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東村アキコ『かくかくしかじか』を読んで「描くこと」について考える

東村アキコの自伝マンガ『かくかくしかじか』は、私にとって心のマンガベストテンに入る大好きな作品です。特に美術やデザインを志す人には、強く共感できる内容だと思います。

この作品は、2015年に第8回マンガ大賞と第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞しており、マンガファンからも高く評価されています。

東村アキコ初の自叙伝エッセイマンガ!名作!

私は、美大受験について少し詳しく、このマンガに描かれている時代の雰囲気もよく理解しています。作者が美大を目指していた頃、私は友人のアパートに集まる美術予備校生たちと接する機会がありました。東京藝術大学をはじめ、ムサビやタマビや桑沢など、さまざまな美大や専門学校に進学しようとする彼らの姿を見て、私自身もものづくりやクリエイティブな道について考えるようになりました。

当時の私は、特に目指すものがなく、経済学部を卒業して建設会社に就職しました。しかし、仕事を通じて、自分が本当にやりたいことはデザインなのではないかと考え始めました。『かくかくしかじか』の主人公が、親に無理やり就職させられたものの、最終的にマンガを描くことに目覚めた姿に、私も共感します。

その後、デザイン専門学校を探し、2000年頃に神宮前にあるデザイン事務所が運営するスクールに通い始めました。学費が安く、現場で学べる環境が整っており、桑沢デザイン研究所出身の先生からデザインの基本を学べたことは、本当に良い経験でした。

最近ではオンラインでデザインを学べる機会も増えましたが、リアルな環境で先生や仲間と一緒に学ぶことの大切さを感じています。『かくかくしかじか』の先生のように厳しくされることはなくとも、リアルな交流の中でデザインに向き合える価値は大きいです。

この作品で私が最も共感するのは、「描くことを続ける」その尊さです。デザインの現場に近づくために、私はとにかく作り続け、苦しみながらもアウトプットを繰り返してきました。美大受験を乗り越えた人々に比べれば、私の経験は甘いかもしれませんが、創り続けることだけはやってきたのでご容赦頂きたい。

これからクリエイティブな仕事に挑戦する人には、ぜひ『かくかくしかじか』を読んで「描くこと」について考えてほしいです。私も再びこの作品を読み、描く気持ちを取り戻したいと思います。なお、このマンガを読むと泣いてしまうので、一人でじっくり読むことをおすすめします。

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滝江 智 / 水戸のウェブ制作会社
最後まで読んでくれてありがとうございます。 株式会社アイテックプラスは茨城県水戸市のウェブ制作会社です。 https://www.itec-plus.jp