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【宅建・民法】制限行為能力者 / 未成年者の法律行為に関する問題を徹底解説!【試験頻出区分】

未成年者Aが、法定代理人Bの同意を得ずに、Cから甲建物を買い受ける契約(以下この問において「本件売買契約」という。)を締結した場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
なお、Aに処分を許された財産はなく、Aは、営業を許されてはいないものとする。


1  AがBの同意を得ずに制限行為能力を理由として本件売買契約を取り消した場合、Bは、 自己が本件売買契約の取消しに同意していないことを理由に、Aの当該取消しの意思表示を 取り消すことができる。

2  本件売買契約締結時にAが未成年者であることにつきCが善意無過失であった場合、Bは、 Aの制限行為能力を理由として、本件売買契約を取り消すことはできない。

3  本件売買契約につき、取消しがなされないままAが成年に達した場合、本件売買契約につ いてBが反対していたとしても、自らが取消権を有すると知ったAは、本件売買契約を追認 することができ、追認後は本件売買契約を取り消すことはできなくなる。

4  本件売買契約につき、Bが追認しないまま、Aが成年に達する前にBの同意を得ずに甲建 物をDに売却した場合、BがDへの売却について追認していないときでも、Aは制限行為能 力を理由として、本件売買契約を取り消すことはできなくなる。


【解説】未成年者の法律行為の基本ルール(民法5条)

🔹 未成年者の契約は「原則取り消し可能」

  • 未成年者が親(法定代理人)の同意なしに契約した場合、原則として契約を取り消せる。

  • ただし、次のようなケースでは取り消しができない。

✅ 取り消せないケース

1️⃣ 未成年者が「営業を許可されている場合」(民法6条)
2️⃣ 未成年者が「親から処分を許された財産」で契約した場合(民法5条3項)
3️⃣ 成年になった後、自分で契約を認めた(追認した)場合(民法7条)

【各選択肢の解説】

✅ 選択肢1:未成年者Aが契約を取り消したら、親Bは「自分は同意していない」と主張し、取消しを無効にできる?

誤り❌
🔹 具体例:未成年者が勝手に契約を取り消せる?
Aは親(B)の同意なく甲建物を購入しました。その後、Aは「未成年だから契約を取り消す」と意思表示しました。Bは「自分は取消しに同意していないから無効だ」と主張しました。
親(法定代理人)の同意がなくても、未成年者本人が取り消すことは可能!(民法5条2項)

  • 未成年者は「保護される立場」なので、法定代理人の許可がなくても、自分で契約を取り消すことができる。

  • 親(B)は「取消しを無効にする」ことはできない!

📌 未成年者は、自分で契約を取り消す権利がある!
よって、この選択肢は誤り。


✅ 選択肢2:Cが「Aが未成年であることを知らなかった」場合、Bは契約を取り消せない?

誤り❌
🔹 具体例:未成年者だと知らなかったら、契約は有効?
Cは「Aが未成年だとは知らなかった。だから契約は有効だ!」と主張しました。
未成年者の契約は、相手方が未成年だと知っていたかどうかに関係なく、取り消せる!(民法5条2項)

  • 「善意無過失」(未成年だと知らず、注意を払ってもわからなかった)でも関係なし!

  • 親(B)は、Cの認識に関わらず、契約を取り消せる。

📌 「未成年だと知らなかった」は、取消しを防ぐ理由にはならない!
よって、この選択肢は誤り。


✅ 選択肢3:契約が取り消されないままAが成人になった場合、Aが「契約を有効にする」と意思表示すれば、契約を取り消せなくなる?

正しい⭕(正解!)
🔹 具体例:成人後、自分で契約を認めたら?
Aが成人した後、「この契約はそのまま有効にしたい」と意思表示しました。
未成年者が成人になった後、「契約を有効にする」と認めると、契約は取り消せなくなる!(民法7条)

  • これを「追認(ついにん)」といい、追認すると契約が確定して取り消しができなくなる。

  • 親(B)が反対していても、成人したAが追認すれば取り消し不可!

📌 成年後の「追認」によって、契約は確定し、取り消せなくなる!
よって、この選択肢が正しい!


✅ 選択肢4:Aが成人する前に甲建物をDに売却したら、Cとの売買契約は取り消せなくなる?

誤り❌
🔹 具体例:未成年者がさらに転売したら、取り消しはできなくなる?
Aは未成年のまま、甲建物をDに売却しました。その後、AまたはBは、最初のCとの売買契約を取り消せるか?
取り消せる!(民法121条)

  • たとえ未成年者が転売しても、元の契約(AとCの契約)は取り消せる。

  • 未成年者が勝手に転売したことは、契約取消しの妨げにはならない。

📌 転売しても、最初の契約(AとCの契約)は取り消し可能!
よって、この選択肢は誤り。


【結論】正解は「3️⃣」

  • 1️⃣ × 未成年者本人は、親の許可なしで契約を取り消せる

  • 2️⃣ × 「未成年だと知らなかった」は、契約を取り消せない理由にならない

  • 3️⃣ ○ 成人後に追認すれば、契約は確定し、取り消せなくなる(正解!)

  • 4️⃣ × 転売しても、最初の契約は取り消せる

正解は「3️⃣」


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