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43歳腎盂癌_11

 手術から病室に戻ってきて、体温、血圧、酸素濃度を測り、点滴が始まる。

点滴
◯カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム100mg(アドナ後発)✕1
◯セフメタゾールナトリウム点滴静注用バッグ1g


◯翌日まで尿の管はそのまま。
◯上体は起こしてはいけない。
◯水分はたくさん摂る(事前に寝ながらでも飲めるように、ペットボトルに付けられるストローを用意していた)
◯寝返りはしてもいい。膝の曲げ伸ばしや足の底屈背屈はよく行うようにする(エコノミー症候群防止)

 病室のベッドに戻った時には、多少の痺れはあったが下半身は自由に動かせるくらいに麻酔は切れていた。安心したからか食欲が戻り、お腹が減っていた。もう自由にしててもいいのではと思ってしまう。というか帰りたかった。本当に痛い思いをしたので、こんなところにはいたくなかった。
 しかし考えてもいなかった長い戦いが始まる。

 この日から微熱と左側の腰と腹部の痛みと血尿が5日ほど続くことに。

 後から知ることになるのだが、手術後の痛み等の症状は人それぞれだということ。簡単にいえばコロナワクチンの副作用のようなもの。私はワクチンの副作用で熱と頭痛の症状があった。異物に対して敏感なのだろうか。まったく平気な人は痛みもなにもないのだそうだ。
 
 とにかく痛みが我慢できなくなってきたので、思わず初のナースコールを押す。
 すぐさま痛み止めの点滴を処方してくれた。しばらくすると痛みがおさまり一安心なのだが、これが5日間続いた。
 痛み止めは6時間に1回、一日に3回までと決められていて、18時間分しかない。私の場合は痛み止めの処方後4時間で痛みが戻ってきてしまい、次の痛み止めまでの2時間はとにかく我慢することに。つまりは1日12時間は痛みを我慢しなければならなかった。

 後に医者から説明を受けたのだが、尿道にステントといわれる物がはいっているらしい。(尿道ステント留置術?)それが痛みの原因なのだろうか、内臓を掴むような感じの痛みが波のように襲ってくる。
 寝てしまえば楽になりそうだが、きっちり4時間後には痛みで目が覚める。とても寝ていられなかった。

 手術とはこういうものなのか。37〜38度の熱が数日続いた。検査のための簡単な手術でも場所や人によっては、思いがけない症状がでるらしい。
 手術の前に一通り説明は受けていたが、大概の人は私と同様に全て頭に入れて手術に臨む人はいないと思う。
 医者からしたら痛み、発熱等は手術したのだから普通なのだそうだ。心配はいらないらしい。しかし手術前より苦しい思いをするとは思いもよらなかったので、戸惑いしかない。

 この日の夜はまわりの患者のイビキの大合唱だった。また他の病室からは奇声のような唸り声が何度も聞こえてきた。痛みも伴い一睡もできなかった。
 
 21時頃に水分の摂取が解禁。

 翌日。

 6時起床。巡回の看護師から上半身を起こしてもいいとの許可がでた。すぐさま体を起こす。
 7時朝食。患者ごとに配膳されるので時間がかかる。これはしょうがない。7時に朝食だが45分遅れて配膳されてきた。お腹が減っていたので、楽しみで仕方なかった。


11月27日朝食


 待ちに待った朝食は美味しかった。美味しいのだが、痛みを我慢しながらなのが辛い。

 10時。予定通りに点滴と尿道の管を外してもらえた。自由に動いてよいらしい。開放された喜びもつかの間。今回の術後のリハビリが始まった。

 ステントを入れているからだろうか、手術前よりも尿意が多くなった。そして5日間は鮮血の血尿が続いた。8月に出ていた血尿とは比べものにならない真っ赤な血尿。管を入れていたからかわからないが、排尿する度に刺すような痛みを伴うのだ。
 水分を多く摂らないとより血尿が濃くなり排尿が辛くなるとのことで、とにかく水を飲むように心がけた。
 お腹の中の痛みと熱と、こんなはずじゃなかった感が凄い。生検を軽くみていた。手術は手術。そして病気は癌。治療自体が身体には負担なのだ。その階段をようやく踏み出すことができた。 


 

11月28日木(木)に予定通り退院。

 
 退院後の説明を受けて、数日間の痛み止めを処方してもらい退院できました。

 8月の血尿から3ヶ月。ようやく治療の一歩が始まった。今回は生検なので治療のための一歩なのだが、痛めつけられ、お前は病気なんだと突きつけられた思いがした。

 日常生活で食事も含め、とくべつ気をつけることもないようだったが、今回の痛い思いをしたお陰で、この入院を境に食生活をより気をつけるように
なりました。
 
 手術はもうこりごり。


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