【ガールズバンドクライ】トゲナシトゲアリの楽曲考察 前編 ストーリーからターゲット、楽曲モチーフを紐解いていく!
お疲れ様です。タキタロウです。
今回の記事はガールズバンドクライの楽曲について考察していきます。
ガールズバンドクライの楽曲へ理解を深める手がかりに
なるかと思いますので、是非最後までご覧ください。
今回、楽曲を考察していくにあたってガールズバンドクライ1~10話までに
使用された楽曲、トゲナシトゲアリのアルバム「棘アリ」そして、
アニメ監督やプロデューサーなどガルクラと共通するスタッフが多い
「ラブライブ!」シリーズの楽曲を聴きなおしました。
その結果読み取れたことを、作品ストーリー、ターゲット、楽曲モチーフの
3つのコンセプトに沿って解説していきます。
このnoteではギターや音楽を軸に時にはアニメやゲームを絡めながら
マニアックな内容を語っていく記事を配信しています。
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それでは本編スタートです!
■作品ストーリーから考察
冒頭で作品ストーリー、ターゲット、楽曲モチーフの
3つのコンセプトに沿って解説とお話ししました。
ガールズバンドクライという企画がどの起点からスタートしたかはわかりませんが今回の記事は考えやすい作品ストーリーから考察していきます。
まずはガールズバンドクライのストーリーについて少しだけ
おさらいしていきましょう。
以上がストーリーの概要となります。
2024年6月8日現在の最新10話まで視聴された方なら周知の事実かと思いますが、この作品、というか主人公の仁菜、結構な頻度で多方面に噛みつきます。
その視点は間違いなく陽キャではなく陰キャの視点であり、
ぼざろではマイルドに表現されていた鬱屈とした感情や変えられない現実と
向き合う場面が多々あります。
キャッチコピーである「怒りも喜びも哀しさも全部ぶちこめ。」が占めす通り登場する楽曲についても生々しさ、激情が感じられるものが多い。
反骨精神。パンク的と言っても良いかもしれません。
パンクロックは元々1970年代半ばにアメリカとイギリスでほぼ同時に発展したもので特に70年代のイギリスは経済不況で失業率は高く、若者たちは国や政治に対しての怒りや不満を抱いていました。
そのメッセージ性は様々ですが反体制、自己表現、社会批判、若者の疎外感、反商業主義といったテーマが流れています。
ガルクラという作品に置きなおすならば、パンク本来のメッセージ性も根っこにありつつ、もっと身近な自分自身の将来であったり
確執が生まれたかつての仲間や家族に対する喪失感が楽曲に込められていることが伺えます。
空の箱などは正にド直球ですね。
楽曲世界の中心は自分であり、自分が見ている世界はどのように見えているのか?自分と周りはどのように変わってきたのか?
そこが主軸になっているとタキタロウは感じました。
作中ダイヤモンドダストというバンドも登場しトゲナシトゲアリと
対照的な描かれ方をしますが、これを制作している多くがラブライブの
スタッフと考えると何がとは敢えて言いませんが、よりパンクロックだなと感じざるをえません。
また、物語の類型を表す言葉の一つに「セカイ系」というものがありますが、その発展形とも考えられるかもしれません。
「セカイ系」の作品としてカテゴライズされることの多いエヴァンゲリオンや涼宮ハルヒの憂鬱、最終兵器彼女等の作品は
主人公(ぼく)とヒロイン(キミ)を中心とした小さな関係性の問題が世界の危機レベルの大問題に直結したりします。
ガルクラで言うなら仁菜と桃香さんという、ぼくとキミという存在がいて
高校の中退、父親との確執を経て、熊本から1人上京してきた仁菜目線で見ると、東京で起きるあらゆる物事が自分のとっての世界全体の問題のように感じているからこそ、作中の狂犬的な行動に繋がっているのかもしれませんね。
■ターゲットから考察
次にそんな音楽をテーマにした作品のメインターゲットにできるのは
どんな世代なのかを考えていきましょう。
タキタロウの結論から言えば
2010年前後に中学生だった世代。
2024年現在で20代後半~30歳前後の人たちと考えました。
理由は2つありますが1つ目は青春期における大きな喪失感の体験、
2つ目は後々楽曲モチーフの話ともつながっているのですが、
ボーカロイドの発展です。
まず1つ目青春期における大きな喪失感の体験についてです。
2010年頃を思い返して頂くお分かりになるかと思いますが
その当時はリーマンショックや東日本大震災といったこれまでの常識を覆すような大事件が続いた頃でもありました。
タキタロウはもろに就職など影響を受けた世代ですが、それも下の世代。
多感な時期に。大人たちの焦り、社会全体の空気、自分がみている世界、日常があまり良くない方向へ変化していくという経験は正にガルクラにおける、仁菜をはじめとしたトゲナシトゲアリのメンバーのエピソードに共感できるような下地があるのではないかと感じました。
2つ目の理由はボーカロイドの発展ですが、次のコンセプトである
楽曲モチーフの話とまとめます。
■楽曲モチーフの考察
作品ストーリーからターゲットをそして記事後半ではターゲットからいよいよ楽曲モチーフを考察していきます。
ターゲットは2024年現在で20代後半~30歳前後の人たちとお話しました。
とある調査では「10代で聴いていた音楽が生涯にわたって影響を与える」
という結果がでています。
では日本において20代後半~30歳前後の人たちの多くが聴いていた音楽は何か?
メジャーどころで言うならやはりアイドルグループの楽曲。
しかし、これはガルクラの作品テーマに沿いませんし、ラブライブ!でも
やったことです。
では何か?
それが先ほどお話した、ボーカロイドの発展と絡んできます。
先程もお伝えしたとおり、社会全体に何となく閉塞感が漂う中人気を博したのが初音ミクでした。
ニコニコ記事やYoutubeなど素人が配信した記事を楽しむという文化が根付き始めた2010年頃。
それまで、音楽のプロ、特にバンドとして成功するためにはインディーズとして活動してライブを行い、自主制作でCDを作り有名になれば、大手レコード会社から声がかかり、メジャーデビューという流れが一般的でした。
もちろん、モンゴル800やハイスタなど例外となる
伝説的なバンドは一部存在しましたが……
しかし、DAWと呼ばれるCubaseやPro toolsなどの音楽制作ソフトの進化、
そしてボーカロイドの誕生から、インターネットから人気を博し、プロとしてデビューする流れができたのもこのころでした。
自分だけしか知らないような、お気に入りのクリエイターが次第にに人気を博してどんどんメジャーになっていく……
それまでライブハウスに頻繁に通い、CDショップのインディーズの新譜コーナーにへばり付いていたような人しか経験しえなかった楽しみが
SNSの発達、音楽制作ツールの進化によって当時の10代に一般化したのです。
一言にDAWやボカロ系の楽曲と言ってもその範囲は広大です。
それではより具体的なモチーフをここからは深堀りしていきましょう。
トゲナシトゲアリの楽曲を聴いて感じたのはごく初期のボカロ曲である
Supercell、初音ミクの消滅そこから数年後のカゲロウプロジェクト等々からの影響を感じました。
これは簡単に言ってしまえば、
①それまでの邦ロックやJ-popの文脈の曲を初音ミクに歌わせた楽曲と
②初音ミクをはじめとしたボーカロイドでなければ普通歌うことができない楽曲の2種類と考えます。
例えば初期の名曲で言えば、①Supercellのメルトはそれまでの邦ロックや
J-popの文脈の曲といえますが、②暴走Pの初音ミクの消滅について明らかにそこからは外れています。
話をガルクラの楽曲に戻しましょう。
①の影響が強いと言えそうなのは作中初期に登場する
空の箱、声なき魚 爆ぜて咲く などでしょうか?
それでも歌うのは難しいですが。。作中タイミングで言えば
桃香さんが中心に作った曲と呼べるかもしれません。
続いて②の影響が強そうな曲ですが
OP曲である 雑踏、僕らの街、視界の隅 朽ちる音、名もなき何もかも
等があげられそうです。
現在の設定かこれからそうなっていくのかは不明なのですが
楽曲の種類が結構分かりやすく違うので
バンド内のコンポーザーは2人いるという設定だったのかもしれません。
従来の邦ロックの影響が強い楽曲は桃香さん。DTMとボカロで曲を作りルパさんと一緒に楽曲を公開してきた智ちゃんとかの予定だったのかな?想像しました。
本当はもう少し楽曲を深堀りしつつ、タキタロウ的おススメ楽曲とかも
紹介したかったのですが、記事の尺が長くなり過ぎてしまうのでこのあたりで。
今回は前編として続きは後編でということでさせたください。
さて、ここまでご視聴頂きましてありがとうございました。
今回はガールズバンドクライの楽曲について考察してきました。
いつも通り、今回話してきた内容はもちろんタキタロウのいち解釈ですので、いやいや全然違うしみたいな意見あればコメントで教えて頂けると幸いです。
それではタキタロウでした!
バイバイ!
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■コピーライト&引用元
©東映アニメーション
© プロジェクトラブライブ!
(C)はまじあき/芳文社・アニプレックス
ガールズバンドクライ公式ホームページ
https://girls-band-cry.com/
初音ミク「メルト」
https://www.youtube.com/watch?v=o1jAMSQyVPc
初音ミクの消失(THE END OF HATSUNE MIKU) - cosMo@暴走P https://www.youtube.com/watch?v=VWVtIg5cdDU
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