VALOのコーチで、30歳のおじさんが何考えてたかって話。
こんにちは
多種あるコーチの中でesportsコンテンツでもぼちぼち出るようになってきましたね。
よくわからん職業です。
ちなみにこの文章は殴り書きで私がesportsに積極的にかかわるようになってからの10年くらいの経験とか感情を基に1時間くらいで書くだけなのでぐちゃぐちゃだと思います。
失礼な物言いになってたらごめんなさい。
基本、関係者全員にリスペクトを持っています。
気が向いたり、反響あれば整理します。
あと私が誰だとか、何してきたかとか実績だとかめんどくさいしそんなカッコいい物無いので省きます。
実際の仕事
私がコーチとして雇われたチームでやってきた仕事を箇条書きにしますと
オーナーとの打ち合わせ
トライアウト
スカウト
マネジメント
チームコーチング
メンタルケア
VALORANTのマクロティーチング
大会毎の簡易的な事務処理
コーチとして必要になるであろう勉強とVALORANTにおけるメタ理解
逆算したスケジュールの設定(大会の仕組みを理解すること)
未来予測に近いパッチ予測(ギャンブル)
選手向けお悩み相談所
あとはまぁおそらくその時に応じた細かい雑務や作業があります。
ちなみにシーズン中にコーチに休みはありませんでしたね。
やること多すぎて。
一個づつ何考えてたか簡単に書いていきます。
オーナーとの打ち合わせ
これはすごいよ。めっちゃ大変。
オーナーと打ち合わせします。以上
チームの経過報告するくらいで特に苦労はありませんし、
結果を出すのがコーチの仕事なので経過報告にそこまで価値はないですね。
ただ当然、社会人として必要な仕事です。
トライアウト
これが2番目に大変。
勝てるかどうかはメンバー選びで9割決まりますからね。
これほんまに時間も拘束されるし、そもそも人を選ぶっていう仕事がプレッシャーえぐいんですよね。
俺そんな偉い人間じゃないし。選ぶ側の人間ではないのに選ばないといけない。
これ絶対に後から人に嫌われたり恨まれたりする時もあるので細心の注意を払いますね。
まぁそれでも避けられないときはあるのでその時は全スルーします。
トライアウトで気を付けることはいくつかありますね。
やる気押しの人は取れない
→
やる気押しの人は一応見ます。見ますが取れない場合が多いです。
それでも見る理由は、致命的に応募内容を書くのが苦手な人がいるからです。
それで選手を逃すのも惜しいので時間はとられますがそのときのランクだったり状況によっては見るようにしています。
見れないときもあります。
やる気押しの人はシンプルにそれだけしかないので選手として採用するのが難しいだけです。やる気があるのが悪い訳じゃありません。
選手として欲しいのは実力や役割を果たせるかという部分に尽きるかと思います。
練習量と実力の比例を見る
→
昔というかVALOの初期は優秀な選手を見分けるのはさほど難しくありませんでした。
リリースしたばかりのゲームで最高ランクに到達するには努力だけでどうにかなるものじゃありません。
ですのでスタートから最高ランクにどのように到達したかさえ理解していれば優秀な選手はすぐに揃えられましたが、現状はそうはいきません。
なのでその人から聞いた練習量やデータから、現状のランクやトライアウトの内容を見て練習した分がしっかりと実力に反映されているのかを見ます。
今はAPIとかのあれで公開されたデータがあるのでわかりやすいです。直近の成長曲線を見る
→
これは上振れを見たいわけではなくて、下振れているかどうかを確認しています。下振れしている場合は取らない場合が多いです。
理由は簡単で、いつもとに戻るか分からないのとスタート時点でコケられないのと、長期的なチーム計画が無い場合はリスクを緩和できないからです。あくまでトライアウトの結果を見る
→
どれだけ前評判が良くても、トライアウトで判断するように心がけています。前述の理由とも重複しますが本番に強い選手が欲しいというのもあります。まぁ、わかんねぇけどなトライアウトぐらいで。微妙なとき社会人としての常識と選手の実力を天秤にかける
→
チームが崩壊しないようにする必要があるので、メンバーの価値観や常識のレベルが偏らないようにします。
2人選手がいるとして、どちらも同じ実力であれば当然、信用できる人間を選ぶだけです。強い選手を1人採用するかどうかのときは、人間性は加味しない
これ上のと矛盾するんですが、どんだけ常識が無くてもやばいくらい強いなら1人は許容する必要があります。
何故なら勝てないと結局チームは崩壊するからです。
※ここまで話しましたけどこれは全部、半年間しか選手と契約しない場合に適応される条件なので、フルタイムで1年以上契約するなら話は全く変わりますので注意してください。
スカウト
スカウトは基本的に動画出してる人で、いいな~って思った子に声かける感じです。
動画もデータも何もないと声かけようが無いので。
この時はAIMしか見てないのでクリップとかでも全然いいんですよね。
これ言語化上手くできないんですがAIM見ると分かります。
この子いいね!(・∀・)みたいな。
キルの順番とかピークの仕方とか、ミクロのクオリティって細々したところに出るのでビビっと来るんですよね。
まぁ、僕このゲームで芋3が限界だったんですけど。
マネジメント
なんでコーチがマネジメントするのって思われるかもしれませんが小さいチームだったらコーチングのみでは無理だと思います。
チームの状態管理は当然必要ですしどのようなリスクを背負っているのかを理解していないと選手に負担をかけるばかりで上手くいきません。
マネジメント(管理)しつつ、コーチング(行動させる)する能力が必要だと思います。
チームコーチング
ようやくコーチングという言葉が出てきました。
しかしここでもゲームのことは全く関係ありません。
チームコーチングでやることは、チーム全体の目標設定や活動する上での基準を決めていくことです。
これを1番最初に決めておかないとトラブルやストレスでチームは分散します。
目的・目標の無い組織は自己のメリットが崩壊した際に存続ができません。
私は、世界一を目標にするようにしています。
メンタルケア
選手へのメンタルケアは必須です。
個別で選手と話せる関係は絶対に作っておく必要がありますし、特にVALORANTではストレスのかかる役割というのが存在します。
特にその選手には目を配る必要がありますし、定期的に面談するようにしていました。
逆に面談しない方が良い選手もいるので見極めが大切かなと思います。
自分から相談しに来るタイプの選手には、声をかけないといったことも大切かなと思います。
VALORANTのマクロティーチング
これはコーチングではなくティーチングとして行っていました。
本来はこれもコーチングがいいんですが如何せん半年のチームだと時間が無いので各MAP事でなるべく早くに基準を作る必要がありました。
これは間違っているとか、正しいとかはどうでもよくて、
重要なのは選手の基準になり、修正点になることです。
編成・Aの取り方・バイの仕方・エコの考え方といった基準も積極的に提案します。
それを採用したり、修正するのは選手の仕事なのでコーチとして意見が否定されたり大きく修正されても一切口は挟みません。
大会の簡易事務処理
まぁこれはそんな大きいチームじゃなければあるあるです。
雑務がふってくることは良くあります。
ここは性格別れると思いますが、オーナーにはコーチングの仕事以外でミスが発生した場合には責任取れないよとは言ってました。なんでかっていうと考えることが多いからです。
メインの仕事をどうしても優先するので雑務をふられてもミスすると分かっていたので必ずダブルチェックをしてもらうか、マネージャーを通すようにしたり、全員で確認できるメールアドレスを作成したりして負担を減らす工夫をしていました。
ここはお互いも持ちつ持たれつですので、仕方ないですね。
コーチとして必要になるであろう勉強とVALORANTにおけるメタ理解
まぁ、これは定期的にやるべきですね。できれば最低2日に1回くらいは更新したい。
大会全部見るのは時間的に難しいので、いろんなデータがあるサイトを片っ端からチェックしていって、見るべき試合は見るという感じです。
本当に今はいろんなサイトがあるので助かりましたね。
対戦する可能性がある日本チームは当然ですが全試合確認していました。
また、ゲームのことだけでなくコーチング自体の勉強もしなければいけません。
どうやって会話するのか、チームをどの方向に持っていくのかは全て『言葉』でコントロールするのが仕事ですので活動中は自分が発する1つ1つの言葉に細心の注意を払いました。
この際にはコーチングとしての勉強だけでなく組織のマネジメントだったり普遍的な知識があればあるほど役立つなと思っていました。
逆算したスケジュールの設定(大会の仕組みを理解すること)
これは必須スキルで1番大変
特にやらせていただいたチームは週6/1日4時間のチーム練習のみと決まっていたのでどのように練習を行って、どれくらいのレベルに達していないといけないのか、どんな問題を解決している必要があるのかを目標に合わせて逆算する必要があります。
ただあまりに先の逆算になると修正が難しくなるので半年毎でのスケジュールを計画していました。
今回はアドバンスステージで負けてしまいましたので12月から5か月分のスケジュールしか使用しませんでしたがメインステージ以降の計画も次の6カ月の計画として考えていました。
なんでここまでするのかというと、選手に自信を持たせるためです。
積み重ねているという感覚こそが短い練習時間で選手が自信を持てる唯一の方法だからです。
未来予測に近いパッチ予測(ギャンブル)
4時間練習の中でただただ真面目に練習して世界一取れる訳ないのでギャンブルもしました。
やった内容でいくとsplit2に向けたパッチ予測です。
これは結局外しました。もっと早く来ると思ったのですが遅かったです。
選手が世界大会まで行くことを考えると2smoke編成は厳しいと考えていました。
理由は単純でRiotが必ずヴァイパーの弱体化、もしくはイニシエーターの強化を行っていくと予測したからです。
もちろん事前の情報もありましたがそれもあって今回のチームでは最終的に2イニシもしくは2dueの編成をBIND以外の全てのマップで採用しました。
しかしそれではあまりにギャンブルなので時間は無いながらも選手にはメタ・オフメタ含めた編成を各マップでトライしてもらっていました。
予想外のパッチが入った場合だったり、アドバンスステージ以降は相手の編成が分かるのでオフメタをぶつけられるからです。
大会は先に13R取った方が当然勝てるので、マクロとして手札が多いことはシンプルにメリットです。
選手向けお悩み相談所
書くのめんどくさくなってきたので1時間書き殴りの〆はこれにします。
選手との関係性構築の上で大切なのは、常に選手の味方でいることです。
それはVALORANTだけではありません。
選手はたくさんの不安を抱え、未来に恐怖します。
彼らには彼らの生活があり、その問題がパフォーマンスに影響します。
深くまで入り込む必要はありませんが、どんなことでも相談に乗るということを常に選手に言ってきました。
それは少しでも彼らが選手活動に集中できるようにするためです。
選手のほどんどは若く、16歳~24歳が平均として構成されるチームがほとんどでしょう。
人生における様々なストレスを抱える時期ですし、何より社会のことは何も知らない子が多いです。
それは仕方のないことですが、身近にいる大人として支えるということも前提としてやるべきだと考えています。
ですが善意のみでやっているわけではありません。私の成果は選手が勝つことです。
コーチとしての仕事はもちろんですが、チームを勝たせるためにできることは何でもやるという覚悟が必要です。
環境が整っていないチームの中で最善を尽くすということは、そういうことだと思います。
VALOのコーチで、30歳のおじさんが何考えてたかって話。
昔、私のチームに所属していた選手が言っていました。
「できないことをする必要は無い。今ある手札の中で、どれだけのベストが出せるのか」
選手は基本的に賢く、強く、才能に溢れています。
選手にベストを出させるために、
コーチは選手から学び、選手に基準を示し、選手に行動させ、誰よりも選手を信頼することが仕事だと思いました。
この5ヶ月間、楽しくてしょうがなかったのも、信頼できる選手たちと過ごせたからです。
コーチの仕事は、賛否あると思いますし、優劣ありますが、良い仕事だと思いました。
殴り書き1時間の内容で読みづらかったと思います。
最後まで読んでくれたあなたに感謝を('ω')ノ
きっとあなたもesports好きなんですね( ̄▽ ̄)
ggwp