【#8】きっともっと活用できそう!「スマートショッピングカート」がある千葉県のスマートストアに行ってきた!
こんにちは、たきさんです。素敵なユーザ体験(UX)に寄与しているデジタル活用事例@日本、を自分がいちユーザとして体験し、楽しく解説しています。似た中国事例の参照や比較もしてます。
今回は、「スーパーセンタートライアル長沼店」というお店がスマートストアとして、7月3日にリニューアルオープンした、とのことだったので、早速行ってみました。
セルフレジ機能を搭載した「スマートショッピングカート」と人物カウントや商品認識等の小売に特化したAIを搭載した「AIカメラ」があるらしい。
株式会社トライアルカンパニー、というスマート店舗に力を入れている会社が運営しているチェーン店のようです。同様のスマートストアは九州ではすでに展開されていますが、関東では初とのこと!
▼長沼店です
とにかくたどり着くまでが大変でした・・・!電車とバスを乗り継いで2時間くらいかかりました・・・!
やってみた①スムーズにカード登録
さて、今回の目玉は「スマートショッピングカート」。
レジとカートが一体になっているもので、カート上で商品を読み取り、そのままお会計が完了するというものです。
▼公式サイトより
まずこのサービスを使うには、「トライアルプリペイドカード」を作らないといけません。
というわけで、カードコーナーに行って、色々入力して作成しました。サービスカウンターなどに行く必要なく、端末の前でセルフでできるのが嬉しい。
そしてチャージ。
いざ!「スマートショッピングカート」はこちら!
やってみた②スマートショッピング
使い方は簡単。買いたい商品を手にとって、下の読み取りエリアにピッと近づけると、カートに登録されます。
これだけ。簡単!
ちなみに、クーポンがあるものは自動的に適用されます。
メニューの「クーポンを探す」から、能動的にクーポンを探すこともできます。
野菜など、バーコードがない商品は、というと。
カート上で探して選択するという形です。
一度スキャンした商品を取り消す場合は、「商品を取り消す」ボタンをタップして、その商品をスキャンすればOKです。
ちなみに天井には「AIカメラ」がたくさん設置されています。
これで商品棚の欠品情報や店内の人の流れをデータ化し分析し、欠品を起こしにくい「商品棚づくり」や人の流れの研究など、より良い店内環境づくりの為に役立てられるそうです。
やってみた③お会計
結構いろいろスキャン&カートに入れました(ほぼ家飲み用のおつまみよ・・)
さて、お会計です。「レジカート」と書いてある方に進みます。ちなみにレジカートじゃなかったらセルフレジです。普通の有人レジはないようです。
「お会計へ進む」をタップして、進みます。
ゲートっぽいところにきました。
で、あとは通り抜けるだけ・・?
あれ?
店員さんに止められてチェックされる・・・?一点一点バーコードをピッとされます。これだったらレジカートを使った意味ないのでは・・?
まだ開店してから5日目だったので、最初だけの対応(今だからこその対応)なのかもしれません。
もし、通常もここで確認が入るのであれば、レジカートのメリットとして謳われている「待たない、並ばない」価値が半減するように感じます。ちょっとここは謎です。(ご存知の方教えてくださいませ)
ちなみに私がいた時間にこのカートを使ってる人は、体感としては20-30%くらいでしょうか。多数派という感じではありませんでした。今後増えていくのかな。
感想:より能動的に商品提案してくれると嬉しいな・・・! 〜「並ばなくて良い」以上の価値を〜
スキャンしていくのも全く難しくないですし、「レジで並ばなくても良い」というのも素敵だと感じました(今回のような「出口での店員によるチェック」がないのであれば)。
ただ、これだと単に「会計をあとでやるか、先に(都度)やるか」というだけの話なので付加価値がそんなに高くないような気もします。
(あと「合計金額を確認しながらお買い物できる」も価値かな?)
むしろ「都度スキャンする」というのは面倒に感じることもある気もします。たくさん買うときとか、子どもがいるときとか、一気に急いでいろいろカートに入れたい時ってありません?
これはやや「モノありき」の発想ではあるのですが、せっかくスクリーンがついてるわけなので、「会計を先に済ませられている」以外の価値もあると良いなと思うのです。(今が辛いというわけではないのですが!)
いかにしてお買い物体験を豊かにするか、ということで考えると、
例えば、スクリーンにその日のおすすめや安くなっているものを積極的にだす、などがあると、一ユーザとしては嬉しいなと思います。できたらその場所を示した店舗の地図付きで。
チラシをみながら買い物できる、というようなイメージです。
ロボスタさんの記事を読んでみると、売り場でスキャンした商品情報or現在位置の近くにある商品情報に合わせたレシピ提案をしてくれる「レシピ機能」もあるみたいですが、
▼写真はロボスタさんの記事より引用
これだとその商品の近くに行くか、買うぞってならないとわからないわけですよね。もう少し能動的にいろいろスクリーンに出してもらってもいいのではないかな、と。
現状は、トップ画面には、一番最初は宣伝が出ていたのですが、
一度クーポンを使ったら、「おすすめクーポン一覧」が表示され続けていました。
何でだろう。クーポンが出たらダメという意味ではないのですが、これだけだともったいないな〜と。
買い物に行くときって、バチっと「絶対にこの10品目を買う!」と決めていくことは少なく、ある程度お店でみながら考える、みたいなことは多いと思います。
また、同じものばっかり買ってしまって困る、みたいなのは自炊する人あるあるな気もします。私個人、いち自炊ユーザとしても、レコメンドがあると「新しいものに挑戦する理由」にもなるのでとても嬉しく感じます・・・!
というわけで、現在実施されているレシピ提案も含めて、より積極的な商品レコメンドがあるとお買い物体験がより良いものになるだろうな・・・!と感じました。アプデに期待・・・!
中国では
「お買い物体験を豊かに」という観点で参考になりそうな事例としては、かの有名な中国のOMOスーパー(オンラインとオフラインが融合したスーパー)、盒馬鮮生(HEMA)があります。
スマホで商品棚のバーコードをスキャンすると、商品情報が出てくるのはもちろん、商品の産地や政府の許認可証書など、様々な情報が出てきます。
また商品によっては、いつどのタイミングでどこに運ばれたかという配送情報や、生産地・生産者、市政府などが発行している産地証明書なども確認できます。「トレーサビリティ」と言われるものですね。
これは食の安全に興味がある方、こだわりがある方にとっては良いのではないでしょうか。(中国でも都市部の若い人を中心にこだわる人が増えてきています)
ただ割と手間がかかる話ではあるのと、関心がある層(これがあることで体験価値が上昇する層)がそんなに多くない気がするので、そういう意味でトライアルさんで実施するには少し優先度が下がる施策かもしれません。
また、レシピ提案は盒馬鮮生(HEMA)にもあります。
ある商品をスキャンして出てきた商品ページの下に、その商品を使ったおすすめレシピが表示されます。
欲しかったら、ワンタップでレシピ完成に必要な商品をアプリ上の買い物カゴに入れることもできます。
▼ アスパラガスの商品詳細ページ下部に表示されるレシピ(左)と、レシピ画面詳細(右)
ちなみにこのままスマホ上で決済を完了させ、時間指定をして自分の都合の良い時間に自宅までデリバリーしてもらうことも可能です。最短30分で。
(自分で持ち帰りたい商品は、セルフレジで決済します)
次の用事があるためにアイスなどの溶け安いものを買うのを断念したり、重いものを買って持ち歩くのが苦痛になってしまうってことありますよね。でもここなら、店舗に来て商品を選んで注文し、帰るときは手ぶらで良いのです。
ただ、盒馬鮮生(HEMA)はオンラインありきでリアルの場(店舗)に体験を拡張する、という考え方なんですよね。
今回訪問したトライアルさんは店舗ありきで、どうそこに「デジタルデバイスをくっつけるか」という感じがしています。(現状は)
かなり状況が違う中ですので、盒馬鮮生(HEMA)をそのまま移植するのが良いというわけではないですが、体験価値向上のやり方の例として参考にできる部分はあるのかなあと感じました。
盒馬鮮生(HEMA)の詳細はこちらをご参照ください!
「スマートカート」というモノありきで、事例を語りますと。
中国のIT大手「京東(JD.com)」傘下のスーパー「7FRESH」(現在は「七鮮超市」)には、オープン当初、スマートショッピングカートありました。
「7FRESH」のアプリでショッピングカートのQRコードを読み取ると、カートがずっと自分の後を付いて来てくれる、ということだったのですが。
私が訪れた2018年12月にはもう使われておらず、バックヤードに片付けられていました。
▼店員さんに頼んでバックヤードに入れてもらい、見てきましたw
ちなみに、この当時は
これはまだ「第一世代」で次の世代のカートを開発中。
次バージョンは、カートに入れた商品の合計金額が自動的に表示される仕組みになる。
という話があったのですが、その後の続報はなく。。。
やはりうまく行かなかったのか。モノありきで考えてて、体験ありきじゃなかったのかなー。
なんにせよ、「モノを導入すること」ではなく、ユーザ体験を向上させることに焦点を当てて考えられると素敵だなーと思います。
本日は以上です!
今後も日本のデジタルスポットについて、中国の状況と比較しながら書いていきたいと思います。
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