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【#2】高輪ゲートウェイ駅の無人コンビニ「TOUCH TO GO」に行ってみた!(前編-ユーザ体験と中国との比較)
こんにちは、たきさんです。素敵なユーザ体験(UX)に寄与しているデジタル活用事例@日本、を自分がいちユーザとして体験し、楽しく解説しています。似た中国事例の参照や比較もしてます。
2020年3月23日に、高輪ゲートウェイ駅に無人コンビニの「TOUCH TO GO」がオープンしました。
「AmazonGo」に近い、画像認識型の無人コンビニです。お客さんが手にした商品を判別し、自動で精算してくれます(決済ではないことに注意)。
オープンから3ヶ月くらい経ったタイミングですが、遅ばせながら行ってみました!
▼名称よりフォントが気になる
登録不要でスムーズにお買い物が完了した!
着きました。改札近くにガラス張りの店舗。こちらです。出入口は1カ所。
店内に入ると、左側に入店ゲートがあります。入店ゲート前に立つとカメラがお客さんを認識してゲートが開きます。
ゲートがあるお店というのはそうそうないので、初めて来たからか、ここでちょっと戸惑っている人もいました。
開店当時は、当面は一度に入店できる人数を7~10人に制限するとのことでしたが、今はどうなのでしょうか。(私が行った時はそんなに人はいなかったのでわからず)
入店後、商品をみて回って選ぶところは普通のコンビニと同じです。ただし店舗内に店員さんはいません!本当に無人だー!
手に取った商品は、天井にあるカメラや各種センサーで認識されて、お客さんと紐付けられます。
商品は手に取った時点で認識されるので、お会計前に商品をバッグなどに入れちゃってもOKのようです。
棚に戻したら、ちゃんと戻したことが認識されます。
余談ですが、普通のコンビニにはあまり置いていない感じの、ちょっとお高い良いモノが多い印象。
高輪ゲートウェイ駅がデザインされたビールを発見。買いたくなってしまいました。ミーハーです。
画像認識とセンサーの能力を試すべく、商品を取ったり戻したり取ったり戻したりを何回も繰り返しまして・・・
(すごく迷ってる人、くらいの感じであって、迷惑行為はしてないですよ・・!)
さあいざ決済エリアへ!ここには2台の決済端末が置かれておりまして、その前にお客さんが立つと、自分が手に取った商品が表示されるみたいです。
▼入口側から撮った写真です
さあどうだ!どん!
さすが!!!あってる!!!
万が一間違っていたら、スクリーン右下の「商品修正」をタップ。
そして正しい商品をスキャンすれば訂正されるみたいです。
「訂正の必要があったらバックルームから人を呼ぶ必要がある」というオペレーションの場合、
一度でも「人を呼んで訂正する」という体験が発生してしまうと、次回以降は「面倒になるかもだからわざわざこの店舗で買わなくてもいいや」となるリスクがあるなーと思っていたのですが、自分で訂正できました。最高です。
実際のところは認識バッチリで訂正なかったので、「お支払い」に進みます。
すると・・!ビールを買おうとしているので年齢確認!
無人店舗で誰が確認するのかというと・・!
店舗内は無人ですがバックルームには常に従業員が1人いるとのこと。完全な無人化を目指しているわけではなく、あくまでも省人化を目指すシステムらしいです。(参考記事より)
なるほど、商品の陳列などもありますし、何かあったときのために一人は店員さんがいてくれた方が安心ですよね。
というわけで、おそらくそのバックヤードの店員さんに年齢を確認され・・・!
無事年齢確認をクリア。ディスプレイ手前に置かれている決済端末で決済を行います。
今はSuicaやPASMOなどの交通系電子マネーのみ利用可能とのことですが、今後はクレジットカードなどにも対応していく予定らしいです。
というわけで、思ったより不安なくスムーズにお買い物できました!
▼レジ横に袋があり、自由にもらってOKでした
店舗をお使いになっている方々はどうだった?
店舗の中にいる方々はどんな感じかな〜と少しその場で観察もしていたのですが、先述の通りゲート前で少し戸惑う方はたまにいたものの、
会計エリアのディスプレイがわかりやすいことと、認証精度が高いこともあってか、ほぼ皆さん戸惑わず使うことができていたようです。
ただ平日の午前でしたので、「通勤前によくこのお店を使っており、使い慣れている」という人も多かったのかもしれません。
また年配の方はあまりおらず、主に(年配の方よりもデジタルリテラシが割とあると考えられる)40代以下と見られる方ばかりだったことも、お困りの人が特にいなかった、ことの理由の一つでもありそうです。
中国では成功しなかった前例あり。ダメだった理由は?
実は、中国では約2年前位、2018年あたりに「無人コンビニ」ブームがありました。
私も2年前位に、中国の無人コンビニ10種類弱くらい見に行きましたが、現在もうまく行っているところはほぼありません・・・!
▼昔書いていたブログ
どうしてかというと、中国の場合「無人」がバズワードになり投資がたくさんつくようになったため、そのキャッチーさにつられて、「無人」を目的としユーザ体験を置き去りにしたものばかりになってしまった、という感じなのです。(やや雑な言い方ですが)
▼詳しくは最近書いたこちらをご参照ください
というわけで、私としては「中国の無人コンビニ微妙だったよね」という体験があるため、高輪ゲートウェイ駅の無人コンビニ「TOUCH TO GO」にもあまり期待していなかったのですが・・・!(すみません)
今回自分で体験してみて、この店舗は良いのではないか!と思いました。(上から目線っぽくてすみません)
そう思った理由を書く前に、まず中国の似たコンビニがダメだった経緯と理由の私なりの解釈を。
中国にも画像認識型の無人コンビニ「簡24」というお店があったのですが、そこはAmazonGoのように完全ウォークスルー型(商品を持って出ると自動で会計が完了)を志向しておりました。
近未来的ではあるのですが、私は自分が使う中では以下のような問題を感じていました。
①初回は入場の前にスマホで登録を行う必要がある→登録が面倒なのでここで買わなくていいか、となり使われない(初回利用のハードルが高い)
②会計が間違っていた場合、訂正は店員を呼ばないとできない→一度でも訂正の体験が生じると「訂正があったら面倒じゃん」となり使われにくくなる
特に①が大きいですね。登録が面倒なので、「とりあえず入店してみよ」とならないのです。
ちなみに「登録」というのは、上述の「簡24」においては、アプリまたはWeChatのミニプログラム(アプリ内アプリ)でのユーザ登録です。
お店入るだけなのにまず登録、は面倒なんですよねえ。
▼「簡24」アプリ(キャプチャは2018年4月のもの)
もう一度書くまでもないのですが、②もあります。精算金額が異なる場合に訂正を自分でできず店員を呼ぶ必要があるのは、ストレスが大きいです。
でも「TOUCH TO GO」は良いのでは!
しかし「TOUCH TO GO」の場合は、上記の問題をばっちりクリアしているのです。
「TOUCH TO GO」の店舗前で、改札機のようなものを見て、ここなんだろう・・よくわからないな・・というようなそぶりを見せる人は確かにいました。
ただ、近づけばゲートは開きます。ちょっとの不安はあるものの、何にせよ何の作業もなくとりあえず入店はできるのです。
▼「TOUCH TO GO」のゲート
入店し、店の中で商品を探して手に持ってしまえば、ゴールは近い!人間、買うモノが決まってしまえば、引き返す可能性は低くなります。
もう手に持っちゃってるものは買いたいので、ちょっと不安だったとしてもレジの前まで行って、(そこのユーザ体験がよほど悲惨なものでなければ)買ってくれるのですね。
最初に登録がない分、本人の決済アカウントとの紐付けはできず、中国の「簡24」やアメリカの「AmazonGo」のように、「持って出たら自動で決済」とは行きません。
ただお客様の心理を考えると、初回利用時は「持って出るだけで決済完了するのは楽だから使おう」というより、目の前にある店で「普通にさっとモノを買いたい」というモチベーションが強いように思います。
(「持って出るだけで決済完了するのは楽だから使おう」は、最初から自覚されるものではなく、体験してみて初めてわかる価値なように思います。)
というわけで、そちらよりも「TOUCH TO GO」のように、「入場のハードルを下げる」ということができている方が、ユーザ獲得には効果的なようにも感じます。
加えて、先述の通り、仮に精算金額が間違っていても自分でパッとスキャンして訂正できるというのは、「店員をわざわざ呼ぶ」のに比べてもストレスが少なそうです。
▼訂正する場合の画面(商品をスキャンしてください、と出ている)
・・というわけで、「TOUCH TO GO」は省人化も実現できつつ、良いユーザ体験なのではないかな、と感じています。
以上!前編でした!
こちらの後編↓では、「TOUCH TO GOのユーザ体験良いよね」という前提の下、「とは言えこれって大丈夫なの?気になる!」ということを書いています。
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