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東京本社勤務となってから2年目
今日は在宅勤務。
会社に行ってしなければならない仕事がなければ、金曜日は在宅勤務を許されている。
そもそも私は、現在の会社に入社して5年目になる。
今の会社を選んだのは、その会社の支社が自宅から20分で行ける距離にあったこと。その支社に勤務できることを条件に入社した。
それが4年目の昨年、いろいろあって、東京本社の勤務になった。
片道2時間15分。
9年くらい前に川崎にある研究所に2年間通勤していたことがあり、その時は片道2時間半であった。豊洲市場の近くで川崎よりも近いはずではあるが、ほとんど時間的には変わらない。
こういう長時間通勤がイヤだった。それ故転職したのだが、結局長時間の通勤をしている。
私の仕事は、バイオ系の研究開発である。
現在は本社の研究開発部の管理職、所謂部長という肩書きではある。こう書くとさぞ凄いことやってそうな書き出しではあるが、部門自体は5年前に私が入社した際に社長が私のために作ってくれたようなものだ。総勢80人もいない小さな会社の、社長都合で出来た部門なので、直属の部下は今はいない。
社長のご都合利きのような部ではあるが、入社してからこれまでに新しい商品を5品目、商品の改良、特許出願1項目とそれなりに成果を上げてきた。
支社の研究開発部から、本社の研究開発部に移行という、端から見ると栄転のように思われるが、通勤に時間をとられ、研究開発に使う時間という資源と場所を取られ、ストレスが溜まった。曲がりなりにも研究をするときに最もストレスなのは、自由な時間ー研究に没頭できる時間ーを奪われることである。まぁ、それ以外にも先に書いた「いろいろ」な部分で納得できなかったことも、大きなストレスであったし、今もたまにそれが頭をよぎる。
それ故に、この5月まで真剣に会社を辞めようと考えていた。
しかし、約1年いろいろと考えた上で、新しい環境で時間が無いなりにまた研究開発を進めていこうと踏みとどまっている。
踏みとどまったのは、会社なりに誠意(なのかは判らないが)として、これまでの給与水準で、就労時間の1時間時短や毎週金曜日の在宅勤務、さらには上記の条件を理由に昇給を不利にしない、と約束してくれたからだ。
そうして、現在新たなサービスのため研究開発2つを進めている。
そろそろ目処が立ちそうなので、さらに別なことを研究開発していこうとアイディアを練っている。
会社の中での立場はよく判らない。
うちの会社は細胞加工を主たる製造物とする会社なので、細胞を培養する製造管理部門とそれの出荷と品質管理業務を行う部門がメインであり、その他総務部がある。
私が来るまではこの3部門で事足りていた。
なのに、支社にあった部門が本社に配置転換され、さらにその部長もそのまま異動になってくるのだ。
90%以上の社員は私よりも前に入社しているので、仕事上あまり関わりがなければ、入社年が浅いにも関わらず管理職であるというだけで、関わりたくない人間だろう。
そんな面倒な私の席は、部長ということで一番奥で社員全体を見渡せる位置にはある。けれど部下はいないし、仕事の折衝を上長とする以外、ほとんど誰とも話さない。
会社の中では、私はきっと異質な存在そのものであろう。