映画のかんそう(17)
twitterに垂れ流した映画の感想を集めてみた第17だん。
主に映画はTVの、深夜とかテレ東の昼間にやっているのとかを録画して、真夜中にひとりで観ています。
基本的に1映画1ツイート。(1ツイートで収まらないことが多くなってきましたが。)
マッドマックス/サンダードーム(1985年)Mad Max Beyond Thunderdome (1985)
映画『マッドマックス/サンダードーム』観た。フューリーロード観てから改めて2とサンダードーム観ると、ちゃんと2から地続きの物語であることがよく解る。しかしキャラクターの立ちっぷりが異常だよ。マスター/ブラスターとかアイアンバーとか、ティナターナーが地味に見えるほどの強インパクト。
燃えよドラゴン(1973年)Enter the Dragon / 龍爭虎鬥 (1973)
映画『燃えよドラゴン』観た。子供の頃から何十回も観た映画だ。ブルースリーが格好いいのう。冒頭、少林寺でブルースリーにボコられてるポッチャリ長髪は若かりし頃(22歳!)のサモハンキンポー! 連続バック転とかして超動けるポッチャリで凄い。
武術大会参加者ひとりひとりの、参加する理由を回想シーンで丁寧に描くの、いいね。格ゲーのフォーマットはこれが原点だろうか。アフロ・カラテのウイリアムス/ジムケリーが所属するコブラのマークに「KENPO KARATE」の道場は、かのコブラ会!(嘘です。BKF:Black Karate Federation という団体)
武術大会参加者を歓待する宴会、なんかアジア的なものごちゃ混ぜで面白い。会場の真ん中でずっと相撲取ってる派手なマワシの力士がシュール。そういや悪党のハン/シーキエンは少林寺出身なのに、武術学校では空手教えてるのナンデ?
おっと、ユンピョウどこだ……見つけた! チョイ役すぎて分かりにくいが、一所懸命セイケンツキ・トレーニングしてますね。
ハン/シーキエンの展示室に武器コレクションと共に展示されてた手の骨、Souvenir 記念品つってたけど、ハン自身の左手のだね?
さて後はジャッキーチェン探しだ……お、いた、ワリと目立ってる。ブルースリーに後ろから組み付き、逆に関節取られて首をボギッ! 他にも何シーンか出てるらしいが見落としたか。この辺、地下施設での戦闘から、翌日日中の乱戦までくらいのブルースリーの闘いぶりがキレキレですばらしい。
さてもういっかい観よう。
羅生門(1950年)
映画『羅生門』観た。面白え。70年も前の映画だぞこれ。黒と白がくっきりしたコントラストの強い映像、静動のメリハリが効いたカメラワーク、淡々と語られる食い違う証言。三船敏郎の大袈裟に過ぎる、荒々しく豪胆に振る舞う多襄丸の演技も、(原作とは異なる映画としての)真相への伏線だろうか。
原作が、と言っても読んだのは中学の頃の国語の教科書に載ってたもので、教科書に載るものとしては異例に面白いと感じたと記憶している。(原典でなく芥川の小説ね。)何十年ぶりかにまた、原作を読んでみるか。青空文庫にあるだろ。
ギフト(2001年)
The Gift (2000)
映画『ギフト』観た。田舎町で起きた殺人をめぐるホラーテイストなサスペンス・スリラー。皆怪しく、何らかの問題を抱えた登場人物ばかりで、事件そのものの陰惨さとともに、内向きの湿っぽく澱んだ人間関係も相まって、終始不穏で危うげな空気感。こういうの好きなんだよなあ。
主人公の霊能者でシングルマザーなケイトブランシェットがおそろしく地味で、事故で夫を失なったショックを抱えながら3人の息子と慎ましく暮らす生活感の溢れた妙なリアリティがあり、ほとんど同じ時期に演じたガラドリエルの神々しいまでの存在感との振り幅が激しすぎて驚く。
あと前年にマトリックスで大暴れしたキアヌリーヴスが、浮気者のDV夫というとてつもないクズ野郎を好演しており、無駄遣い感が堪らなく良い。
ハート・ロッカー(2010年)
The Hurt Locker (2009)
映画『ハート・ロッカー』観た。泥沼化したイラク戦争を舞台に、アメリカ軍の爆発物処理班の「日常」を描く。砂漠の町の不快さが感じられるような、ザラッとしたドキュメンタリタッチの粗い映像。兵士たちのストレスや不安感を表すように、揺れたり傾いだり激しく振れたりするカメラワーク。良いぞ。
主人公ら米兵は不安と不信と恐怖と苛立ちに終始ピリピリしており、テロリストが紛れているかも知れないイラク市民相手にやたらと怒鳴ったり銃を向けて威嚇したり、それでも迷って引き金を引けずに躊躇ったりと、米兵のストレスを追体験させられているかのようだ。
一方で割りとカジュアルに人が死ぬ。爆弾処理班の最初の班長マシュー、民間軍事会社の社員たち、捕虜のテロリスト、カウンセリング軍医のジョン、ベッカムを名乗るイラクの少年と思しき子供、エルドリッジを連れ去るイラク人、爆弾を括りつけられた男。いずれもあっけなく、そして惨たらしく死ぬ。
冒頭から立て続けに砲弾を利用した即席爆弾(IED)の処理、砂漠の真ん中での不意討ち狙撃戦、廃墟のインドアアタック、市街地での追跡と、戦闘も盛りだくさんで、そのどれもが苦痛に満ちている。特に狙撃戦はきつく、敵が何人どこにいるかも判然としないまま、いつ終わるとも知れない灼熱の持久戦だ。
物語は特に盛り上がることもなく、英雄的な活躍も、仲間との熱い友情や絆も、悪い敵をやっつけてスッキリすることすらもなにもなく、最後は war is a drug の引用どおり、任期明けても志願して戦場に戻る主人公に何とも言えない後味の悪さを感じさせられる。しかしこういうのが好きなんだよなあ。
今まで観た戦争映画の中でも3番目か4番目くらいに好きな映画だ。かなり良い。とても良い。
好きな戦争映画のトップはなんと言ってもイーストウッドの『ハートブレイク・リッジ』だな。次いでみんな大好き『フルメタル・ジャケット』、ブラピのタンクバトル『フューリー』、『ブラックホーク・ダウン』に『アメリカン・スナイパー』、スナイパーもので忘れちゃいけない『スターリングラード』。