たまには子どもの話でも
クリスマスの時期が近づいてきたので、子どものクリスマスプレゼントは何にしようかね、みたいな話題が出るようになった。去年3歳だった娘に「サンタさんにプレゼント、何をお願いする??」と直接聞いたら「ピンクのくまのぬいぐるみ!!」というので、おもちゃ屋を何件か回ったりした。ラッピングをしてもらって、自宅で多少の演出をしてから渡そうと思ってたら、車に積んであったラッピングがうっかり見つかってしまい「ねー!!ねー!!これなにー!!あけたいー!!なにこれー!!ねー!!」なんて事もあった。4歳になった今年はプリキュアの変身アイテムが欲しいらしい。そういったプレゼントの内容にも、なんか成長を感じますなぁ。
つきなみな言葉ですが、「親になってから、親心を知る」というのは本当にそのとおりでして。もちろん子どもながらに想像は出来るし、こんな感じだろうなってイメージはつくけど、やっぱり実際になってみたときの実感というか、感慨深さというか、「わしの親も、わしが小さい頃はこんな事を思って、感じてたんだろうなぁ」というのは、それはそれはなんとも言えない気持ちになる。ありがてぇなぁとか、大変だったろうなぁとか、こんな幸せな気持ちを感じてたんだろうなぁとか。本当にいろいろあって、なんともいえない。名も無い気持ち。
わたしは男三人兄弟の末っ子。わたしが小学2年生の頃に両親が離婚して、おかんは男三人を育てた訳でして。しかし言っちゃ悪いけど、上の兄弟二人は昔も(今も笑?)なかなかの問題児。そりゃもう相当な苦労があったんだろうなぁって、今は思うわけですよ。
おかんが作る料理って基本的に大体おいしいんだけど、唐揚げだけはめちゃくちゃ美味しくなくてさ、「なんでおかんって料理上手なのに、唐揚げだけこんなに不味いの??」ってよく兄弟で茶化してた気がする。おかんは「そーお??なんでだべ??まぁ食え、死にゃしねぇから。」とか笑ってたっけかなぁ。今、思えば、ケチって揚げ油の使い回しをしすぎてる味だったな。単純に黒かったし、苦みというか焦げ臭さがふんだんにフレーバーとして閉じ込められた唐揚げだった。衣が多かったので、恐らく多めの薄力粉に溶き卵とか揉みこんで揚げてたと思うので、より一層、酸化した油をたっぷり味わえる一品だった。面白いもので、美味しくなかったけど、姿かたち、味やその風景は覚えてるな。そういった意味では、良い料理をしてたのかも。30年以上も印象に残るのは、単純に凄い事。
そんなんだったからか、クリスマスとかで何かプレゼントとか、お祝いごととか、やった記憶がほとんどといっていいほど無い。お年玉も小中高と、みんなが3万円だ、5万円だと騒いでる中で、わたしはいつも0円か、多くて5000円とか。でもそれを負い目に感じた事は無いし、わたしはわたしなりに、とても幸せな幼少期を過ごさせてもらったと思ってるの。だから変な話、自分の子供にそういう事を積極的にやってあげたいっていう気持ちは、さほど無かったりする。もちろん、やぶさかではないので、結局はするんだけれどもさ。
なんとなく思っちゃうのは、わたしも、わたしの親がわたしにしてくれたように、わたしの子供たちが大きくなって、20歳、30歳、40歳とかになった時に「あの時に親父がしてくれた何々、未だに覚えてる」とか、「色々あれども、なんか小さい頃は楽しかった気がするよ」とか、そう思ってもらえる事が出来るのかなぁ、出来ているのかなぁ、という不安とか。いや、不安ではないんだけど、そういう親であれたらなっていう。
とりあえず、わたしが小さい頃、わたしの父親や上の兄弟二人が怒鳴ったり大きな声を出す場面が頻繁にあって、わたしは小さいなりにもの凄くそれが嫌だったので、そういう事はしない所存。自分が嫌だった事は、他人にしない。自分が嬉しかった事は、他人にする。
たまには真っ黒な不味い唐揚げでも作ってみるかな。
おわり
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![瀧澤克成](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7483944/profile_480a59d53c033a06e770839d75a72df6.jpg?width=600&crop=1:1,smart)