プアマンズ・インペリアルスタウト
インペリアルスタウトは高価なビールである。
ビアスタイル・ガイドラインにおけるスタイル名でロシアン・インペリアルスタウトと呼ばれるこのスタイルは、手間と暇と材料を奢って造られる、非常に贅沢なビールだ。
高アルコールで、豊潤で複雑な香りと味わいを持ち、熟成により品質の向上も期待できる。
スニフターやバルーングラスに少量注いで、室温に馴染ませたり、掌で温めたりしながら、香りと味わいの深みや変化をじっくりと楽しみたいビールである。(もちろん、キンキンに冷やしてデッカイグラスにたっぷり注ぎ、グビグビ飲んでも構わない。ビールの楽しみ方は自由だ!)
高価ではあるが、その価値は飲めばわかる。
価値は飲めばわかるが、高価であることは間違いなく、デイリービールとしては些か扱いづらいことも確かである。
しかしプアマンズ・インペリアルスタウト。
安くてもインペリアルスタウトに匹敵する旨いビールが、この世には、ある。
Lion Stout
スリランカのライオン・ブルワリーで造られるライオン スタウト、ABV8.8%、ビアスタイルはフォーリン・エクストラ・スタウト。
実売価格は250円程度。
しかし、安いからといって侮ってはいけない。
ラムレーズンのような香り、ブランデーめいたアルコール感、ビターチョコレートやコーヒーを思わせるロースト感、滑らかな泡とボディ、柔らかい苦み、甘み、仄かな酸味、すっきりした後口。
かのマイケル・ジャクソンも高く評価した逸品である。
しっかり冷やして飲めばスムースでドリンカブル、やや高めの温度ではその本来の香りや味わいをじっくり楽しめる。
バニラアイスとの相性もよく、かけて食べるもよし、浮かべて飲んでもよし。
上燗程度に温めても美味しく、蜂蜜やシナモンを加えるのも面白い。
見た目は悪くなるが、牛乳で割ってみるのもありだ。
繰り返すが実売価格250円程度。ビール専門店でなくとも扱っており、比較的手に入りやすい。
見かけたら買い込んでおいて損はない。
冷蔵庫に常備しておくと、日常の幸せ感が増してとても良い。
さて、ストックしてあるライオン スタウトを飲もうかな。