんとうの事を知ったとしよう。
それでみなが幸せになれると思うか、ロバート』
勇者「…..」
???『真実とは残酷だ。キミはとても
大きく成長したが、まだ何も知らない。
幸せとは無知の別名だよ』
勇者「では、アナタは何を知っていると
言うんです?!」
???『すべてだ、ロバート。
だが、それは私だけが知っていれば良い事だ。
人間は脆(もろ)い。
真実の残酷さに耐えられる者など
この世にはほとんど存在しないのだよ』
勇者「真実…?」
???『話はここまでだ、ロバート。
私は長話が好きではない』
勇者「僕は…..アナタを倒す!!」
???『やめておけ。そんな事をしても
何も意味をなさない。
私はキミと戦うつもりもない』
勇者「アナタをここで見過ごす訳にはいかない!
アナタを倒してこの世界に平和を取り戻すッ!」
???『変わらないな、ロバート。
キミは子どもの頃から血気盛んな若者であった。
だからこそ私はキミを勇者に選んだのだ。
だが、もう少し大人になるんだな』
勇者「何ィィ…!」
???『誰もが愛される権利をもっている。
私も、そしてキミもだ。
私もキミもたくさんの村人たちに愛されている』
勇者「だから何だと言うんだ!」
???『私たちが戦ってどちらが生きても、
どちらが死んでも、みなが悲しむ事になる』
勇者「クソったれ!!」
???『頭に血が上(のぼ)りすぎだ、ロバート。
すべて戦って解決する方法から卒業するのだ』
勇者「アナタが私を勇者に、…..戦士に
選んだんだぞ!国王ッッッ!!!」
国王『その通りだ、ロバート。
だが、キミの冒険はここで終わりだ。
後は村へ帰ってゆっくり疲れを取るがいい』
勇者「ふざけるなッッ!」
国王『家族がキミの帰りを待っている。
フレア…..だったかな。彼女もキミの長期の不在
を嘆いておったぞ。
早く帰って安心させてあげなさい』
勇者「バカにするなッッ!!」
国王『すまんがここまでだ。
私にはやる事がたくさんあるのだ』
勇者「何だと言うんだ…..」
国王『キミに伝えてもキミは何も出来ない。
キミは村に戻って幸せに暮らせばいい。
もうこれ以上何も言う事はない』
勇者「何処へ行くッッ!!」
国王『真実の場所だ。キミにはまったく
縁のない世界さ。ちなみに…』
勇者「…..」
国王『ここでキミが見た事は
口外しない事を勧(すす)めるよ。
強制はしないがね』
勇者「そんな事できるものか!
この事実はみなで共有するッ!
そして、僕はアナタを倒す!!」
国王『愚かな事だ…..。
それはみなの幸せを破壊する。
誰も得をしない選択だ』
勇者「死ねェェェーーーーーー!!!」
ブシュュュッッッッッ…………!
勇者「な、…..なぜだ、なぜ避(よ)けない!?」
国王『それは意味をなさない』
〜〜〜
フレア『ロバートッッ!』
勇者「…..ただいま」
フレア『無事だったのね!良かった…
私、ずっとずっとアナタの無事を
祈って居たのよ!』
勇者「ありがとう、フレア」
フレア『戦いは終わったのね!』
勇者「…..ああ。多分…..」
フレア『お祝いしなきゃ!
だって今日からまたずっとアナタと
幸せに暮らせるんだもの!』
勇者「そうだね」
フレア『ねぇ。私、とっても寂しかったのよ…
今夜は、…ね?』
勇者「ああ…..ごめんな。長い間待たせて
しまって」
フレア『いいのよ!まぁなんて素敵な事
でしょう!』
勇者「…フレア………」
フレア『なあに、ロバート』
勇者「国王の事なんだが..」
フレア『国王様がどうかしたの?』
勇者「…実は、すべては国王の仕業(しわざ)
だったんだ。魔物を世界に解き放っていたのも
各地の魔族の長たちに命令を
くだしていたのも…..全部、国王だったんだよ!」
フレア『…..』
勇者「…今から僕は村中に、いや、
世界中に真実を伝えなければならない!
フレア、キミも協力してくれッ!」
フレア『…..』
勇者「…….フレア…?」
フレア『それは意味をなさない』
終
Nanaki Piano様の動画を使用させて
いただきました。
ありがとうございます。