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糞バイ列伝6

 好評?だったこのシリーズも今回で最終回となろう。これらの記事を書いていて思ったのが、250ccが一番面白いという事だ。250ccは日本の免許、税制にかなり有利。更に車検制度によって無限改造出来るようになっている。だからカスタム例も多い。

 また日本の4大メーカーがこのクラスに滅茶苦茶力を注いでいるので珍バイク、馬鹿みたいに設計費をかけたバイク、なんとかして法の目をかいくぐってやろう的なバイクも多いのだ。(例えばKLX300をボアダウンさせたKLX250など)

 よってこの最終回は250オンリーで行こうと思う。


1 COBRA

 ついに4発を扱う時が来てしまったか。GSX250-Rからカウルを取ったのがこのバイクである。このバイクは不人気だったが、スペックは結構凄まじい。
・45PS
・139kg
・アルミツインスパーフレーム

 選択肢はストファイしかないかな、と思いがちである。しかし国内ではタマ数が少ないのでちょっと高め。しかもGSXーR250のデチューン街乗り版はちゃんとバンディッドがある。しかもこれCOBRAを出したすぐ後に出している。COBRAの存在意義とは一体・・・

バンディッド250

 さらに最近のバイクブームでCOBRAはだいたい40万くらいする。どうせ40万するならもっと豪華な使いかたをしよう。

 ここでラジエターシュラウドに注目しよう。本来ラジエターシュラウドとはオフ車に付いている。転倒した時にラジエターが破損するのを防ぐためだ。もう一度まとめよう。

・アルミツインスパーフレーム
・ラジエターシュラウド
・139kg

 うむ。これはオフを走るバイクだな。これで生まれてきた意義もあるというものだ。よし早速直4のオフカスタム車を見てみよう。

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これもいいね~

 動画もあったぞ

 この動画は1000ccである。しかし走り方の参考にはなる。多分ジャンプは無理がある。つまりオフ車と言ってもダートトラッカーのように走るのが良いと思う。

 前後18インチ化+倒立フォーク、かな?




2 SRX250 Ⅱ型

ちなみにこいつは6速である

 おっ、イケてんな。どこが糞バイク?と思う人も多いだろう。実際コイツはイケている。糞バイクにはぎりぎりカスってるくらいで、中古も高騰しているし、何よりライトウェイトスポーツとして乗っていて楽しいバイクだ。

 このバイク自体は糞ではないのだが、このバイクを見ていると糞バイク収集家魂がめちゃくちゃ刺激される。即ち、「コイツを改造しろ」という脳の命令だ。また、レストアベース車が大量に売られているのでそれをコツコツ直しながら改造パーツをつぎはぎしていくのも楽しいだろう。

 このバイクは王道カスタムが似合う。スポーツスポーツしていくのが良い。そしてカスタムベースとしての素質は抜群だ。

検索したらいきなり凄いの出て来た。どこに何がついているんだ。
上と同じ車体だと思われる。

 なんかもうこれは究極だ。何をどう改造しても結局これに行きつくんだろう。というわけでSRXこれで終了。





3 エリミネーター250SE


 このバイクは1988年にアメリカンドラッガーとして登場したが、90年代に入り本格的なVツインの中型車が出そろうとこぞって投げ売りされた。貧乏な人が乗るバイクの代名詞となっていた。

 しかしアメリカンを謳いながら走りは一級。そのスペックは
・水冷パラツイン(GPXから続くズンドコ耕運機エンジン)
・40PS
・143kg
・6速ミッション
・キャスター角29°

 なんか全部が惜しいバイクである。ちなみに直線なら最近の二気筒NINJAシリーズを余裕でチギれる速さ。


スポークホイールモデルの250LX
ビキニカウルとアンダーカウル付きのSE

 このバイクはキャスター角を立てて普通のバイクにしようとしないほうが良い。何故なら同じ系列のエンジンであるGPXだとかGPZ250Rとカブるからだ。更にストファイ化やダートラ化もそちらのほうが適している。

 つまりカワサキがこう乗れ!と言ってる通りドラッグにするのが一番である。さすがにキャスター角27度はどうしようもない。

 最適解はこれ、ターボ化なのだが金銭的にとても普通の人の手に届くレベルじゃない。というか250のターボ化はまだ大型免許が一発試験の時には価値があったが、今となっては免許取りに行ってX11でも買ったほうが安い。

 ちなみにこのバイクブレーキが弱いらしく、フロントの4ポッド化、またはWディスク化は必須である。止まらないバイクは怖い。

フロントGPX250RⅡまるごと移植した例。

 筆者の経験だとこのエンジンは140km巡航とか余裕で耐えられるので、カウルを付けて高速の直線をひたすら流す仕様にしたほうが楽しめると思う。





4 エストレヤ250

 このバイクは糞バイクではなく名車中の名車なのだが、ヤフオクを見ていたらキャブバージョンは結構投げ売りされている車両が多かったのでここに掲載した。

 筆者はレトロスタイル単気筒のバイクをファッション方向ではなくスポーツ方向にカスタム、チューニングするのが好きである。この手のレトロスタイル空冷単気筒はGBクラブマンとエストレヤどちらにするか迷っていたのだが、どうもクラブマンのあのタンクの形が好きになれない。

 クラブマンをスポーティーに弄った所で元が「スポーツバイクをクラシカルにしてみた」みたいな造形をしているので元に戻ったに過ぎない感が凄い。要はセローベースのブロンコをモタードにするような感じである。実際後述のCBX250RSをレトロにしたのがクラブマンである。意味が無さすぎるので筆者はエストレヤを選択。

 ちなみにカスタムパーツの老舗、BEETから354ccボアアップキットが出ている。これを調べると更にコンプリート車両も出ているではないか。BEETが作った車両は筆者の理想形にかなり近い。

もうちょいクラシック要素を排除した色使いのほうが筆者好み。サイレンサーはカーボンが良い。

 ちなみにこの改造の中身を見てみると
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Fフォーク

  • バリオス用39φをブラケットASSYで使用(オフセット35mm) フォークオイル交換、セッティング変更 イニシャルアジャスター取り付け

  • Fブレーキ

    • ZX-7RR用320φステンレスローター、 ニッシン14φマスターシリンダ、 ブレンボ4POT対向ピストンレーシングキャリパー、 BEETオリジナルセミメタルパッド(ニッシン製)、ステンメッシュホース

  • スイングアーム

    • バリオスⅡ用改造(Rショックマウントブラケット位置変更)

  • Rブレーキ

    • ブレンボ2POT対向ピストンキャリパー(JOG用)、 ステンメッシュホース

  • Rショック

    • オーリンズ フルアジャスタブル(XJR400用)‥‥‥‥‥‥‥‥‥\135,450(税込)*

  • アルミリム

    • RK EXCEL 特注品 サイズ:2.50-17,3.00-17

  • Fタイヤ ブリヂストン バトラックスBT-39SS 100/80-17

  • Rタイヤ ブリヂストン バトラックスBT-39SS 120/80-17

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 こんな感じで純正部品を流用して安く仕上げたようだ。筆者ならアルミリムを黒くはせずにド派手な赤か青のアルマイトにする。

こんなんね。タンクの色と合わせるのが良い。

スポークの色も変えられたような。

 尚キャブは

  • Keihin FCR33 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥\55,650(税込)*

  • エアファンネル50mm セッティング:MJ122,JN-GTN-1,SJ38,AS-1.5,PS-2.5 加速ポンプ吐出量微少に調整

 エアファンネルが一番カッコいいよなぁ・・・でもエンジン傷むわ・・・

 エストレヤは結構弄りがいがあって、250ccのモンキーである。多分一生弄って遊べるだろう。

カフェレーサーって絶対バーハンのほうが良いと思うんだよなあ。


 エストレヤ終わり。





5 TW200 /225

 キムタコブームで一気に火が付き、そしてなだらかに終息していった車両。当然中古市場では程度の悪い改造されまくったタマがダブついており、5-8万で投げ売りされている。レストアベース車は特に狙い目だ。2万とかで投げ売りされている。ちなみに外国でも中古を安価で買う事が出来る。

 このTWのエンジンはXT200がベースとなっている。耐久性は抜群である。そして各社からボアアップキットが出ている。尚セローも同じXT200ベースなのでセローのエンジンを流用して6速化する人も多いようだ。

ボアアップ+ハイカムキット
セローの6速

 但しこの場合メインハーネスごとセローを移植してしまったほうが早い。また後述のようにタイヤを細くする場合はセローのチェーンラインをそのまま使ったほうが良い。

 このバイク、乗ればわかるのだが丸太に乗っているような変な感覚がある。ちっともバイクに乗っている感じがしない。これはスズキのバンバンも同じでタイヤが太すぎるせいだ。そのせいで寝かせるのに異常な体力を使う。これでは疲れてしまう。

 キムタコブームが去った今、わざわざ極太タイヤに拘る意味もない。ここは思い切ってタイヤを細くしてみよう。



これはなかなか細くしている。フロント17x3.00、リア17x5.00のリム。

 しかしまだまだだ。TW200は車重118kg。こんだけスカチューンしてるなら100kgを切っているだろう。まだまだ細く出来る。またロンスイもいらない。アメリカンクルーザーでもないのホイールベース長くしてどうするんだ。

 来たぞ細いリムのホイール。だがまだまだ削れそうだな。リム幅は旧車の1.85以下に削れるはずだ。あのパワーあるKH250ですら1.85なのだ。



 こちらは日本人のカスタム。前後18インチ化。

 

17インチ、これも日本人カスタム。中々恰好良い。だがまだ太いよ・・・

多分エンジンはセロー流用かな?6速化できるらしい。

 これは17インチ+倒立フォーク+ハイカム+250ボアアップという力作。オイルクーラー装着でFCR。まるでモンキーの改造だ。素晴らしい。しかしホイールリムはもっと細くていい。倒立もオーバースペックだ。ジャンプするわけじゃあるまいし。

18インチの細いリム、これでも幅は2.15
TWのパワーならこれ以下でも全然かまわないだろう。写真はKH400で18インチの1.85

 とりあえずTWについてはこんなもんか。タイヤを細くすればするほど楽しくなると思う。


6 ZEAL 250

 某巨大匿名掲示板の創設者が乗っていた事で有名なZEAL、値段をヤフオクで調べてみたら20万しない車両が多い。他の250cc4気筒ネイキッドとは雲泥の差である。

 それもそのはず、上記のCOBRAもそうだが、このバイクは見た目的に暴走族にとって非常に使いにくいのだ。反対にホンダのJADEなんかはCBXに似ているため大人気。

 実際250の4気筒ネイキッドなんて暴走族くらいしか需要がなかったのだ。サーキット、峠、高速の走りならカウル付きが良いに決まっている。ストリートを走るならV2,パラツイン、またはシングル。つまりネイキッドカウル無し4気筒250は暴走族以外使い道が無かったのだ。よって暴走族人気のない4気筒250は売れなかった。

これはひどい・・・

 またこのバイクが売れなかった原因としてよく言われるのがデザインだ。主にラジエターシュラウドと近未来的なカウルの造形、ツインスパーフレームが原因と言われているが筆者は前傾しすぎたシリンダーのせいだと思う。

 実際このバイク、ラジエターシュラウドを取ってみるとシリンダーヘッドの上に大きな隙間が出来てしまうのだ。これはこの時期に発売されていたスズキのTL1000なんかと同じでエンジンを取ってつけた感が凄い。

御覧の通り異常に垂れ下がって見えるエンジン
同じように取ってつけた感が凄いTL1000。これも糞バイクシリーズに掲載しようと思ったが、どう頑張っても改造のキモ、ホイールベースを短くできないので辞めた。

 で、このZEAL,どうやって改造するかってこれはもうストファイしかないだろう。COBRAのようにダート化させる手もあるが、145kgとこちらはギリギリ重い。

 ではカスタム例を見ていこう。

なかなか良いね。ベトナムの人が作ったようだ。
アンダーカウルがあるとバランスが良くなる
フレームを黒、ラジエターシュラウドをタンクと同じ色に塗装すると今のバイクっぽくなる。リアサスはサブタンクが上に来ているタイプ。

 筆者的にはアルミツインスパーフレームのギラついた感じが好きなのでフレームは塗装しないかな。あとヘッドライトはアチェルビス等に変えるのが必須だと思う。

 肝心のエンジンのほうはこれはこれで完成されていて、ボアアップとか余計な事はしないほうが良い。せいぜいFCR入れてマフラーを変えるくらいで充分だと思う。

画像はJBパワーのもの
ZEALにはショートマフラーが似合う。写真のものはFZR用


 反対に絶対やっちゃ駄目な例は

カフェレーサー、糞ダサい。


 以上ZEAL終わり。



7 CBX250RS


 放射状4バルブ方式燃焼室ことRFVCシステムエンジンを搭載。これは前の記事のAX-1にも採用されていた。GB250クラブマンと同じエンジン、というかCBX250RSをレトロな見た目にパッケージしたのがクラブマンである。

 なんとこのバイク、129kgと滅茶苦茶軽い。さらに30PSを叩きだしている。SRX250の28PS,122kgに迫る勢いだ。このシングルスポーツシリーズはカワサキの250CSが34PSの118kgと最強なのだがレアすぎて40万以上する。

 このバイクはバイクの顔となるタンク、そして連なるシートカウルが独特の造形をしているので原型が無くなるようなカスタムは辞めたほうが良いだろう。下品になってしまう。楽しみ方もそのままシングルライトウェイトスポーツで良いだろう。SRXと同じである。

 


ホイール交換にオールペン、ノーマルの雰囲気を上手く生かしている素晴らしいカスタム。良く見たら足回り全部NSRじゃないのこれ?
フレーム溶接でリンクサスを移植したらしい。強すぎる。
これもホイール交換にホワイトのオールペン。このバイクはホワイトが似合う。こちらはノーマルの2本サス。

 とりあえずキャストホイールにすれば外観の古臭さは消える。外装はノーマルのままペイントするのが良いだろう。次はエンジンである。

ワンチャンこれのシリンダとピストンが移植できる。

 このエンジンは元々XLR250ベースである。そのXLR250はMD16型エンジン。その元がこのXR350のMD08型エンジン。ワンチャン移植可能である。保障はしない。




8 YD250S

 シングル単気筒、見覚えのあるエンジンの形。だが250。フカフカのシートにグラブバー。このバイクを見て誰もが考える事、それはSR400のパクりを作る事。SRには一応250もあるのだが・・・

 何故かアメリカン。YDのほうが似てるってどういう事だよ。YDをSR400に似せる場合、車検のないSR400モドキが作れる。そんなYDのスペックを見てみよう。

・空冷OHC20PS
・前後17インチチューブレス
・146kg

 SR400が24PSで175kgもある事を考えるとYDのほうが圧倒的に速い。てかSR400の存在意義ないだろ・・・。とりあえずカスタムを検索して調べると・・・


カフェレーサーばっかり出てくる。ダセェ。
キャストホイール。かなりSR風味
これはトラッカー?

 とりあえず足回り変更が容易な事はわかった。次はエンジンだ。このエンジンはSR250がベースである。SR250はXT250Tからエンジンを取っている。

XT250/T

 このバイクのエンジンはレーサーTT250、TT350と互換性がある。恐らくブロックは共通のはずだ。しかしこれらを組み込むと500kmごとにOHが必要になる諸刃の剣。デイリーユーズには耐えられないだろう。

 ちなみにオーバーサイズピストンは結構出回っているようで、ボーリング屋に持ち込めばボアアップは可能である。但しこれも耐久性が落ちるので筆者としてはイマイチな改造かな?と思う。

WHITEBROTHRES ボアアップ用ピストン。270ccになる。

 以上YD250終わり。




9 VTR250

 いよいよ最後の車両である。

 このVTR250はキャブ車ならまだ全然投げ売りされているし、エンジンもVT250,VTZ250、スパーダ、ゼルビス、マグナと熟成を重ねてきた伝統あるエンジンなので各車種との互換性も高くパーツが豊富にある。

 このバイクもカリッカリのレーシーなチューンにするのが面白い。トラスフレームのVツイン(Lツイン)でモタードにするのも良いが、160kgは重すぎる。これで60PSくらいあれば良いが30PSしかない。

 このバイクについては筆者の友人がカリッカリに弄った例があるのでそれを見てみよう。

ジムカーナバージョン、バーハン
サーキットバージョン、セパハン
FCR
オーリンズ

Carburetor: FCR28φ
Exhaust: TSR full exhaust
Transmission: VT250J SPADA 6MT
Cylinder head: VT250J SPADA
CDI: Special(rev = 13500rpm)
Front fork: NSR250SP
Rear Suspention: OHLINS(NSR250SP)
Front Brake: NISSIN RADIAL Master cylinder & NISSIN 4 pod
F Tire: PIRELLI Dragon Super Corsa
R Tire: DUNLOP D253


 こんな具合である。それにしてもNSRの足回りは汎用性あるなー。この足周りだけでもSHOWAから再販してくれないかな。結構儲かると思う。





 オマケ
糞バイクだったが希少価値が出て糞バイクではなくなってしまったバイク達。本当はもっと色々載せたかったのだが筆者が競技に夢中になっている間に時が経ちすぎて、これらのバイクは旧車になってしまった。

 また2サイクルは貴重になり全部高騰してしまった。これらの80年代のバイク、そして2ストはすべて貴重車になってしまった。糞バイクの定義は投げ売りされている事なのでこれらのバイクはすべて定義から外れている。


XS250
XS250SP

MVX250F
NS250F
NS250R
KR250
KR-1
ウルフ200
RZ250R
FZ250フェーザー
GPZ250
Z250LTD
NZ250

CBR250FOUR
アクロス
GPX250R
SW-1

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