誕々トティントン
今年も無事誕生日を迎えることができた。
おめでとうおめでとう。ありがとうありがとう。
せっかくの誕生日、何か愉快なことをしたいと思ったので、かねてよりの野望を果たすことにした。
そう、ショートケーキのホール食いである。
あの赤と白の美しい円柱に顔面を突っ込むのが人間の一つのゴールってもんだろう。
そして歳をとると甘くて脂っこいものが辛くなるって「スナックバス江」でタツ兄が言ってた。夢にはモチベーションがあるうちに挑戦しておかなければ。
というわけで近所のシャトレーゼへ。シンプルな円柱型ショートケーキが置いてある貴重なケーキ屋さんだ。
店員さんに「名前入りのチョコプレートをお付けできますよ」と言われた。
「ああ、じゃあ「己」でお願いします」という言葉が喉元まで出たが紅白の美しさが茶色で崩れてしまうのでやめておいた。本当はイチゴと共に添えられているブルーベリーもない方が良いが。
おお〜家にホールのショートケーキがある。
美しい。インテリアにしたい。
えっ、これ全部僕が食べていいんですか!?
ナイフもいらない!?は〜ありがたいな。
じゃあさっそく、かぶりつかせていただこうか。
大口を開けて迫る。ケーキに迫る。
が、人間の口は思いのほか顔面の奥にあった。
どんな角度から行っても鼻、デコ、顎などが先に触れてしまいテンションが下がる。
もっとこう...マリオパーティ3のワンワンみたいにいけると思ったのに...!
そして顔面に生クリームがつく、というのは思ってたより嬉しくない。そりゃそうだ、顔面クリームといえば罰ゲームの定番じゃないか。
そんなわけで残念ではあるが大人しくフォークでお上品に食べることにしたがそれでも凄い。食っても食ってもショートケーキがそこにある。
ゴールの見えない多幸感というのだろうか。こんな幸せを味わってはもう切り分けられたショートケーキには戻れないかもしれない。
終わりの見える幸せなんて現実と同じですからね。いま私が食べているのはドリームなのです。
しかし流石に半分で腹一杯になってしまったので残りは保存だ。ラップをかけられた食いかけのケーキというものはどこか切ないものがある。兵どもが夢のあと。
なおケーキは翌日の昼飯、夜のデザートを経て無事完食された。
実に良い経験をした。来年も挑戦したいなあ。この身(胃腸)が朽ちるその日まで。
おまけ
ケーキの上面だけを切り取って
角度を調整すると
邪神っぽくなる。