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産業用カメラで使うレンズについて

産業用カメラでは、単焦点レンズがよく使われます。単焦点レンズは、ズーム機能が無く、またピントや絞りの変更もレンズを手で回して調整します。

見た目はこんな感じです。レンズを回しとピントや絞りを調節できます。

レンズと聞くと、一眼レフカメラのレンズを想像されると思います。

「取り外し可能なレンズ」という点は共通ですが、いくつか違もあります。

• レンズマウント
• 画質
• 環境耐性

レンズマウント

カメラのレンズを取り付ける部分をレンズマウントと呼びます。一眼レフはメーカ毎にレンズマウントが異なりますが、産業用カメラのレンズマウントは標準化・規格化が進みメーカによらず共通です。主に、以下のレンズマウントが使われます。

Cマウント
最も多くの産業用カメラで採用されているレンズマウントです。カメラの受光素子からレンズ取り付け部の根本までの距離(フランジバック)が17.526mmと決まっています。

フランジバック


CSマウント
Cマウントよりもフランジバックが12.5mmと短いレンズマウントです。Cマウントよりも小型なレンズで採用されています。また変換アダプタを使うとCマウントのカメラにも取り付けられます。

Sマウント(M12マウント)
主にボードカメラで採用されているレンズマウントです。Cマウント、CSマウントと比べて圧倒的に小型です。フランジバックの規定がないため、同じSマウントレンズでも互換性がない場合があります。

画質

産業用カメラで撮像した画像はソフトウェアによって処理され、製品の検査、ロボットによる搬送などで利用されています。そのため、実際の製品が「正確に」写るレンズが求められます。

レンズ歪み
レンズを通してカメラに写る物は実物と違います。変形が大きいと、画像処理の結果が不正確になります。

レンズ歪み

解像力
高ければ良いわけではなく、使用する産業用カメラの画素数、受光素子のサイズと釣り合う解像力のレンズを選択する必要があります。

明るさ
明るいほど短時間で画像を撮像できるので、製品1つあたりの処理時間を短縮できます。

焦点距離
撮像物までの距離、分解能、計測範囲にあった焦点距離のレンズを選ぶ必要があります。とはいえレンズ選定は難しいので、カメラメーカやレンズメーカから選定ツールが提供されています。


環境耐性

工場はオフィスより過酷なので、産業用レンズは頑丈に作られています。

温度耐性
温度変化によってピントなどが変わらないよう、金属の筐体、ガラスのレンズが使われています。

振動耐性
振動のある場所で使えるよう、内部のレンズを筐体に接着し、ダブルナットでピントを固定する産業用レンズもあります。


イラストは

イラストは妻に描いてもらいました。良かったら妻のnoteも見に行ってください。


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