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顔のない絵描き

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超短編ストーリー。細く長くちまく書いています
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#ほんわか

ことばはたまにいらない

「ねえ」

「なんで えかきさんは、

くびに ちきゅうぎを さげているの?」

夜空。星のわだち。浮かぶような月。

少女は問うた。

すん、と一息、すって、ゆっくりとえかきは答える。

「このペンダントは小さいけれど、

地球って広いだろ? それに、それはきれいにまあるいんだ。

そこをぐるぐる周っていると、いつかぼくは

どこに居るのか あんまりわからなくなる。

だからこのペンダントで、自

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顔のない似顔絵描き

その絵描きには顔がない。

顔がないので顔見知りもいなければ

彼のことを覚えている人もいない。

「僕には顔がないから、似顔絵を描いて暮らしているんだ。

そうやって僕を憶えてもらうんだよ。」

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

ショートなショートでちょこっとずつ更新。

顔のない似顔絵屋

とある似顔絵屋と少女が出会う街角

似顔絵屋は遠い国から来たのだという。

少女は似顔絵屋の 顔がない ことを知る

隣に居ても、何度会っても顔を思い出せない。

似顔絵屋を思い出す手がかりは

首に下げた地球儀のペンダント。

ほかに誰もぶら下げていないような。

ある日、似顔絵屋に少女は

「自分の似顔絵を描いてほしい」とたのんだ。

そこで似顔絵屋は気づく。

少女の ”とある素質” に。

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