命の誕生に立ち会って
こんにちは。タキエルです。
少し更新が止まってました!
理由は、子どもの出産に立ち会ってて
めちゃくちゃバタバタしてたのです。
待望の第一子です。
初めての体験だったため、
色々と感じた想いなんかもあります。
備忘録としても書きつつ、
まだ結婚していない人、
結婚していてこれから出産が控えている人、
そういった境遇の人には参考になるように
書き記したいと思います。
物語形式に振り返りつつ、
進めていこうと思います。
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少し遡ること先週の金曜日。
日付で言うと10月18日。
1週間の仕事を終え、
多くの人が週末を心待ちにしながら
帰路につき始めている中、
私はスマホ修理の店にいた。
その日の朝の通勤時に
スマホを落とし、そこから
タッチパネルが言うこと効かなくなった。
パネルは割れていないのに、
全く指に反応しない状態。
その日の前日から、妻から
「陣痛が少しずつ大きくなってる気がするから、
もしかしたら明日か明後日くらいに生まれるかも」
と聞かされていた中でのトラブル。
なんてこった。
普段は連絡をLINEで取っていたので、
連絡手段が閉ざされた。
しかし、ここで奇跡的に
事前にこういった状況を想定して
Slackもちょくちょく利用していた。
Slackでは細かい産前産後の手続きや
各自立替え支払いしてた費用のまとめ
なんかの共有のために使っていた。
「スマホが急に使えなくなったから、
今日はとりあえずSlackで連絡取りたい」
と急ぎで連絡した。
ちなみに妻は里帰り中で、
自分の住む大阪からは
新幹線などを使って4時間、
車で行こうとすると6時間近くかかる。
つまり、出産の立会いをするなら
常に妻からの連絡を確認できる状態にいて
すぐに動けるようにしてなければならない。
そんな中でのスマホ故障。
何もトラブルがないときはとことんないのに、
何かあるときは立て続けに起こる。
今までもそんな経験が多かった。
でも、さすがに今回はいらんて。
妻「OK、じゃSlackで連絡するね」
なんとか連絡を取れる状態になった。
しかし、PCを使って連絡を取り続けるのも大変。
なので、仕事が終われば真っ先に
スマホ修理をするように
急きょ予定を変更した。
本当は仕事終わりに妻のいる病院へ
向かいたかったが、致し方なし。
18時の定時に光の速さで退社し、
秒で電車に乗り込み梅田へ向かった。
10/18 18:30
スマホ修理のお店に到着した。
到着するやいなや
「今すぐにでも修理してほしいです!」
店員さんもえらい焦っとんなコイツ、
と思ったに違いない。
ひとまず状況を伝えてみたが、
どうやらタッチパネルが反応しないだけで
マウスをつなぐと操作ができる事がわかった。
で、パネルの修理代はと言うと
40,000円かかるとのこと。
「マウスで操作もできるみたいなので、
今この値段で修理するかは機種変更した方が
いいんじゃないかな、と思います」
と店員さんにアドバイスいただいた。
いや、店員神すぎやん?
えらい焦ってる、向こうからしたら
ややこしい客が来ただけでも面倒なはずなのに、
自分の店の売り上げにもならないアドバイス。
この瞬間、今後絶対このお店を使い続けようと思った。
てか商売ってこういうことなんだよね。
目先の利益よりも、
相手の困りごとを解決するための
最適な手段を提供する事。
長期的な目線で言えば
絶対にその方が大きな利益につながるし、
自分も間違いなく口コミで良い評判を流すので
そこから新たな集客も可能になる。
想定外の訪問ではあったが、これをきっかけに
ビジネスの本質を改めて感じさせていただいた。
一応ちゃんとここでも紹介しておこう。
このとき訪問した修理屋さんはここ。
グランフロント大阪の店員さん、
あんた店員の鑑だよ。
今度、いや今度が無いほうがいいんやけど
もしあれば絶対あなたの元で修理してもらう。
10/18 19:00
とまあそんな感動もありつつ、
その足でヨドバシカメラに行って
すぐに機種変更の手続きをした。
しかし。
ヨドバシは店員が多い割に
分業制が徹底されててなかなか
機種変更するだけでもすぐにとはいかない。
対象のキャリアの対応可能な人を
ようやく捕まえたときには20時を回っていた。
金曜日ということもあり、
お客さんも多かったのでまあ仕方ない。
しかし、ようやく自分の番になっても
なかなかに進まない。
いや、ちゃんと手続きを
踏んでくれてるのだろうが、
今の自分にとってはプランはどうでもいいので
一刻も早くスマホを復旧させたかった。
なので、普通は若干悩むような
スマホの色、プランは即決。
店員さんの説明も
大事なとこだけ要約してもらって、
芸能人ばりに高速でサインして、すぐ契約した。
あとで契約内容をちゃんと見た方がいいな。
今書いてて思った。
で、なんやかんやで目的を果たして
腹が減ってることに気が付いたので
梅田で晩御飯を食べてから家に帰った。
10/18 21:30
ここでようやく家に帰宅。
「そういえば、Slack開いてなかったな
いまどんな状況だろ」
と思って開いてみたら、
状況はかなり変わっていた。
「陣痛がかなり強くなってきたので
今から病院に行きます。
多分今夜生まれると思う」
と連絡が30分前に入っていた。
やべえ。
のんびりスマホのデータ移行してる場合じゃねえ。
とは言え、新スマホは初期状態で
何もできない状況なので
急ぎでLINEだけ引継ぎを行った。
同時進行でPCで新幹線を調べたが、
もう目的地まで行く終電が出た後だった。
かなりやべえ。
でも、今なんとかして向かわないと
誕生の瞬間には立ち会えない。。
なので、即カーシェアを予約することにした。
ただ、カーシェアの予約もアプリでしてたんだった。
やべえ。
ひとまず壊れたスマホをマウスをつないで操作し、
なんとかクリックだけで予約までこぎつけた。
しかし、週末なので近所の車は
ほぼ予約で埋まっていたので
自転車で10分くらいのところしか空いてない。
「まあ自転車で10分なら、、」
と思ったがここで
大きなミスを犯していた事に気づく。
自転車は会社に置いたままだったのだ。
急いでスマホの修理のために
電車に乗っていたので、
通勤に使っていた自転車は
会社に置いたまま、という状況だった。
どこまでも続く、小さなアクシデント。
迷ってても仕方ねえ、もう走るぜえ!
と必要と思われる新スマホ、旧スマホ、財布、
PC、上着とかタオルとかを
適当にカバンに突っ込んですぐに家を出た。
10/18 22:30
ようやく大阪から出発できる。
ナビに病院の住所を入力する。
しかし。
ここで借りた車がマツダのCX-5で、
ナビの操作が死ぬほどしづらい。
いやまじで。
マツダのナビって操作しにくすぎん?
全部手元のダイヤルみたいなので操作するんだが、
もう全部タッチパネルでやらしてくれよ!
ってくらい操作性が悪い。
今日はとことんタッチパネル運が無い。
そんなことを思いつつ、
ようやくナビがセットできた。
走行距離520㎞。
遠すぎワロタ。
所要時間が6時間だと。
予定通りに行くと、翌日の4:30くらい。
間に合うか?
いやでも行かねば。
という事で、一瞬躊躇したが
そんなこと言ってる場合では
ないのですぐに出発した。
ここからはただ、ひたすら運転。
運転につぐ運転。
普段なら、途中SAに寄りつつ
ご当地お土産を物色しつつ
ソフトクリームでも食らうのが恒例。
だが、そんな悠長な事を
やってる場合ではない。
ただひたすらに運転し続け、
ようやく目的地に近づいたところで
トイレだけは行っておきたいと思い、
トイレしかないガラスキーのパーキングに停めて
一旦小休止だけした。
3分ほど休み、再出発。
ただただ運転。
途中、明らか寝てるやろ、
みたいな蛇行運転トラックニキに
轢かれそうになりつつも華麗に躱し、
なんとか無事目的地にたどり着いた。
10/19 4:00
なんとか予定より30分早く到着した!
すぐに夜間用入り口に行き、
名前を伝えて目的の階に行った。
すると、フロアに着いた瞬間にすぐに
うめき声が聞こえてきた。
妻の声だった。
お化けじゃなくてよかった。
言ってる場合じゃねえ。
すぐに病室に向かった。
どうやら病院にきてから
どんどん痛みが激しくなってきたらしく、
今が一番きつい状態だろう、
と助産師の方に教えてもらった。
「いたいいたいいたいいたいいたい!!!」
と叫び続けてもう顔がやつれきってる。
叫んだ後にすこしの合間を挟んで
また始まる
「いたいいたいいたいいたいいたい!!!」
後で聞いたが、この時の痛みは
内蔵をぞうきんみたいに絞られるような痛みらしい。
どんな拷問?
痛みを和らげるために背中?腰あたりを
テニスボールで押し付けるのを手伝った。
あまり効果はなさそうだが、
少しはマシになるらしい。
あとは水を飲ませたり、
うちわで顔をあおいだりした。
目の前で壮絶な姿を見せられると、
こんなことしかできないのか、と
辛くなるけどできる事をやるしかない。
そんなこんなが1時間近く続き、
夜が明けそうになる5時になった。
10/19 5:00
永遠にも感じた、
数時間に渡る痛みとの格闘を続け、
ついに破水し出産の一歩手前まで来た。
助産師さん曰く、もうここまできたら
富士山で言う9合目くらいです、
というのを聞き少し安心した。
しかし、自分としては
子どもを産む瞬間が一番きついんじゃね、
と想像していたのでまだ油断できない。
分娩室へと移動し、
また痛みとの格闘が始まったようだった。
もう見てるだけで辛かった。
てかいい加減早よ出て来いよ、
とベイビーに言いたくなった。
というのと、ここまできつい思いしないと
出産できないなんて、神様設計ミスってへん?
と神様に苦言を呈したくもなった。
しかし、一番頑張ってるのは
他の誰でもない妻なので
大人しく見守る事がベストだと思い
静かに見守ることにした。
10/19 5:30
そして、長い戦いは突如終わりを告げた。
子の産声。
いままでずっとおなか越しにしか触れず、
想像を膨らませていたわが子と初めて対面した。
いや、てか赤黒すぎん?
感動の前にまずそれを思った。
わが子よ、すまん。
どうやら最初はそんなもんらしく、
生み出してからしばらくすると
すぐに血が巡り出したのか、
血色がよくなっていった。
出産に立ち会ったら
涙が止まらないという話を
どこかで聞いたことがあったが、
自分は涙は出なかった。
でも。
何かわからない、
生命と言うもの自体の
大いなる力を感じた。
だって、めっちゃ生きてる!
自分とおんなじように手も足もあり、
目も鼻も口もあって、呼吸をしている。
声も出している。
頑張って生きようとしている。
いや、何か大きな力が働き
生かされようとしている。
ほんの小さな命のかたまりだったが、
今はこうして人の形をして
この世界で同じ空気を吸っている。
そんな、当たり前の事に
何かものすごく感動した。
いや、感動というか、
人間ってすげえ。
ってなった。
それと同時に、つらく苦しい時間を
乗り越えて産んでくれた妻に
言葉では表すことのできないくらいの
感謝の気持ちがあふれてきた。
更に、自分の母親にも
同じように感謝と尊敬の念を強く抱いた。
そして、夜中に一緒に協力してくれた
助産師さんや医師の方にも感謝が止まらない。
そして、わが子。
金曜の夜から土曜の朝にかけて生まれるという、
土日祝休みのおれが立ち会えるように
空気を読んで生まれてきたことに
感謝とリスペクトせざるを得ない。
この、1人の命にどれだけの
多くの人の支えがあったかと思うと、
感謝してもしきれないくらい、にマジ感謝。
とラッパーばりに
感謝が止まらない状態になった。
少し呼吸が乱れているという事で
治療室に子が連れてかれたときは心配したが、
どうやら問題ないという事で
もう一度対面することができた。
そこではもうぐっすり寝る直前で、あくびもしていた。
あくびがあまりにも板についているのが面白かった。
まあ両親ともに寝るのが好きだからな。
ここでゆっくり対面したときに、
初めて親になったという実感が湧いてきた。
なんだか少し見える景色も変わった。
ここからは1週間、入院して
少しずつミルクを飲んだりして
生活に慣らしていくそう。
ここで終わりじゃなく、
むしろここからが始まりと改めて思う。
ここからは自分だけじゃなく、
自分の遺伝子を引き継いだ人間を
愛情と厳しさを持って育て上げる必要がある。
かつての自分もそうしてもらったように。
てか、生まれてからやること多すぎて
今もバタバタしてる、正直なところ。
ただ、この忙しさを楽しめるように
この日のことをいつでも思い出すようにしたい。
それくらい、自分にとってこれ以上ない程に
人生を振り返った時に決して忘れる事のできない1日になった。
これから出産を控えた男に伝えたい。
まじで出産は立ち会った方がいい。
その瞬間の感動は人それぞれだと思うが、
周りの人へ感謝する心を改めて感じさせてくれる。
仕事でどうしても厳しい、
という場合もあるだろうが、
ダメ元でも会社に打診した方が
必ずあとあと後悔せずに済むはず。
その点自分は時期が良かったので
無理せず立ち会う事ができたが、
それでも夜中に車を500km以上
走らせたりもしたので、結構大変だった。
でも、その大変さもすべて吹き飛ぶくらい、
得られるものは大きい。
まだ結婚してない男は、
結婚と出産というイベントは
案外悪くないよ、と伝えたい。
ただ、言うて自分も
結婚願望は全然なくて、
自分も周りに比べると
結婚は結構遅い方だった。
でも、色々ときっかけがあって
結果、結婚してこうやって子どもも
生まれて、という経験を積んでみると、
意外に悪くないな、と。
とは言え、無理にする必要はない。
したいと思えたときにすればいんじゃね、
とは思っている。
無理にしたところで、必ずどこかで
自分の選択が正しかったのかと迷う時が来るし、
その時には多くの人の人生を預かってる状態なので
そこで「やっぱやーめた」はなかなかに
周りに迷惑がかかることもあるしね。
とはいうものの、
まあ自分で「今かもしれん」と
ちょっとでも思ったならそこで
勢いで行くってのもいいかもね。
立場が人を作る
とも言うので、親になる覚悟ができたからする、
っていうのは間違いだと思う。
親になるのはそういう状況になってから
自然と覚悟が固まってきてそう振舞えるようになる、
というのが結局のところ正しいんだと思う。
という事なので、
まあ自分のタイミングで結婚なり
すればいいと思うが、結婚に対して
悲観する必要はないぜえ、て事を言いたかった。
いやしかし、
世間の母となっている方は
本気で尊敬の念が堪えない。
出産の瞬間を知ってしまったら、
もう女性に軽い気持ちで用事を頼むのも
憚られてしまうな、と感じた次第。
そんな、自分の中で大きな気づきや
感動や感謝を感じさせてくれる週末でしたとさ。
完全プライベートな話でかたじけない。
まあちょっとした読み物として
読んでもらえれば、幸いです。
明日からは平常運転ですので
よろしくどーぞ!!