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くろたき もえこ
2016年12月5日 23:32
この場所、絵描きがテントを張っている丘は、少し星のにおいがする。今日も少女ーーニコは、絵描きの元へと来た。ただ、なんとなく。「ねえ、絵描きさん」夕食の準備をしていた絵描きは手を止めて、振り返る。「なんだい?ニコ」「ーーーふつう、ってなんだろう」それは少女の口から出た素朴な疑問だった。おそらく、相手がこの絵描き、だから言えること。「なんだ。今日は少し難しいことを聞
2016年5月12日 20:24
「ねえ」「なんで えかきさんは、くびに ちきゅうぎを さげているの?」夜空。星のわだち。浮かぶような月。少女は問うた。すん、と一息、すって、ゆっくりとえかきは答える。「このペンダントは小さいけれど、地球って広いだろ? それに、それはきれいにまあるいんだ。そこをぐるぐる周っていると、いつかぼくはどこに居るのか あんまりわからなくなる。だからこのペンダントで、自