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競馬場、これほどまでにデカいのか

6月、「劇場版ウマ娘プリティーダービー 新時代の扉」で脳をこんがり焼かれた。フジ先輩がさあ!かっこよくてさあ!

速さの描写が多種多様で素晴らしい
ウマ娘の姿を借りた沼ことフジキセキ先輩


そして気がつけば東京競馬場に着いていたのでした。そうか、これが聖地巡礼か。

というか、広っ。広いな。
東京より広い気がする。時空が歪んでいるのか。

建物でかっ。見た瞬間「パース」という言葉が浮かんだ。そうか、これがパースか。

当たり前だが競馬場にはウマだけでなくヒトがいる。老若男女がわきわきしている。お祭りみたいでいい雰囲気だな。「マキバオー」では全身から色々な汁を流す全裸のおっさんがひしめき合っていたのでそれなりの修羅を想定していたが、思いのほか治安が良かった。
真剣な顔をしてる人もいればただただ楽しそうにしている人もいる。どいつもこいつも活気に満ち溢れているなあ。

でけえ建物に入ると明らかに空気が異なっていた。なんだか物凄くピリッとした空気に包まれている

公式サイトにある内装の様子。デスゲーム会場かと思った。

辺りをよく見ると歴戦の風格を醸し出す者たちがモニターを静観していた。

こんなに真剣な人たちが一堂に会する光景はなかなか見られるものではない。三崎で見たマグロの競り以来かもしれない。

良いものを見たなあと思いつつ、あんまりウロウロするのも申し訳ないので15分ほどウロウロしてから忍び足で退散した。勝手に忍び足になるんだから不思議だよ。

この日はG3のレースが行われるという。
仮面ライダーではない。競馬にはG1〜G3というなんだか盛り上がるレースのランクが存在するのである。GはGradeのGだよ。

せっかくならその盛り上がりを体験したいところだがあと3時間もあるではありませんか。
1時間とかだと何かをするには短く、何もしないのでは長すぎる時間と言えるが、3時間ともなると何にせよ「長い」といえる待ち時間で潔い。

「ムトゥ 踊るマハラジャ」を見ても10分余る。長い。



なのでその辺をウロウロすることにした。ウロウロ人生。

お馬様を運ぶ車を見学できるらしい。車体に書かれた「オルフェーヴル」って、あのウマ娘で暴君やってるオルフェーヴルの元ウマさんですか。車持ってたんスねぇ。

知ってる方のオルフェーヴル。
いつかエヌマエリシュ打ちそう。
車の中。馬を刺激しないよう振動を極力抑えるスーパー構造らしい。


博物館もあるので入ってみた。
歴代の優勝馬に関する様々な展示が並んでいる。

まさか1954年からレースが行われていたとは驚いた。いま70周年か。長〜く続いてきたんですね。

圧巻の並び。
そして「ウマ娘で見た」が頻発している。
ありがたいコンテンツだよウマ娘。


ちなみに日本における近代競馬の始まりは横浜です。横浜マウントは定期的に取らせていただく横浜育ちです。サンキューペリー。サスケハナ。

出口に小馬。東京競馬場には馬がそこらじゅうにいる。
テーマパークに来たみたいだぜ。テンションが上がりソフトクリームを食べるなどした。
テーマパークじゃん。


などとウロウロしていたら目当てのレースの時間が近づいてきた。外の空気もなんだかソワソワしてきている。というか明らかに人口密度が増してきた。祭りの空気を感じるぞ。

せっかくなので僕も馬券を買ってみることにした。人生初の競馬。いよいよ英国紳士の仲間入りをしてしまうな。

が、正直本日出てくる馬を誰1頭知らない。なんにも調べずにきているのだから当然である。

建物内では本日登場する馬の過去映像が流れているのだが、みんな別々のレースの大活躍シーンが流れているせいで全然比較できない。大失敗シーンとか流れないのか。ないわな。

そんな情弱な僕にも数少ない救済措置が存在した。「パドック」である。

中央にはHERO IS COMING と書いてある。
コマーシャルで聞いたやつだ。


出走前の馬が登場しグルグル回るところ、それがパドック。初心者はここで馬の調子を見て判断すると良いらしい。

毛並みのツヤ、筋肉のハリ、落ち着きなどが参考になるらしいが皆ツヤッツヤのムッキムキに見える。ポニーしか見たことないからサラブレッドの基準は分からん。

あ、ヴェルトライゼンデだ。

なんとなく名前がかっこよいので注目していた「ヴェルトライゼンデ」。この馬にしようかと思っていたが何だか妙に落ち着きがないからやめておこう。

(あとで知ったがヴェルトライゼンデは長期休養明けで1年2か月ぶりのレースだったらしい。そりゃ落ち着かん)

とりあえず一番細マッチョっぽくて落ち着いている(ように見える)「シルトホルン」さんの単勝狙いにした。
(単勝=1着馬を当てる馬券。ほどほどの希望とロマン)

無駄のない仕事人のような雰囲気を醸し出すシルトホルン。頼むぞシルトホルン。この500円を1500円くらいにして帰りにラーメンを食べさせてくれ。

レース開始。今更だがモニターもでかい

というわけでいよいよ始まったエプソムカップ。

凄い人の数だ。さっきまではレジャーシートでも広げられそうな人口密度だったが今は平日の横浜市営地下鉄くらいの人口密度になっている。Gがつくレースはやっぱり注目されるんだなあ。

スタート地点はめちゃめちゃ遠くてよく見えんがクソデカモニターに映されるので安心。見てるぞシルトホルン。頼むぞシルトホルン。

全馬がスタート地点に立ち、いよいよスタート。「差せー!差せー!」と言ってみたいところだがシルトホルンはゴリゴリの逃げ作戦だった。逃げー!逃げー!
※差し=レース中盤からかっ飛ばす作戦。
※逃げ=レースの最初からかっ飛ばす作戦。

遠くてよく分からんがなんかずっと先頭を維持しているぞシルトホルン。いけるか?いけるんじゃないか!?

だが、最後の直線で追い抜かれて3位の結果となった。惜しい。しかしよく粘っていた。

手に焦る握る数十秒間。この数十秒間のためにこれほどの人が集まるんだなあ。確かにこの緊張感と高揚感は生活の中で味わえないものがある。己の金が掛かってるしな。ああ500円。

いい文化を体験した満足感と、失った500円で買えたはずのお惣菜のことを考えながら家路に着くのであった。うん、ギャンブル向いてない。

おしまい。

おまけ:競馬場近辺ならではの道路標識

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