Nワードの話

 藤井風さんがNワードを含む曲をそのままカバー動画内で歌唱したとして、問題になって動画を非公開にしたとかなんとかって一騒動があったみたいですね。

 一応説明しますと、Nワードというのは黒人差別用語でして、直接的に言うと「Nigger」です。日本語に直訳すると「クロンボ」に近いでしょうか。差別対象を日本人にすると「ジャップ」とか「イエローモンキー」になると思います。正直な所、今となってはわたしたち日本人が「ジャップ」とか「イエローモンキー」とか言われても、強い差別をされているという意識ってあんまりないですよね。「ジャップってなんだろ??新しいブランド??」とか「イエローモンキーって、あのバンドの??」とか純粋に思う人も少なくないんじゃないかなと思います。わたしたちの国民性の前提として、日本人って差別用語に対して良くも悪くも感度がそんなに高くないってのがあると思います。

 かくいう僕も、いつNワードを知ったのかというと、ラッシュアワーという映画で知りました。ジャッキー・チェンが相棒のマネをして、「よう!!ニガー!!」と挨拶をしたら黒人の相手が怒って喧嘩が始まるっていう場面があったんです。単純に「ニガーって何??」って思いました。その3年くらい後に、アメリカ人の友達が出来た時に、「映画で見たんだけどニガーってなに??」って聞いて、そこで始めてちゃんとした意味を知ったという具合です。

 そして、ちょいとたちが悪い事に、黒人さん達同士では割とこのNワードってのを使うんですよ。仲間意識という意味だったり、お互いに揶揄しあうというか、じゃれ合うという意味において、会話、歌詞、特にラップチューンなんかにはめっちゃ出てきます。しかし、白人の人などがその歌をそのまま歌うと「お前今なんて言った!?」と逆鱗に触れる事になる訳なのです。実際にステージ上に呼ばれた白人女性がNワードをそのまま歌ったらアーティストから「wait!!wait!!wait!!wait!!wait!!wait!!」と演奏を止められて、会場から大ブーイングが起こった、なんていうハプニングもありました。下記の動画の1分くらいのところから女性が歌って、「待て待て待て待て!!」と止められて、大ブーイングが起こって、「なに、どうしたの??何があったの??」と女性が困惑し、知らなかったとはいえ差別的な発言をしてしまった事を謝るといった顛末が見れます。普通に、こええ。


 英語圏に住んでてもこういう事が起こりえるわけで、英語に精通していない日本語のわたし達がそんな失態を犯しても、正直まぁ仕方ないんじゃないかなーとも思うわけです。もちろん差別発言を擁護する訳ではありませんが、大事なのは知る事、気づく事、そして繰り返さない事だと思いますし。義務教育では習わない内容なので、今回の藤井さんのニュースでNワードという物を知ったとか、このブログで知ったとか、そういう人も少なからずいらっしゃるかと思います。この一件で言いたい事が特にあるわけではないのですが、「こういう言葉や差別の文化の違いって国によって全然捉え方が違ったりするから、色々と気をつけないといけないよね。」って事を広められたらと思って色々書いてみました。「へー!!知らんかった!!今後、気をつけよう!!」って思ってくれる人が一人でもいてくれたら嬉しく思います。はい。


おわり

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