希望への原動力
~まえがき~
先日、サザンオールスターズの新曲第三部が発表された。
その名は「Realy~杜の詩」
奥ゆかしい題名だ。売り文句によれば
この曲に対しては先日、逝去された坂本龍一氏に対する敬意。明治外苑地区再開発へのアンサー。
発表直後は様々な憶測が飛び交った。
私としてはまず「何事もなくただ生きる」というメッセージに過ぎないと確信した。歌詞では
これはサザンオールスターズ5人の人生そのものであろう。
いつの日にか心に抱いたあの頃の憧憬は街の再開発により、
少しづつ原風景は去ってゆく。まあ言ってみればそういう悲観がある。
私ひとりだけじゃ、僕ひとりだけじゃ、どうにもならない。
そのもどかしさだけが頭の中だけに存在している。
まさにあてもなく答え=answerを追求しているのだ。
馬鹿でごめんよ
歌詞には1番は「馬鹿でごめんよ」
2番には「馬鹿でごめんなさい」と記されている。
これにはおそらく様々な解釈で別れるだろう。
私が2つ感じたのはまず散々お世話になったにも関わらず、
街にしては何も恩返しできなかった。やるせなさ
そしてもう一つは桑田さん自身が音楽だけでしか、メッセージを伝えることしか出来ないから。
それだけでは単なる典型的なメッセージソングになってしまう。
だからこその茶目っ気だと思った。
坂本龍一氏の因果関係
かの坂本龍一氏は「東京・明治神宮外苑地区の再開発見直し」を求めたようだった。
それを桑田さんが受け止めて思いを引き継いだ曲だそうだ。
タイトルの「Realy」は「後に残す」、「つなぐ」の意味を込めた
桑田さんと坂本さんは余り接点が無いように思えたが
同じ舞台で活躍する同士からみれば、さほど変わりはない。
坂本さんは亡くなるわずか1か月ほど前、命を賭して
小池百合子東京都知事らに手紙を綴り、こう語った
「一度失ったら二度と取り戻せない」
※詳しくは外部リンクより。
結果的にはこの思いを告げたまま、逝去された。
この思いは桑田さんによって、音楽になり蘇り、デビュー45年目の華々しいときに発表されて日本人の心に大きく印象つづけた。
このメッセージを歌に変える原始的努力はどんな時代であっても覆らないのだ。
MVのはなし
優しいピアノとモノクロフィルムの映像が覆い被さる。
目的地は何処だろう?ただ流浪に歩く男がひとり居た。
場面が変わり、桑田さんオンリーで歌を通して
悲痛なメッセージを叫んだ。
そして、メンバーが現れ、45年以上の歳月を経た絆がユーモラスに演出された。
何やら談笑もしている
ああやって、モノクロ→カラー→モノクロ・・・と繰り返しつづくような映像は
何だか我々にとってどうにもならないような空想と矛盾。要するに現実と理想
のような雰囲気があって余計感極まった。
また杜に向き合い、己の理性を取りもどす。
その眼はまっすぐと差しのばし、覚悟さえも感じた。
また当てもなく、流浪に歩みをはじめた。
~あとがき~
私は謎のこだわりによって今日に至るまで、この曲を聴かなかった。
だが、それで正解だったと思う。
それだけ感情移入出来たからである。
新曲3部作で一際、異彩を放つバラード
我々が求めていたのはこの曲だったかもしれない。
これぞ大人なサザン。実にあじわい深い作品だ
ここまでご覧いただきありがとうございます。