ナポリタン・スパゲッティ・スタイル
あるとき突然無性にナポリタンが食べたくなり、食べたいナポリタンをあれやこれやと想像していると、不意に何らかの天啓めいてナポリタンがいくつかのスタイルに分類できるということに思い至ったので、ここに書き残そうと思う。
なお、特段、実態を調査したり、ナポリタン業界の事情を察したり、ナポリタン研究者間のコンセンサスを踏まえたり、ということはしていない。
ただの独自研究、いや、思いつきと想像とで勝手に書き散らしただけなので、予めご了承ください。
ナポリタンといえば
日本生まれ? トマトソース・スパゲッティにインスパイアされた? 戦後に米兵が食べていた具なしケチャップ和えスパゲッティがルーツ?
そんなものは知らない。
イタリアンなカラーに因んで、ハム、タマネギ、ピーマンを基本の具材とし、ケチャップで味付けしたスパゲッティ料理。といったところだろうか。
ハムをソーセージやベーコンに替えたり、マッシュルームやコーンを追加したり、など、細かなアレンジはいくらでも可能だろう。
特に家庭で作る場合は、そのとき冷蔵庫にある食材で作るのが作法と言える。あるいは家庭料理人の腕の見せ所と言えようか。
味付けはケチャップ一択か。少しリッチにトマトソースを加える、イタリアンらしくオリーブオイルにトウガラシとニンニクで香りつけをする、バジルやパセリなどの香草をアクセントに、といった工夫は可能だろう。
食べる段階で、エビフライやカツなどの揚げ物を添えたり、ハンバーグやミートボールなどの肉料理を添えたり、目玉焼きを添えたり、粉チーズやタバスコをふりかけたりと、食べ方や味わいの調整もあり得る。
トッピングを盛るのはウェット系ナポリタンのお店に多いように思う。
ドライ・ナポリタン
炒め感が前面に出た、ケチャップやサラダオイルが必要最小限に抑えられたスタイル。比較的薄味。
ハムの塩みと旨み、タマネギやピーマンのシャキシャキとした素材感を楽しむ、軽快なスタイルでもある。
家庭で作るナポリタンは、茹でたスパゲッティをサラダオイルに絡めて一晩寝かせたりしないだろうから、素直に作ると自然とドライなナポリタンになると思われる。(これは家庭による差異が大きく、一概には言えないだろうが。)
ドライ・ナポリタンは、単体で食べることが前提であり、スパゲッティ・ロールなどには適さない。
また、トッピングも粉チーズくらいで十分であり、あくまでも軽食の印象だ。
ウェット・ナポリタン
スパゲティー・ナポリタンのルーツをたどると、ナポリタンとは、ウェットなものが基本のようだ。
ケチャップやサラダオイルがふんだんに使われたリッチなスタイル。ただし、B級グルメ感が強い。
具材はあまり重要ではなく、どちらかといえばスパゲッティのもっちり感に重点が置かれている。
茹でてからサラダオイルを絡め、冷蔵庫で一晩寝かせるのが、伝統的作法のようだ。
ウェット・スタイルでは、単体で食すばかりでなく、様々なトッピングと組み合わせて食べることも少なくないようだ。
また、いわゆるスパゲッティ・ロール(糖質を讃えよ!)はウェット・スタイルでないと成立しない。
トッピングなしは喫茶店や下町の洋食店で、トッピング盛り盛りのものはナポリタン専門店で出されるイメージ。
そして
ナポリタンが食べたくてたまらないので、このあたりで。
また何か思いついたら追記するかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?