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真っ黒なスミレとむっそ。

「ねえ、むっそ」

「なんだい?」

「どうしてぼくは、スミレの花なのに真っ黒なんだい?
どうしてぼくは、ほかのスミレと
チガウ のかい?」

「チガウ?」

「だって、ほかのスミレは、綺麗な紫色やピンク色をしているよ。
どうしてぼくは…、真っ黒で。
ほら、ススで汚れたみたいじゃないか。

こんな花ってあるのかい?」

むっそはすこし考えました。

そして、諭す(さとす)でもなく、ごく自然に、言いました。

「チガウ って、なんの損があるんだい?それはぼくは知らないな。聞いたこともないよ。

それに、君の黒い花びらは、
とても、とても良く、その真ん中の
小さなおしべやめしべを
キレイに見せているよ。

君のいのちの黄色を、とても引き立たせる色だ。」

「そっか。」

「…むっそ、ありがとう。」

黒いスミレは、小さくうなづきました。

いつもの自信なさげな口調でしたが、

でも、いつもよりすこし、笑顔でした。



。゜⋆。゜⋆
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今後こちら(note)は、文章(絵本風、ショートショートなど)メインになる可能性が高いです。
えけものシリーズもできるだけ、ご要望があれば出します。
今後しばらく無料で提供して、コツコツ書いていくつもりなので、ご愛顧くださいませ( ´ω` )/


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