リゼロを「インドの輪廻思想」の軸で戦略コンサルが本気で考察してみたら謎解きの糸口が見えてきた
様々なライフイベントが重なり、久々の投稿になってしまいました。
ネタは十分に貯めてあるので、優先度の高い順で記事にしていきたいと思います。
今日は久々のアニメネタで、「Re:ゼロから始める異世界生活(以下リゼロ)」を取り上げたいと思います。
※ ネタバレ含むのでご視聴前の方はご注意ください。
リゼロは転生モノの傑作
ふと「転生モノのアニメ原作書いてみたいな」と思い、人気タイトルについて市場調査をしていたときにたどり着いた傑作がリゼロでした。
恥ずかしながら、これまで名前は知っていたものの、今回初めてNetflixで一気見し、作品の精巧に作りこまれた世界観に感銘を受けると同時に、
「私にはこのレベルの作品は一生かけないわ。。ムリ。。」
と、上記の衝動的な意思は脆くも崩れ去ったのでした。。。
作品自体の紹介はネット上にあふれているので、tarako独自の考察を売りにしている当ブログでは、この程度にとどめておきます。
リゼロの代表的な伏線 5選
リゼロは原作小説も未完作品であり、アニメのシーズン2は絶妙に謎を残したまま終わっているため、多くの伏線が未回収のまま残っています。
この中からtarakoが個人的に気になっている5つの伏線を紹介し、
手始めにそのうちの2つを「インドの輪廻思想」と「課題解決思考」をベースに考察してみたいと思います。
<気になる伏線 5選>
1. 大賢者フリューゲルとナツキ・スバルの関係
2. サテラの正体と真意
3. エミリアの母親の正体
4. エキドナの正体と真意
5. アルデバランの正体と真意
大賢者フリューゲルとナツキ・スバルの関係
「フリューゲル=ナツキ・スバル」という仮説は各所でなされており、
恐らくこの考察は概ね正しいと読んでいます。
上記の仮説を支持するファクトは下記のブログで大変丁寧にまとめていらっしゃるので、こちらをご参照下さい。
https://anabre.net/archives/rizero-flugel79349.html
スバルとフリューゲルの共通点が多いのも気になるところです。以下、二人の共通点を簡単に整理してみます。
・同じ匂い(魔女の残り香)がする
・スバルがいた世界の星の知識がある
・陰魔法の使い手
・落書きの発想が同じ
・意地悪い性格
・日本から異世界に転送された?
大樹に刻まれていた「フリューゲル参上」と、スバルがラムに文字を教えてもらっていたときの「スバル参上!」と同じ落書きの発想です。
引用元:リゼロ考察 大賢者フリューゲル正体・伏線を考える (anabre)
一方で、この発想に至る思考を考えるうえで、リゼロという作品の中に一貫して通った軸として「インドの輪廻思想」を持ち込むと、この信ぴょう性がますます増すのですが、この軸での考察はネット上でも見受けられませんでした。
まず、リゼロは言わずもがな「輪廻転生」の思想で成り立っています。
また、登場人物の名前にも多くの「星」の名前が付されていることからも「占星術」の考え方も参考にされているのでしょう。
※ tarakoは占星術や輪廻転生について専門家ではないですので、専門家から見て間違った解釈もあるかもしれません
ここで良いフレームワークになるのが「宿曜占星術」です。
宿曜占星術(しゅくようせんせいじゅつ)とは、インド占星術をベースにした日本の占星術
引用元:wikipedia
結論を言ってしまうと、宿曜占星術には明確に、
「翼宿は昴宿に転生する」
という考えがあるのです。
「昴宿・ぼうしゅく」の場合は→「斗宿・としゅく」→「翼宿・としゅく」→「昴宿・ぼうしゅく」・・・・と転生を繰り返しているのです
引用元:もしかして前世から?宿曜が教えてくれる気になるあの人とのご縁
https://tsukiyomi-magazine.com/2019/05/23/post-12179/
勘のいい方であればもうお気づきかと思いますが、
・フリューゲルはドイツ語で「翼」を意味しますね
・昴はスバルです
つまり、「フリューゲルが転生したら、ナツキ・スバルだった件」
というのがオチであるとtarakoは強く思うのです。
なので、この伏線については、確度高く回収されると思いますが、
それが物語上どのような重要性を持つのかは、
「400年周期の輪廻転生」と「400年前の魔女の時代」がキーワードになりますので、次のパートで触れたいと思います。
サテラの正体
結論から言うと。。。
「サテラとフリューゲル」は「エミリアとスバル」とパラレルの関係にあり、400年周期で悲しい運命をたどるという「星のもと」に生まれた
というのがtarakoの考察です。
これを支持するファクトは少ないですが、
エミリアが挑戦する3つ目の試練である「いずれ来る災厄に立ち向かえ」でちょい出しされている情報に縋ることになります。
※ 48話はとにかく神回なので、何回も見ることをお勧めします。
恐らく、血まみれのエミリアとそれを取り巻くセリフの応酬は、
「夜明け」ともにエミリアとスバルが何らかの形で滅ぼしあうような状況に追い込まれた結果、「だれも望まないような不幸な結末」にたどり着くルートを示唆していると考えています。
仮に「血まみれの夜明け」ルートとしておきましょう。
おそらく、これはフリューゲルとサテラがたどった400年前のルートと同じと考えてよいでしょう。
ただし、スバルとエミリアが本当にこのルートを辿ってリゼロが完結するか否か(フリューゲルとサテラもこのルートを辿ったとはいえ本当に不幸な最期だったのかも含め)は、わかりません。
実際、スバルはエキドナの記した「英知の書」のルートを超越した新ルートを開拓しています。
ただし、この時点でエキドナが想定しうる未来は「血まみれの夜明け」ルートなのは確かでしょう。
<400年周期の正体>
さて、少し視点を変えます。
リゼロでたびたび出てくる「400年」というキーワードはどのような意味を持つのでしょうか?
上述の通り、
そもそもチベット仏教の輪廻転生の周期として「400年周期」という思想があるのです。
https://www.nikkei.com/article/DGKKASGM25H5V_V21C14A1FF1000/
上記の法則をリゼロに当てはめると下記のような関係性が見えてきます↓
・第一法則:100年周期とエミリアの年齢
・第二法則:定位置の法則とスバルの死に戻り(セーブポイント)
・第三法則:400年周期と魔女の時代
ここまでくるとわかると思いますが、
「インドの輪廻思想」にベースを置くリゼロい
「チベット仏教」や「宿曜占星術」の裏で動く400年という大周期で同じような運命(ルート)を繰り返す類似キャラクターの転生物語であり、
その一部を視聴者は見ているといえるのではないでしょうか?
つまり、魔女がいた400年前とナツキ・スバルのいる世界をずっと見ている「魔女たち」と、ナツキ・スバル視点で見ている視聴者には、大きな視点の違いがあるのです。
「400年、100年、死に戻り」の3つの視点をもって作品を見ると、
本作に隠された伏線回収の糸口が見えてくると思います。
(まだ、結論するにはファクト不足ですが。。)
補足要素ですが、スバルの属するプレアデス星団は、
地球から光の速さで約400年(400光年)の距離にあります。
今見ているプレアデス星団の光は、400年前の光です。
主人公の名前がスバルなのも、何か関係あるかもですが、
物語の本質にはさほど重要ではないでしょう。
もう一つ、上述のブログでもある「輪廻転生の100年周期」についても、
エミリアの年齢が約100歳であることと無関係ではないでしょう。
ミネルヴァがエミリアの母親である説が有力であるが、
「魔女が滅びた約400年前とエミリアの年齢である約100歳が整合しない」
という、この説の唯一の矛盾を解決する糸口になります。
もう少しいうと、我々の時間軸感覚が一方向性であるため、このような感覚が所持ます。
この作品の世界観を語ってきたのでお分かりと思いますが、円環と小学生の算数の知識があれば、400年も100年周期の倍数(4回繰り返し)と考えれば、周期は4つの接点を持つことになります。
アニメで登場したミネルヴァは400年前にエルフ決死隊を救いました。
100年前に同じような運命をたどったミネルヴァの生まれ変わりと、エルフがいなかったといえるでしょうか?現時点では言えませんね。
(この辺りは「ミネルヴァがエミリアの母親説」の検証において今後書いていきたいと思います)
残る謎の考察と今後の展開への期待
「400年、100年、死に戻り」の3つの周期視点をもって作品を見ると、
本作に隠された伏線回収の糸口が見えてくると思います。
と書きましたが、今後もこの作品を上記の視点で見ていきたいと思います。
3. エミリアの母親の正体
4. エキドナの正体と真意
5. アルデバランの正体と真意
個人的には、制作側も意図的に断片情報を出してくれています。
この出し具合が絶妙なので、個々の情報に振り回されると確信が見えにくくなる構造になっているのだと思います。
そして、それがリゼロという作品の最大の魅力・傑作たるゆえんでもあるのですが、
tarakoとしては、俯瞰したフレームワーク「3つの周期視点」をもって、今後の伏線にもトライしていきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました!!