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バレエ音楽「チェックメイト」(ブリス)
ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。
さて、"本日のオススメ"は、作曲の『バレエ音楽「チェックメイト」』です。(数字は7-144・名曲解説全集第7巻P140)
アーサー・ブリス先生。1891年-1975年(83歳)の、イギリスの作曲家ですね。
プロコフィエフ先生と同じ年の生まれ、前年にはいべーる先生が生まれ、翌年にはオネゲル先生が生まれている、そんな時期です。
イギリス人の父親とアメリカ人の母親の間に生まれました。
一気に飛びますが、ケンブリッジ大学で音楽学を学び、その後王立音楽大学へ入学し、スタンフォード先生やヴォーン=ウィリアムズ先生やホルスト先生に作曲を学びます
初期の作品では、風変わりな編成の作品を作っており、ストラヴィンスキー先生やドビュッシー先生の影響を受けていたようです。またジャズに触発されつつ、音楽といくつかの色の関係を模索するという、共感覚的な発想で作曲されていました。
その後、イギリス伝統の音楽に回帰するとともに、新ロマン派風の傾向も示すようになります。
象徴的で近代的な手法による楽曲が、バレエと見事にマッチします。
本日の曲『バレエ音楽「チェックメイト」』は、先生が46歳ころに、ヴィック・ウェルズ・バレエ団(現在のロイヤル・バレエ団)の初めてのパリ公演のために作曲され、その後も何百回と再演が続けられるほどの好評を博します。この後も、先生はこのバレエ団と深い関係を築いていきました。
チェスを題材としたバレエの構想は、ブリス先生によるもので、プロローグと1場は、ブリス先生自身が台本を手掛けたとのことです。
01.プロローグ
02.赤のボーンの踊り
03.四人の騎士の踊り
04.黒の女王の登場
05.赤の騎士のマズルカ
06.赤のビショップのセレモニー
07.赤のキャッスルの登場
08.赤の王と女王登場
09.攻撃
10.決闘
11.黒の女王の踊り
12.終曲-チェックメイト
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あらすじ
プロローグでは、2人の人物がチェスをしている場面で始まります。1人は赤と灰色の鎧を着けた人物で「死」の象徴していて黒の駒。もう1人は青色と黄色の鎧を着け「愛」を象徴していて赤の駒。数回駒が動かされ、「愛」の負けとなって2人は退場していきます。
幕が開くと、舞台はチェスの盤上になっています。
チェスの勝負は、黒が優勢です。黒のクイーンが率いるチームは、包囲網を突破しながら進んでいます。
赤の第一ナイトはそんな中勇敢に戦っていますが、黒のクイーンに倒されてしまいます。黒のチームはこの勢いにのって、赤のキングに一気に攻め込みます。
赤のクイーンと年老いた赤のキングを守るために、赤の第2ナイトが活躍し、黒のクイーンとの一騎打ちに。とどめを刺せる状態でしたが、実はこの赤のナイト、黒のクイーンに心惹かれていて、最後の一撃をあたえることができません。
黒のクイーンはこの彼の躊躇を見逃さず、赤のナイトを刺します。
直後に、赤のキングはチェックメイトをを迎えます。
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いやー、面白いですね。
バレエなので、余計に面白いですね。
今回は音楽のみ聴いていますが、音楽、すごく良いです。音楽だけでも充分楽しめます。
音楽だけでも情景が見えてきます。
が、これはぜひバレエの上演を観たいですね。
近代音楽を理解し、新ロマン派へいき、オペラや映画音楽も作っていた先生の全てが凝縮されている感じです。確かに再演に継ぐ再演は、納得です。
本日の音源は、Wellesz Theatre.さんのチャンネルを視聴しながら書き進めてきました。ありがとうございます。
本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。