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【宅建・民法】配偶者居住権に関する問題を徹底解説!【宅建試験の重要論点】

配偶者居住権に関する問題

甲建物を所有するAが死亡し、Aの配偶者Bが甲建物の配偶者居住権を、Aの子Cが甲建物の所有権をそれぞれ取得する旨の遺産分割協議が成立した場合に関する次の記述のうち、
民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1  遺産分割協議において、Bの配偶者居住権の存続期間が定められなかった場合、配偶者居住権の存続期間は 20 年となる。

2  Bが高齢となり、バリアフリーのマンションに転居するための資金が必要になった場合、Bは、Cの承諾を得ずに甲建物を第三者Dに賃貸することができる。

3  Cには、Bに対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務がある。

4  Cは、甲建物の通常の必要費を負担しなければならない。



2020年4月の民法改正により新設された「配偶者居住権」は、
宅建試験でも頻出のテーマです。
「配偶者居住権ってなに?」
「家の所有権と分けられるの?」
「住み続ける権利があるのに、売却や賃貸は自由にできるの?」
こうした疑問を解決するために、今回は具体例を交えながら試験問題を徹底解説していきます!

配偶者居住権に関する出題

〈事例〉

Aが甲建物を所有したまま死亡し、その遺産をめぐる遺産分割協議で、

  • 配偶者B:「配偶者居住権」を取得

  • 子C:「甲建物の所有権」を取得

という合意が成立しました。
この場合、以下の選択肢のうち、民法の規定に照らして正しいものはどれでしょうか?

【解説】配偶者居住権とは?

🔹 配偶者居住権とは?(民法1028条)

  • 「被相続人(亡くなった人)の所有していた建物」に、配偶者が住み続けることができる権利。

  • 家の「所有権」と「住む権利(居住権)」を分けることで、相続財産を公平に分配できる。

📌 たとえば、夫が亡くなったとき、家の価値が大きすぎて妻の取り分が家だけになってしまう場合、配偶者居住権を設定すれば、住み続けながら他の遺産(預金など)も受け取れる!


【各選択肢の解説】

✅ 選択肢1:配偶者居住権の存続期間が定められなかった場合、20年となる?

誤り❌
🔹 具体例:夫の死後、配偶者がどれくらい住める?
夫(A)が亡くなり、妻(B)が配偶者居住権を取得したが、存続期間を決めなかった場合、20年住めるのか?
配偶者居住権の存続期間は、原則「配偶者が死亡するまで」(民法1030条)。

  • もし遺産分割協議で期間を定めなかった場合、配偶者が亡くなるまで住み続けられる!

  • 「20年」と決められているわけではない。

📌 「存続期間=20年」は誤り!
よって、この選択肢は誤り。


✅ 選択肢2:Cの承諾なしで、配偶者居住権を他人に賃貸できる?

誤り❌
🔹 具体例:住む権利をお金に変えていい?
Bは高齢になり、バリアフリーのマンションへ引っ越すため、Cの承諾なしで甲建物を他人に貸して家賃収入を得ようとした。
Bは、配偶者居住権を第三者に貸すことはできない!(民法1032条2項)

  • 配偶者居住権は、「自分が住むための権利」なので、賃貸には使えない!

  • 勝手に賃貸すると、所有者Cから「契約無効!」と主張される可能性がある。

📌 「配偶者居住権=住むだけの権利」→ 他人に貸せない!
よって、この選択肢は誤り。



✅ 選択肢3:Cには、Bに対し、配偶者居住権の登記をする義務がある?

正しい⭕
🔹 具体例:登記する義務があるのは誰?
配偶者居住権は登記しないと、第三者に対抗できません。そのため、登記することが重要です。
登記義務があるのは「C(所有者)」!(民法1031条2項)

  • 配偶者居住権を登記しないと、所有者が勝手に建物を売却し、新しい所有者が「配偶者居住権なんて知らない!」と主張できてしまう。

  • そのため、所有者(C)には、Bのために配偶者居住権の登記をする義務がある!

📌 「配偶者居住権の登記義務=所有者(C)にある!」
よって、この選択肢が正しい!(正解!)


✅ 選択肢4:Cは、甲建物の通常の必要費を負担しなければならない?

誤り❌
🔹 具体例:家の維持費は誰が払う?
Cは甲建物の所有者になったが、Bが住み続けている。
「通常の必要費」は、B(配偶者居住権者)が負担する!(民法1034条1項)

  • 固定資産税などの「所有者としての負担」はCが負うが、通常の維持費(修繕費、光熱費など)はBが負担。

  • 「通常の必要費を負担するのはC」とするこの選択肢は誤り。

📌 「通常の必要費=B(配偶者居住権者)が負担」!
よって、この選択肢は誤り。


【結論】正解は「3️⃣」

  • 1️⃣ × 配偶者居住権の存続期間は原則「配偶者の死亡まで」

  • 2️⃣ × 配偶者居住権は「自分が住むための権利」なので、勝手に賃貸できない

  • 3️⃣ ○ 配偶者居住権の登記をする義務は「C(所有者)」にある

  • 4️⃣ × 甲建物の通常の必要費は「B(配偶者居住権者)」が負担する

正解は「3️⃣」!


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