「とある星のお話」
あるところに、
小さな 小さな、
それは 小さな、
星が おりました。
まわりにも、
たくさんの、
小さな 星がおりました。
星はみんな、それぞれに
色がちがって、
とてもきれいでした。
でも、
まだ 小さな 小さな その星は、
「ぼくはまだ 少し きらきらが足りないなあ」
そう、思っていました。
星は、だんだん、泣きたくなりました。
「ぼくの光は なんて 弱いんだ。
ぼくも、ほかのみんなのように、
せめて、みんなと同じくらい、
つよく、つよく...。」
小さな星は、おおつぶの涙を流しました。
...すると、どうでしょう。
小さな星の涙は、
どんどんあふれて 流れていって、
大きな 天の川 に なったのです。
それはそれは、
それは、きれいな
ミルク色をしていました。
小さな星の、仲間たち、
全員を 集めたような、
それはきれいな、
『きらきら』した 色でした。
『きっとみんなのおかげだ。
ありがとう、
ありがとう。』
小さな星は、そっとつぶやいて、
ミルク色の川に、
溶けていくように 流れていきました。
『よかったね。』『よかった!』
他の星たちも、それに続いて
流れて、流れていきました。
その日の夜は、
星たちのおかげで、
地上の人々は、
とてもやわらかい光を、
浴びながら、眠りにつきました。
まるで、小さな星たちの、
大きなパレードのようでした。
とても 優しい、パレードでした。
パレードは やがて、
だんだん薄くなるように消えて、
見えなくなっていきました。
...さて、
あのパレードは、
小さな星たちの天の川は、
いったいどこへ
向かったのでしょうね。
答えは、きっと、
小さな星たちを
お母さんのように包み込む
優しい夜空が知っています。
☆おしまい★
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