Vittoria Corsa Pro Control 28c TLR
今シーズンはじめからプロチームが使用していて、話題になっていた新型のVittoria Corsaが先日ようやく発表になった。
クリンチャータイヤの1万円弱くらいの金額に慣れた自分としては、従来のコルサよりも3000円近く高くなってしまったと感じているので、正直購入には気が進まなかったが耐久性や見た目でCorsaシリーズは大好きなので使ってみたいなと思って1本買ってきた。
なぜControl?
A.普段使いを考えるとパンクリスクが低いタイヤのほうが楽だから
通常版のCorsa Proよりもトレッド面が厚くて、耐パンクベルトも1.7mmの分厚いのが入っていて旧型比+19%の耐パンク性能があるらしいので練習用ならこっちのほうが良くね?って思った。
Corsa Proの方はAerocoachによればGP 5000 S TRに匹敵する転がり抵抗を誇る高性能のようだが、練習用でそこまで転がり抵抗に優れたタイヤは別にいらないと思うので耐久性が高いほうがありがたい。(パンクして廃棄になる頻度が下がるなら、運用コストも下がるので、耐久性は高いに越したことはない)
重量計測
この重量をどう捉えるかは、このタイヤの使用目的によって変わってくると思う。
ケーシングの種類に関係なく見ると28cのクリンチャータイヤとしては重量級の部類に入ると思う。
コットンケーシングのクリンチャータイヤとしては、旧型のコルサやターボコットンの重量を考えると重めかなと思う。
28cのチューブレスタイヤとしてはちょっと重めな重量設定かなとは思うが、コットンケーシングのチューブレスタイヤであることを考えると普通に軽いのではないかと思う。
旧型のVittoria Corsa Controlシリーズと比較すると、旧型はクリンチャーでは280g、チューブレスでは315gが公称値だったのに対して新型は320gが公称値だった。
実際には、自分が購入して測定した旧型の28cのクリンチャー版は290g前後だった。
トータルとして見た重量
今回はシーラントをおそらく60cc程度で組んだのでバルブが5g程度なのを考えると、同じホイールで組む場合、タイヤ以外の部分で65gとチューブレスは意外と非タイヤ部分の重量が軽い。
クリンチャーで組むとラテックスチューブで80-85g程度なので、TLRとCL両用のこのタイヤの場合はTLRで組んだほうが軽量化効果が期待できると考えられる(僅かな差なので、重量よりも使い勝手とかで決めたほうが良いと思うが)
太さ
組み立て直後
5.28bar、デュラエースC50、チューブレスで組み立て。
ランダムにロゴシールの厚さを除外できる任意の2箇所でタイヤ幅を計測した。
リム幅28mmのデュラエースC50に対してはちょっと太いがギリギリ許容範囲ないい感じにエアロなタイヤ幅だなと思った。このままタイヤ幅太らないで欲しいw
翌日
本来条件を統一して測定するべきだが、5.0barで測定しまった。
85km走行後
前日よりも低い内圧でも前日よりも太くなったのでやはりケーシングは伸びていると思う。
感想
前提条件
ホイール:デュラエースC50
リムテープ:購入時そのまま
チューブレスバルブ:ホイール付属品
シーラント:ビットリア
フロアポンプ:スペシャ。タンクなし。
見た目
回転方向に指定あり。
新しいシームレスな成形方法により確かに貼り付けた感じじゃなくなっていた。
空気圧に関しては
CL 115psi、8.0bar
TLR 95psi、6.5bar
フックレス72psi、5.0bar が上限となっている。
まあ、上限の空気圧で使うことはないが。
表記的に、このタイヤでチューブレスとクリンチャー両方に使えってことみたいなので、今後Corsa Proシリーズではクリンチャー専用モデルは出てこないということで良いのだろうか?
触ってみて、組み立ててみて
従来のコルサシリーズは開封段階では割と平面的な形状をしていて、癖があるのでタイヤを入れる作業がちょっとめんどくさい感じがしたが、新型ではケーシングが立体的に形成されているのか、あと、ケーシングがしなやかで柔らかくなったのか、両側のビード入れるのが結構簡単だなという印象を受けた。
自分があんまりチューブレスの組み立てに慣れてないので、ビードを上げる前にシーラントをタイヤ内に回してる間に結構シーラントを漏らしたので、元々40ccで組んだのがかなり少なくなってしまったなと思って最終的に練習用タイヤだからいいやと思ってビットリアのシーラント1本(80cc)全部入れたが、実際は60ccといったところだろうか(?)
メーカーによっていろんな用量の指示があるし、決戦用にシーラント量少なく組む人もいるみたいだし、シーラント量に関しては色んな議論があるが、60ccくらいを推奨しているメーカーもあるので、まあ適正範囲の量かなと思っている。(Vittoria的にはロード用タイヤ2本に対して80ccで前後で2本分のようだが、中途半端に残しても無駄になるだけなので)
ビードに関しては、自分がやってみた感じでは全然フロアポンプで上げることができなかったが、自分の技術不足なのかもしれないし、このタイヤはフロアポンプでは上がらないとか上がるとかその辺に関しては自分からはコメントできる状態にないと思うのでノーコメントで。
最終的に、フロアポンプでは全然上がらなかったので、家にコンプレッサーがないので代わりにCO2インフレーターを使用してビードを上げた。
自分が過去にやった実験では、内幅21mmのホイールと28cタイヤとチューブの組み合わせに対して、16gのCO2インフレーターでは約5barだった。CO2インフレーターは高圧なガスを用いるのでチューブレスやホイールの耐圧を超えることがないとちゃんと理解した上で安全なグラム数を選択して行う必要がある。
組み立てて風呂上がりに観察したらシーラントがプクーってしてた。翌朝どうなっているだろう。
→翌朝:前日5.0bar程度に設定して寝て、12時間後くらいに測定して4.2bar程度だった。(シーラントがまだ馴染みきってなくて存在する微細な隙間によるエア漏れ。今後微細な隙間が塞がるにつれて改善するはず)
走ってみて
Day1
組み立てた翌日85kmくらい走ってみた。
[空気圧]
最初はシーラントで塞がってない隙間が多少あるかなと思ってシーラントを馴染ませる目的の走行でもあるのでちょっと空気圧高めの4.9barに設定して走り始めた。
走行後すぐに測定するのは忘れてしまったが、85km程度走行し、空気を入れてから8時間後くらいに測定したら4.9bar→4.55barに低下していた。
[インプレ]
エンデュランス系のタイヤはやはりノーマル版や決戦用タイヤよりも高速域でちょっと重く感じるタイヤが多いのが事実だが、今作は高速域の伸びが結構いいなと感じた。
乗り心地に関しては最近の28cタイヤは全体的に良いと思うが、Power Cupと比べて乗り心地に特に差を感じなかった。
Day2
走行時の衝撃を除外したエア漏れ速度の様子を見るために、Day1の深夜1時頃に5.0barに設定して寝た。
翌朝、昼12時ごろに測定したら4.57barだったので、11時間で0.43bar程度低下した。
まとめ
CLかTLか
自分ならこう使いたいならこう選ぶってのを書いてみた
TLR
→パンク耐性を高めたいとき
常識的な耐久性の範囲で軽くしたいとき
CL
→ホイールがチューブレスに非対応のとき
TPUチューブを使えばチューブレスより軽く組める(耐久性に関する議論はさておき)
チューブレスの組付けに自身がないとき
どっちか選べってなったら?
→ホイール的に問題がなければチューブレスとして組むのでいいかなと思った。
自分がやってみた印象では、フロアポンプではビードが上がらなかったし、家でCO2のカートリッジとかチューブレスタンクなどの設備が十分にない場合は自分で組まずにショップにお金を払って依頼する方がいいかなと思った。このビードの上がりにくさで自分でやってみて、自宅でホイールやタイヤをシーラントでベタベタにした状態で挫折したら正直きついなと思った。
通常版かControlか?
通常版の方はまだ使ってないのでなんとも言えないが、GP 5000s TRに匹敵するほど速いCorsa Proほどの高性能は練習用には別にいらないと思うので、この転がり性能があれば別に練習用ならControlでいいかなぁと思った。
代理店に一言
本国サイトを見ると26-34cまで2mm刻みでラインナップされていますが、日本には26,28cしか入れないのは代理店の怠慢だと思います。ちゃんと仕入れてください。