ラテックスチューブのエア抜け

ディスクブレーキ移行に伴い、ラテックスチューブ本格導入にあたって、ロングライド等を想定してエア漏れ速度を把握しておこうと思って実際に測定を行うことにした。(ラテックスチューブは実際はこれまでにも何度か使ったことがある)


ラテックスチューブの選択はビットリア一択だと思う。理由としては以下の通り

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・他社のラテックスチューブに比べてエア抜けが遅い

・Aerocoachの実験で、最も低い転がり抵抗値を叩き出している

・有名メーカーだから入手性がいい

【条件】

タイヤ:ミシュランPOWER Time Trial 25c・新品

チューブ:ビットリア製ラテックスチューブ 25/28c+パナレーサー製バルブエクステンダー(シールテープ使用)

計測:パナレーサー製エアゲージ(デジタル)

【結果】

比較する参考として、過去に実験したブチルチューブで空気とCO2の内圧変動を実験したときのデータを合わせてグラフにしてみた。(96psiスタートで再実験するのが面倒でデータを流用したのでスタートの内圧が揃ってないのはごめんなさい)

データを並べてみると、CO2の抜けるペースとラテックスチューブで抜けるペースは非常に近いものがあった(0.04bar/hourくらい)

ラテックスチューブのエア抜け速度の近似曲線を取ってみると、y=-0.6073x+95.261,R2=0.9968と非常に強い負の相関を持つ線形近似が得られた。1時間あたり0.6073psi抜ける。(単位barでの近似曲線はy=-0.0419x+6.568)

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【考察】

今回の測定では8時間で5.6psi(0.39bar)低下した。8時間という走行時間は春先とか日が長くて日中乗り続けても暑くないような期間の休日にロングライドをしていると普通にあり得る距離だと思うので、空気圧の変化による転がりの変化はもちろん、リム打ちパンクに対するリスクを考慮する必要性があると思う。今回は決戦用タイヤとして25cタイヤで実験を行ったが、普段使っている28cタイヤを使うとタイヤの直径が太くなる分チューブが伸びて薄くなってエア抜けが早くなる可能性が考えられる。また、28cは5.5barくらいで使っているので25cの決戦用タイヤに比べてスタートの圧が低く、8時間後の約5.1barになると予測され、乗り味への影響が出やすいかもしれない。

また、1時間あたり0.6073psi抜けることから、ヒルクライムなどレース会場でスタートを待っている間に内圧が変動する。スタート地点で車から自転車を下ろして、事前に決めた空気圧を入れて、スタート地点で待機したら、なんだかんだで空気を入れてから2時間くらい経過しているので1.2psi低下することになる。試走時は車から自転車を下ろして、空気圧を決めて、すぐ走り出してしまうので経時的な内圧低下は問題にならないが、レース本番では待ち時間を考慮した内圧設定を行うとスタート時にジャストな圧力でスタートできる。

【結論】

・エア抜けは線形近似でき、今回の条件では0.6073psi/hourだったので、0.6psi/hourでスタート時間までに抜ける分を計算して余分に入れることで待ち時間による空気圧の低下の影響を予防できる。

・ロングライド時は内圧低下、リム打ちパンクに注意が必要

・ブルベなどには不向き

【結局、どれを使う?】

ディスクブレーキならリムの発熱の影響を受けないので、カーボンホイールでもラテックスチューブを使うことができるというメリットがあり、ディスクブレーキならではの利点としてラテックスチューブを使いたい気持ちはある。

しかし、今回の実験で実際に内圧を測定してみると8時間で0.4barとロングライド時には無視できない程度にはエア抜けがあり、翌日のライドでも必ず空気を入れる必要性があって面倒なのと、1回膨らませるとチューブが伸びてしまい再利用できない場合があり高コストなので現実的にはブチルかなぁと思う。

タイヤ交換がめんどくさいチューブレスは自分的にはナシ

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