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「とろろ」は英語で何と言う?

語学が堪能な友達から、
「私が手伝っているオンライン英会話教室で、今、無料体験やってるんだけど、どう?」
と連絡をもらったのは今年の春。

なに、無料ですと⁈

英語の好きな中学生次女、英語の嫌いな高校生長女、ついでに夫まで巻き込んで、さっそく申し込みました。
もちろん、自分も。

こう書くと、
「あなたは英語が出来るんですね」
と思うでしょうか?
いいえ、
私、じつは英語が出来ないんです。

ちなみに、長女も英語が出来ないんです。
出来ない上に、大嫌い。
英語のテストになると、動悸・息切れがするとか。あと、強烈な眠気に襲われるらしい。
でも大学には行きたい長女。
英語はどうしたって必須だよ…。

友達に相談したところ、英語が得意になる1番の近道は、
「好きになること!」
らしい。
「だからさ、好きな音楽とかあれば、そこから入っていけば?」

うーん…音楽と、長女と、かぁ…。
日本のアニメオタクの長女は、洋楽に興味ナシだもんなぁ…。

そこで、英語が出来ない私も一緒に、家族みんなで強制英会話レッスンを始めることにしたのでした。
もちろん長女は大反対です。

「ぜーったい嫌!」
「出来ないって言ったって、お母さんもじつは出来るんでしょう!?」

…余程、友達の「ぜーんぜん勉強しなかったから、今回のテスト、出来なかった〜⤴️」に騙されたんでしょうね…。

しかし、母を侮ってはいけない。
出来ないと言ったら、本当に出来ないのだ!!

そこで、先陣を切って、まず私がオンライン英会話レッスンを受けることにしました。

講師は、みなさんフィリピン人。
友達曰く、
「フィリピンは英語教育がしっかりしているし、ウチは講師の教育もちゃんとしているから安心して。
それに、フィリピン人は陽気だから、楽しくレッスンできるよ♪」
うん、知ってる。私にもフィリピン人の友達がいるけど、明るくて、いつも笑顔の素敵なママさんだもん♪♪

そして、レッスン初日。
スカイプでの授業で、最初の
「Can you hear me?」

「Are you happy?」
と聞き間違え、
「Yes, I am happy!」
と答えて、陽気なフィリピン人講師をドン引きさせたのでした…。

その日は落ち込んで飲んだくれましたが、母の三枚目すぎる捨て身な挑戦に長女も観念したのか、すんなりと英会話レッスンを受けるようになりました。

英語が好きな次女は、中学生ながら使える英語を駆使して喋っている。好きってすごい!
英語が嫌いな長女も、「ぜったいレッスン中に部屋に入るな!」と厳命されたけど、ドアの隙間から漏れる会話を聞いていると(べつにドアに張り付いていたわけではない)、私よりしっかり喋っている。
「お母さんより出来ているよね…?」
と恨めしい気持ちで聞いたら、
「そりゃ、現役だもん!」
…けっきょく、出来ないのは私だけかよ。
(夫もときどき海外出張があり、それなりに話せるのです)


いつから英語が苦手になったのか。
私は、はっきりとその瞬間を思い出すことができます。
中3の夏の、関係代名詞。ここから分からなくなった。
(今はもっと早くから関係代名詞を習うようですね)
不思議なことに、教室の風景や、夏服を着ている自分の姿まで、くっきりと浮かんできます。
高校受験は、ここが理解できなくても他でカバーできる、と思った小賢しい考えも。
もしタイムスリップできるなら、それが後々まで自分を苦しめるよ、と言いたいところですが、仕方ない。
けっきょく、英語が出来ないことが、ずっとコンプレックスとなって付き纏うのでした。

そんな母ですから、長女がテスト後にほろほろ泣く、涙の理由もなんとなく分かる。
でもね、それを乗り越える手がかりは、自分にしか無いのよ。
母も一緒に頑張るからさ。
今、乗り越えてみようよ。

そうは言っても、苦手なことに取り組むのも勇気がいります。
ずっと放置していた私の英語コンプレックス。
それを刺激した出来事が、じつは数年前にありました。


都内某所にある、私の隠れ家のような、誰も訪れないお気に入りの滝からの帰り道。
林道を歩いていたら、前方から、おそらく英語圏のティーンエイジャーの女の子がゴキゲンな様子で歩いてきました。
服装ははっきりと覚えていないけど、セーターにポシェット、ショートパンツからは肉感的な生足が。思わず、ガン見です。

YOUは何しに林道へ?

この先、人家ないし、登山道になっちゃうよ⁇
山を歩く格好じゃないよね⁇⁇

女の子は私を見るとニコッと笑い、
「○○寺へはどうやって行きますか?」
と英語で尋ねてきました。(それは聞き取れた)

ムム、なぜ○○寺へ行こうとして、ここにいるのか。
場所が全然違うから、たとえ日本語でも説明が難しい…。

けっきょく私に出来たことは、仁王立ちして両腕を胸の前でバッテンにし、
「No! Go back!!」
これだけ。

女の子は、面喰らって引き返していきましたとさ…。

英語が出来たなら、もう少し別な言い方があっただろうな。
たとえば、
「この道を戻って右折して、橋を渡ったらバス停があるから、○○駅行きのバスに乗って、に着いたら観光案内所の人に聞いてみて」
…うーん、何年勉強しても、これを英語で言える気がしない…。

ほかにも外国人に山の中で道を聞かれたことがあります。

東京都青梅市にある御岳山でのこと。
あまりひと気のないハイキングコースで、富裕層らしきスタイリッシュな中国系のファミリーに、
「奥多摩駅はどうやって行きますか?」
と英語で訊かれました。
このときは夫が一緒だったので、
「ケーブルカーで山を降りて、バスで御嶽駅まで行って、そこから電車で奥多摩駅へ行くのがいいですよ」
と伝えたようですが、そのうち夫は戸惑った顔になりました。
どうやら、歩いて行きたいそうなのです。

もちろん、歩いても行けます。
でも、その格好で(女性はパンプスとハンドバッグ、男性はチノパンにきれいなスニーカー)、この時間から(冬のお昼過ぎ)、山道を歩いて奥多摩駅まで行くのは、お勧めできない…。

夫がどうやって答えたのか分かりませんが、ファミリーはぺこりとお辞儀して去っていきました。
やっぱりね、英語は出来たほうがいいよね。
人が大勢いる街中なら、
「l can’t speak English!」
で逃げちゃってもいいけど、こんな山奥ではね。
ちゃんと答えたいし、
せめて、ビジターセンターで聞いてみて、くらいは言えるようになりたい。

そんなこともあって、無料体験後も週一回のペースで続けることにしました。
(長女も次女も、英会話は楽しいようで続けています)
私の場合、なにせスタートが
「I am happy!」
ですからね。先生は、私に合わせて中学生レベルで会話してくれます。
しかし、それでも難しい。
「趣味は何ですか?」
と聞かれたときのこと。
「滝へ行くことです」
と答えたいけど、たとえ相手が日本人でも
「はぁ?」
と、なります。まして相手は外国人。
「What?(この日本人、変なのか⁇)」
と思われそう。
そこで無難に
「My hobby is reading books」
と答えました。
すると、
「どんな本が好き?」
うーん…。
とくにない。強いて言うなら、新潮文庫の100冊を読むのが好き。
…って、英語で何と言う⁇
たぶん、ジャンルで答えたほうが良いよね。
恋愛小説はラブロマンス? ハードボイルドはハードボイルド⁇  歴史小説は⁇⁇ 
そこで、いちばん簡単そうな
「I like mystery」
で誤魔化しました。ミステリー、そんなに読まないけど。
答える英語は簡単なものばかりですが、自分の趣味嗜好が少しズレているのか、なんだかとても難しいです。

それでも数ヶ月経つと、コミュニケーションはだいぶ取れるようになってきました。英語力はまだ全然だけど。
いつもお願いしている先生は、日本に住んでいたこともあるそうで、じつは日本語が喋れる。
英語で伝えるのが難しいときは、ちょこっと日本語を入れたりもする。(だから上達しないのかな)
レッスン開始直後の雑談のような時間では、だいたい、ごはん食べた? とか、何を食べた? など、毎回決まったことを英語で質問されます。
その日は、とろろご飯を食べたので、
「I ate とろろご飯」
と答えました。
「What’s tororo?」
「あー、えーっと…とろろ…うーん…」
「What kind of food is tororo?」
「えーっと、どんな食べ物? 
うーん…Do you know とろろうどん?」
日本のうどんが好きだと言っていた先生は、それでなんとか分かったようですが、
「What do you say tororo in English?」
えー、それ、私が聞きたい。
「うーん…とろろ…長芋だから…long potato!」
先生も調べてくれたようですが、雑談が長くなると思ったのか、
「まぁ、それはいいや。そろそろ今日のレッスンを始めよう」
みたいなことを英語で言って、その話題は終わりました。


それ以来、つい、
「とろろは英語で何と言う?」
と考えてしまいます。
(長芋は chinese yam らしいです)
でも、たとえば、

Tororo is the traditional Japanene food.
とろろは日本の伝統的な食べ物です。

これでもいいのかな。

「とろろは、生の長芋や山芋をすりおろしたもので、納豆のような粘りがあり、ご飯やそば、うどんなどにかけて食べます」

そこまで求めていたら、一生英語なんて話せない。(私の場合)
まずは、自分の伝えられる伝え方を、増やしていけばいいのかな。
でも、それも練習が必要だよね。
だって、こんな簡単な文章でさえ、思い付くのに時間がかかるんだから。

誰かに何かを伝えたいとき、つい、
「こう伝えなきゃ」
と、頭でっかちになってしまうことがあります。
でも、本当はいろんなアプローチがある。
それを身に付けるには、いっぱい伝えて、うまく伝わったり、伝わらなかったり、そんな経験を繰り返していくことが大切なのかも、と思いました。
凹むこともあるけど、もうちょっと頑張ってみるか。
しなやかで、タフで、そして楽しむ「こころ」を持って、続けていきたいと思います。


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去年の9月から小川こころ先生の「東京青猫ワークス 月イチ文章講座」のサークルに参加しました。
先生が出してくれたお題でnoteに書いて、先生やサークルの仲間から感想をもらって、とても楽しい時間でした。(お題と関係なく書いたものもあります)

サークルは今月で終了なので、先生への感謝を込めて、今までのお題を散りばめて書いてみました(太字の部分がお題です)
いろんなお題があったな。
書くことがすぐ浮かぶものもあれば、まったく浮かばないものもあったし、お題ガン無視で書いたこともあったっけ。
などと、いろいろ思い出しながら、めちゃくちゃ楽しい気持ちで書きました。

こころ先生は、毎回、丁寧に読んでくださり、サークルの中でレビューを書いてくださいました。自分が伝えたいと思ったところ(でもうまく書けなかったところ)を掬ってくれたり、自分が気付いていない視点を見つけてくれたり、毎回、腑に落ちることや、新しい発見がありました。
自分のなかの「もやもやしたもの」や「ふわふわしたもの」を言葉にするうちに、「自分はこう思っていたのか」「自分はこうなりたかったのか」といった気づきもありました。  
こころ先生、本当にありがとうございました!

新しい企画を立ち上げた際は、どうか知らせてください!! また参加したいです♪♪

(あ、note、これが最後というわけではありません💦
これからもマイペースに書いていこうと思います🙇‍♀️)

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