ASIAN KUNG-FU GENERATION "ファン感謝祭2024"のリクエストファン投票結果をお笑い賞レース風に見る
ぼーっとXのタイムラインを眺めていると、ASIAN KUNG-FU GENERATION(以下、アジカン)の公式アカウントによる以下の投稿を見つけた
投稿内容と重複するが、8月24-25日に行われた「ファン感謝祭2024」に向け、アジカンのファン達が総動員で投票した楽曲投票結果を1位から最下位まで公開していただけたのである
マ?
なので、せっかくなのでじっくり投票結果を見ていきたい
※投票結果だけ見たいのであれば公式サイトを覗くのが一番手っ取り早い
かといって一曲ずつ触れていくと絶対時間かかるので、飛ばし飛ばしでやる
あとブロック単位で見ていこうと思う
またまた長い時間かかりそうである
リクエストファン投票結果(2024年)
1位から10位【決勝進出】
M-1グランプリ(2017年以降)やキングオブコントであれば「決勝進出者」の肩書が与えられる範囲である。ここ数年のお笑い賞レース基準だと、もはや選ばれしものとして語り継がれるレベルである
そんな1位から10位までの結果は以下の通り
「路地裏のうさぎ」と「或る街の群青」は同率5位である
上位10曲まで登りつめたということは、もう誰しもが聴きたくてたまんねぇという多大な期待を多く寄せられた実力者である。なんかもう、曲の並び見ただけでも貫禄がある
そして実際にファン感謝祭 2024@横浜BUNTAIでは、上位の10曲は軒並み演奏された
…のだが、「夜のコール」のみ、1日目(8/24)のアンコールでのみの披露という事態に。何でや
11位から30位【準決勝進出】
M-1グランプリやキングオブコントであれば、決勝には手が届かなかった「準決勝進出者」に該当する。実に惜しい。
※ちなみにこの数字自体はM-1グランプリの準決勝進出者数を参考にしている。他のコンテストもこうであるかどうかは保証できない
準決勝止まりは実に惜しいポジションであるが、ここ最近のお笑い賞レースがそうであるように、機運が違っていればこの楽曲たちの内のどれかがTOP10と入れ替わっていた可能性は高い。だから惜しいという気持ちも強まってしまう訳だが
つまり、1位~10位にランクインしててもおかしくなった楽曲たち。そんな11位から30位までの結果は以下
TOP10には入れなかったが、そこは寛大なアジカン。一部の楽曲には奇跡の手が差し伸べられた
上記の内、太字で表した箇所はファン感謝祭 2024でセットリスト入りを果たした楽曲である。決勝に行けなくてもスポットライトを浴びられるチャンスは誰にでもあるということをアジカンは証明してくれたのである
ただ、選ばれた曲は「ミュージックビデオのある曲」か「ライブでの人気曲」、もしくは「希少性の高い曲」のいずれかに分類されていることは留意しておこう。確かに決勝に行けなくとも選ばれる可能性は誰にでも平等に存在するが、選ばれるには選ばれるだけの理由が存在することも事実である
チャンスは誰にでもあるが、チャンスを与えられた対象には偏りがあることを我々は認めなければならない
31位から50位【準々決勝進出】
ここからは準決勝に進出できなかった「準々決勝進出者」となる。ただ準々決勝進出止まりとなってしまった中には2つ分類することができる。”ウケていたのに落ちた”と""と”順当に落ちた”の2つである
このエリアは前者、つまり準決勝に進出できる実力はありながら残念ながら準々決勝止まりとなってしまった楽曲が占めている。なぜここ止まりとなってしまったかはわからない。ファンのウケは良かったのにこうなったことを考えると、もしかしたら審査員受けが悪かったのかもしれない(誰やねん審査員)
しかし、この枠だって何らかの巡りあわせが変わっていれば準決勝進出を果たしていたかもしれない曲たちである。そんな31位から50位の結果は以下
「12」、「君の街まで」は同率32位となった
『ぼっち・ざ・ろっく!』によるブレイクを果たした「転がる岩、君に朝が降る」は今大会では準々決勝敗退となった。ブレイクによってもたらされた波をいまいち乗りこなせなかったか
しかし、寛大なるアジカンは上記「転がる岩、君に朝が降る」の他にも、この枠からいくつかの曲に対して救いの手を差し伸べた。俺たちのアジカンは誰に対しても救いのチャンスを与えてくれる。そして太字で表された楽曲はファン感謝祭 2024のセットリスト入りを果たした
51位から80位【準々決勝進出】
「31位~50位」の楽曲に引き続き、こちらも準々決勝止まりだった楽曲たちである
上述のランク入りを果たした楽曲と比べると、突き抜けるほどのウケはなかったのかもしれない。しかし、安定してウケたことは確かな実力を持つ何よりの証拠である。その秘めたるパワーはいつだって将来、TOP10入りを果たせる凄まじいものである
51位から80位にランクインした楽曲は以下
前回大会(2013年)では1位を果たした「ソラニン」が80位となった。番狂わせである。本当のお笑い賞レースなら(いやこれはお笑い賞レースに限った話ではないかもしれない)、前大会王者が準々決勝敗退などしようものなら、その衝撃でSNSでは阿鼻叫喚に包まれることだろう
しかし、前回の1位を獲った時点で、一部のファンから疑念を持たれていた。何なら後藤正文 a.k.a ゴッチも思うところがあったことをファン感謝祭 2024の当日MCでも明かしていた
なので、前回大会の1位という肩書により、かえってハマらなくなってしまう状態に陥ってしまったといえる。プレッシャーに押し潰されてしまったのだ。実際、前回で好成績を残したプレイヤーが次の大会では成績を落としてしまうことは、お笑いやスポーツ問わずよくある話である
だが、そこは寛大なアジカン、成績の振るわなかった前大会王者にも手を差し伸べた。ファン感謝祭 2024において「ソラニン」はゴッチの弾き語りという形式でもって無事に披露された
また、この枠からもしれっと75位の「All right part2」が2日目(8/25)のアンコール2曲目に選出されている。しかも当日はゲストボーカルとして、レコーディングにも参加していた橋本絵理子を招いて披露された。めっちゃ扱いええやん
81位から100位【準々決勝進出】
たくひとの認識としては、31位~100位までを準々決勝としている
しかし、31位~80位までと異なるのは、今回の予選の空気にはハマらなかったということである
ただ賞レースにおいては、観客のウケがそこまで盛り上がっていなくても、時折準決勝に進出できているケースが存在する。そういったケースは審査員がウケではなく、中身を吟味した結果繰り上げるにふさわしいと判断したものと推測されている(だから誰やねん審査員)
あと、これは繰り返しとなるがそもそも昨今の賞レースでは準々決勝に進出できただけでも実力者として扱われる。なのでこの楽曲たちも、今回はハマらなかっただけであって、本来は十分に実力がある
つまり、この楽曲たちもいつだって準決勝、ひいてはTOP10を狙える猛者たち。そんな81位から100位までの結果は以下
「ライカ」と「マイクロフォン」は同率83位、そして「嘘とワンダーランド」と「Eternal Sunshine / 永遠の陽光」、「八景」は同率100位となった
強豪である「リライト」を筆頭に、いくつかの著名なシングル曲たちがこのランクに収まってしまっている。「遥か彼方」もそうだ。またしても番狂わせである
予選の空気は生モノであると人づてに聞いたことがあるのだが、まさか本当だとは
しかしその枠に収まってしまった楽曲もアジカンは救ってくれるんdaze
例と同じく、太字で表された曲はセットリスト入りを果たしている。「マーチングバンド」についてはゴッチの弾き語りパートの日替わり曲として1日目の回に披露された
103位から130位【3回戦進出】
決して誤植ではない。100位に同率で3曲も入っていたので、このセクションタイトルは103位から始まる
103位から130位までは3回戦敗退である
M-1グランプリ基準となってしまうが、ここ3~4年で3回戦もレベルの高い争いが広げられているように感じる。現に実力者であろうとも3回戦で敗退するというケースがちらほら散見されるようになった
しかし、準決勝常連だったチャレンジャーが一度3回戦敗退を喫した後も、なんとか返り咲いたパターンもあるので、どうかめげないでほしい
あとは準々決勝には一歩及ばなかったが、それでも十分に客にはウケていたケースもある。このケースは特に若手チャレンジャーやダークホースなんかに多い。これはもう可能性しかない
そうでなくとも、可能性しかない
そんな103位から130位にランクインした楽曲は以下
ここにもちらほら「ミュージックビデオ曲」がいくつか散見できる。「宿縁」は2023年にリリースしたばかりなので、次回大会以降はもっと成績を伸ばせる余地のある可能性の高まりである
この枠からは「ボーイズ&ガールズ」が、ゴッチの弾き語り日替わり曲として2日目(8/25)に披露された。ちなみにこの楽曲はゴッチの選ぶアジカンTOP10にランクインしている
別の大会では好成績を残せていても、違う大会ではそうはいかないのは、お笑いもスポーツもそうであるように、音楽においてもそうなのだろう
131位から160位【2回戦進出】
たくひとの中では「2回戦進出止まり」としている
しかしここ数年、挑戦者のレベルがインフレを起こしてしまっているお笑い賞レースにおいては1回戦においても高い壁となっている。その1回戦を突破できたので、この楽曲たちは実力が十分に備わっているのである
努力も必要なのかもしれないが(何の?)、ここにこれただけでも実力者。そんな131位から160位までの楽曲は以下の通り
ここにもシングル曲がランクしている。本来であれば上位に組み込まれて良い筈の楽曲がここに留まってしまったことは、レベルがインフレを起こしてしまったことによる弊害である
この枠はさすがに手は差し伸べられないかと思いきや、なんと157位の「柳小路パラレルユニバース」が2日目(8/25)のダブルアンコールとして選出されるというサプライズ。奇跡
上記のケースに入れる確率は相当低いのかもしれない。ただ、たとえ成績が振るわなかったとしても諦めなければ奇跡が起こることがわかる良い例となった。それに諦めずに努力していれば、次回大会ではもっといい成績を残せる確率がもっと上がるし
何の努力?
161位から183位【1回戦進出】
…「進出」?
2回戦に進出することもできなかった楽曲たち。つまり1回戦止まり
ただここ2年くらいだろうか、十分なキャリアを持つチャレンジャーでも1回戦止まりとなってしまうケースを見られるようになった(特にコロナ禍のピークを迎えていた2020年、2021年とかは1回戦がすごい厳しかった記憶がある)
なので1回戦も決して油断できない闘いの場なのである
まだまだ伸びしろのある楽曲、たまたまこの成績だったが十分にランクアップできる余地のある楽曲、総じて未来が詰まっている、161位から183位までの結果を以下に記す
ここまでくると、ワースト10の楽曲に入った投票数をむしろ知りたくなってくる
かくして全ランキングを見終えた訳なのだが、せっかくなので前回大会はどうだったのかも振り返ってみよう
おまけ:リクエストファン投票結果(2013年)
リクエストファン投票という試み自体はASIAN KUNG-FU GENERATIONにおいては初めてではなく、2013年に横浜スタジアムで開催された10周年ワンマンライブにおいても行われた。くしくもイベント名も「ファン感謝祭」
1位から50位まで
さすがにもう疲れてきたので、ランキングを載せるだけに留めるものとする
しかし、引用元は1位から50曲までしか公表されていない。つまり51曲以下は切り捨てられたのだ。当時のアジカン公式は、とてもシビアだった
1位から50位までの結果は以下の通りである
2013年大会ではTOP3だった「ソラニン」、「Re:Re:」、「君という花」は全てTOP10入りを逃してしまった。時間の経過も要因にあるだろうし、今大会では空気にハマれなかったというのもあるのかもしれない
2大会(2013年、2024年)連続ファイナリスト
2013年のTOP3だけでなく、全体的に今大会と比較するとランキングの変動が激しい。「リライト」等、前大会ではTOP50圏内だった楽曲が今年は圏外となってしまうケースが多く発生している
もちろん逆のケースも多く発生していて、「バタフライ」は前大会はTOP50圏外だったが、今大会ではTOP10入りを果たしている。また、TOP50圏内であってもいまいち成績の振るわなかった「夏の日、残像」と「橙」にいたってはそれぞれ1位と2位を飾っている。こういう変化を見るのはお笑いの賞レースの各コンビの成績経過を見てるみたいで楽しい
そんな変動の激しい中、なんと2大会連続でTOP10入りを果たした楽曲が存在する
「海岸通り」
「或る街の群青」
の2曲である
「或る街の群青」にいたっては前回大会と同じ順位にランキングしている。こういった記録は狙ってできる動きではないので、もはや奇跡である
個人的な思い入れを語ってしまうと、「或る街の群青」は私たくひとがアジカンと出会った一曲である。この曲からアジカンを知った
”みんなと一緒!うれしい★”ムーヴは極力避けたいところだが、自分にとって思い入れのある楽曲が、偶然にも多くの人に「ライブで聴きたい!」と思われていることが何だか嬉しくある
イントロ後の複雑なアンサンブルがクールでたまんないっすよね~
あとシングル曲なのに展開も複雑なのも良い。サビとイントロ・アウトロを除くと同じメロディに戻ってこない。好き
いつかアジカンの曲をピックアップして思い出とか感想を書いてみる、ってことしてみたいですね。曲単位でいくかアルバム単位でいくか。ただ曲単位となると記事数むちゃくちゃ多くなるから、後者の方が現実的かも
さいごに
アジカンのファン感謝祭 2024を観に行った時の思い出をnoteに書いたので、興味のある方はぜひ