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【日記エッセイ】「夜間救急病院」

オレが働いてる先は中規模の病院だ。病院は一度患者によって崩壊した。医学的に無症状とされる患者が殺到したことにより、医師たちがストライキを起こし、診られるべき患者たちが受診することができず、病院と医者への信頼感がゼロになり、誰もが別の仕方の医療体制を求めた。オレは、そのストライキの前に夜間の受付として働いていた。派遣だ。そこの受付の派遣たちが全員嫌っていた看護師がいる。彼女は、攻撃的で威圧的な態度、オレたちを絶対に派遣と呼んだ。何から何まで気に食わない様子で、電脳システムの整理がなってないだとか、感染症の防護フィルターを無症状患者の時にでもつけろだとか、それをつけて作業するのがどれほど辛いかを知らないくせに。

一度、今すぐ来てと、その看護師に言われ、オレは飛び出して駆けつけたことがある。そこには怒り狂った年老いたキルゴール人がいた。今にでも暴力を振るいそうなのでそれを止めろということだと一瞬で理解したオレは、間に入った。その瞬間、オレは腹の真ん中を殴られた。驚いた。キルゴール人は惑星性として穏やかと聞いていたし、今まで何人かと会ってきたがその印象は変わらなかったからだ。本気で殴るとは思ってなかった、けれど、殴った拳に強さは無かった。オレはその手をぎゅっと握ってキルゴール人の目を見た。その目は怯えていた。オレは久しぶりにオレの力をフルで使った。目と目で会話した。落ち着いてくれと、すると、彼の怒りは鎮まり、拳を下ろし、その手で僕の腰をぎゅっと握ってきた。怖かったんだなと思った。その怒りや暴力は反射的なものだと直感した。

彼をベットに誘導しようとした。隣の看護師はオレに暴力を振るったことに激怒している。オレにというか暴力を振るったことに対してのみ激昂している。ありえない程、怒鳴っている。それを聞いたキルゴール人はまた怒りをあらわにして、看護師と言い合いになる。ダメだと思って、彼を連れ出した。その後、彼と2人で少しだけ話した、彼は耳元で小さな声で話してくれた。トイレに行きたくて、それでなんでか口論になったらしい、けど最後に、彼がもらしてしまったと言った。キルゴール人は誇り高き一族だ。彼らが惑星開拓で連れ出され、何千年も労働をしなかったら我々もまともな生活を送れなかっただろう。別の看護師が来てキルゴール人は別の部屋に連れて行かれた。

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