夏に江ノ島行ってカニ見て帰った
もうすぐ夏も終わるので、せっかくだから夏らしいことをしようと思い湘南の海に行くことにした。
夏といえば湘南だろう。照りつける太陽、砂浜に響く2000年代夏ソング、レゲエに砂浜ビッグウェーブ。
とりあえず湘南にいけばこれらの夏らしさが勝手に体に吸収され、「今年の夏も満喫したなあ」感が満たされるのではないか。他の日を自宅で怠惰に過ごしても「でも今年の夏は湘南に行ったし」という己への免罪符が手に入るのではないか。
と思いたったが吉日の翌日に片瀬江ノ島駅に着いた。
わあなんだか駅舎が派手だぞ。駅からパリピスタイル、これぞ湘南。テンションが上がってきた。
さてここから何をしよう。とりあえず湘南に来たのならビーチに向かいたいところ。
だが遠くに見える江ノ島が俺を呼んでいる気がする。
どうも呼ばれているようなので江ノ島に行くことにした。
というか人の流れに身を任せていたら江ノ島につながる橋まで流されていたのだった。このクソ暑いのにこんなに人がいるとは思わなかった。みんなも夏の免罪符を求めているのだろうか。
というかあっつ、あっついな!?
この橋、当然だが日陰がない。照りつける直射日光から避難する手段が皆無である。そして橋のゴールは遥かかなた。死ねと申すか。
よくみたら周りの人も心なしか落ち込んでいるように見える。「なんでこの暑い中徒歩移動という選択をしてしまったのか」といわんばかりだ。僕もそう思う。あそこの海パン一丁のおっちゃんはすごく笑顔だが。
日傘を持っていなければ道半ばでデッドエンドだっただろう。みなさん、日傘は常に持ち歩きましょう。死の境地とは気がついたら立っているものです。
江ノ島についた。さあ何をしようと考える間もなく人の流れにわあわあと流されて、なんだか急勾配をズンズン登っていた。
道の両端に定食屋やお土産屋が並ぶ、THE観光地な細坂道。こういう光景は大好きなので、いろいろ覗いてみたかったのだが熱気×人口密度の地獄コラボによりそれどころではなくなっていた。周りのお店には美味しそうなしらす丼とか海鮮丼が並んでいるが今一番食べたいのはマックフルーリーである。マックはないのか。あるわけがない。
命の危機を感じた僕は日陰のある横道に避難した。一歩横道に出るとぱったりと人通りはなくなる。「バケモノの子」みたいに入ってはいけない世界に足を踏み入れてしまったのではないかと怖くなったが、このような横道にもお店はあったのでちょっと安心した。
というかこんな入り組んだ裏路地にも店があるのか。江ノ島、探索のしがいがある。
そのまま横道を進むと海に出た。引き潮の時間だったのか潮溜りができている。潮溜り好き。思わぬところにカニやら魚やらがいたりして全く飽きない。
カニがいたので眺める。こちらの影に反応してひゃっと水中に引っ込むが、またスゴスゴと出てきたりして可愛い。
ザッパンザッパン波に当てられているがカニはびくともせず岩壁の虫をモチモチと食べている。凄まじい脚力をひけらかすでもなく寡黙に食事を続ける様は仙人のような貫禄である。僕も見習わなければならない。いやあ江ノ島でいいことを学べたなあ...
......
帰りたいな...
もう海辺付近で遊んだし、夏ノルマは十分達成したし... 正直早く帰りたくてたまらない。土地見知り人間は体力が尽きると寂しくなってすぐに帰りたがるのである。
こうなったら旅はおしまいだ。そうと決まったら帰るぞぉ!
帰ると決まった時は行動が早い。日差し地獄の橋もなんのその。駅まで最短ルートでズンズン戻り電車でちょっと爆睡をかまし帰宅。
たんぱく質生命体に生まれた以上、夏は下手に行動するべきではない。
「無理して季節を楽しもうとしなくても良いよね。自宅最高だね」という学びを得られたのが今回の収穫でした。素晴らしいwonderful day。