旅行ライター&ちょこっと乗り鉄の私が考える人気YouTuberスーツ交通さんと西園寺さんの共通点
お盆休み真っただ中の今日は、「民族大移動」週間にふさわしく、旅と鉄道のお話をしてみます。
◎表紙写真は、2022年に念願かなって乗車した寝台特急サンライズの私のお部屋。
国内旅行マイブームのきっかけ
プロフィールにも書いた通り、私は元々旅好きで、学生時代はよく貧乏旅行をしたものです。ライターになってからは、幸運にも旅行雑誌をメインに活動してきたので、仕事以外でガッツリ国内旅行する気は起きませんでした=「仕事以外の国内旅行は家族や親しい人と近場の温泉でまったり」+「気分転換の旅ならやっぱり海外」と思っていたことが理由です。
取材中は本当に忙しく、ついでに観光するヒマなんてありません。気がつけば「国内をちゃんと観光旅行したのってどれぐらい前だった?」という状態に。全国あちこち行ったわりには、訪れたことがない有名観光地もゴロゴロありました。
流れが変わったのが2018年。仕事の都合で数日空いたので、以前から興味のあった広島県の呉と宮島を急きょ訪れました。これが実によかった。思い立って旅に出かける楽しさ・気軽さを久々に思い出した私は、翌2019年も何度か旅しました。
この辺はアメーバブログでもご紹介したので、よろしければご覧ください。
山は東国 2019奥飛騨~白川郷 | 海王星の魚座だより (ameblo.jp)
今思えば、この「国内旅行マイブーム」はコロナ禍の前触れだったかもしれません。まさか、国内でさえ自由に移動できない日が来るなんて。こうなると、余計行きたくなるのが人情です。そういうわけでこの3年間は行動制限が緩んだ時期に、天気予報と種々の都合が良ければ、パッと(数日前に決めるレベル)出かけていました。
中でも忘れられないのが、2021年夏の山陰本線一周。美しい日本海、東日本とはどこかちがう街並み、おいしい魚・・・これから定期的に訪れたいぐらい気に入ってしまいました。
海は西国 2021山陰本線一周 その1 | 海王星の魚座だより (ameblo.jp)
そして、この旅で「自分が軽く乗り鉄だった」ことも思い出した私(子供の頃は窓にへばりついて、ずっと景色を見ている女の子でした)は、次の旅の予習も兼ねて?交通系の動画を見るようになりました。
鉄道系YouTubeにハマり始める
それまでの私は、YouTubeをほとんど見ませんでした。たまに柴犬、歴史系、台湾歌手のMVをのぞくぐらい。「素人が楽して稼ごうと投稿する」イメージを持っていたし、内容は玉石混合ですしね。
ところがたくさん見るうちに、クォリティの高さに驚くものもあることに気がつきました。鉄オタ以外でも興味を持てる企画、巧みなカメラアングル、流れるようなナレーション。「乗車しながら、車窓や車内の様子を語る」内容だけなのに、いつまでも見続けられるってすごい。
交通系YouTuberの双璧
中でも私にとって抜きんでているのが、スーツ交通さんと西園寺さん。お二人とも交通系では超有名人なので、ここでの紹介は省略します。
私が考える二人に共通した特長は次の通り。
・アナウンサー志望?と思うほど滑舌が良く語彙が豊富。ソフトな低音かつ通りの良い声で聞きやすい。
語彙力の高さ、表現力の豊かさに加え、あまりに淀みなく話すので、当初「原稿作成係がいるにちがいない」と思ったほどです。
・有名人なのにプライドの高さを感じさせず、芸や小芝居も交えて内容を盛り上げる潔さ。
二人とも変顔やギャグっぽいことも平気で披露。鉄オタから「神」と呼ばれるスーツさんですが、しばしば「クソガキ」「手長ザル」という自称を使用しています。
・乗ってみたい!行ってみたい!と思わせる吸引力の高い内容。
鉄道知識と愛を披露するだけでなく、「この列車に乗るとココが楽しい!」「この土地でこんなことしたら、すごく充実した!」という、鉄オタ以外もグイグイ引っ張り込む力がすごい。実際、以前の私は安い・早いを優先して旅行サイトの「飛行機&ホテルパック」ばかりでしたが、彼らの動画に影響されて、時間とお金はかかっても、いろいろな乗り物を使うようになりました。表紙写真のサンライズもそう(乗車体験記は別記事で後日)。今は阪神~九州間の瀬戸内海フェリーに乗ることが目標です。
・キャラクターや動画構成が流行を追っていない
ともに20代前半ながら、「今どきの若者」を強調しすぎていません。スーツさんは名前通り、常にスーツを着用。西園寺さんはカジュアル系ですが、(時代遅れという意味ではなく)20~30年前にもいたような「若者の定番」というファッションです。またナレは若者言葉を多用しない、落ち着いた話し方が中心で、BGMも『鉄道唱歌』のアレンジというように、時代が移っても定番になりそうな動画が多いです。そんなところが、彼らよりずっと年上の層を含めた幅広い年代にファンを広げている要素かもしれません。
この二人はもっと有名になってもおごることなく、今の雰囲気を大切にしていってほしい。そして、旅と鉄道の魅力を現在のように楽しくわかりやすく発信していってほしいものです。これからも期待していますね!
*日治台湾の歴史ものは8月下旬から再開します。
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