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【回想録 由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い 第92回】

🔷 「写真」の「時空を超えて、当時のことを思い出させてくれるもの」(1)を掲載します。🔷

 『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』
(ハードカバー 四六版 モノクロ264ページ)
2016年1月25日 発行
著者   藤巻 隆
発行所  ブイツーソリューション

 ✍『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』(第92回)✍

写真

時空を超えて、当時のことを思い出させてくれるもの(1)

 写真はいいものだな、とつくづく思います。私は三十代の頃から、一眼レフカメラで写真を撮っていました。写真コンテストに挑戦し、何度か入選したことがあります。ポートレート(人物写真)を中心にしたものでした。デジタル一眼レフカメラが世の中に登場すると買い替え、撮影会にもよく参加したものです。

 新婚時代、由美子と旅行に出かけ、由美子のポートレートをよく撮影しました。可奈が生まれてからは、可奈の写真が多くなりましたが、それでも由美子と可奈のツーショットを数多く撮影しました。

 写真は、その時の自分と周囲の環境、被写体や情景を、時空を超えて、当時の状態に引き戻してくれます「あの時、あそこに行って、こんな話をしたな」とか、ファインダを覗きながら、シャッターを切る瞬間、「由美子はきれいだったな」といった情感が思い出されます。

 スマホ(スマートホン)が普及し、撮影が手軽にできる時代になりましたが、やはりデジタル一眼レフカメラで撮影したいですね。

 残念ながら、モデルになってくれるはずの由美子が、この世から去ってしまい、撮影する機会が失われました。それでも、由美子は私の心の中で永遠に生き続けています。写真の中の由美子とは違い、イメージと声、語り口が甦ってくる気がします。由美子のすべすべした、柔らかな手のぬくもりを感じています。由美子の微笑みがまぶたに焼き付いています。

 由美子と可奈の写真を中心に、順不同で掲載します。写真を並べてみますと、フラッシュバックのように、当時のことが甦ってきます。

 「その日に返りたい!」と夢想することもあります。その日に帰って、もう一度やり直したい。できるのであれば・・・・・。

 「過去は変えられないが、未来は変えられる」

と言った人がいますが、運命に逆らうことはできないと感じています。

 自分があと何年生きられるか分かりませんが、精一杯生き、その後、由美子に逢いたいと思います。切ない。哀しい。淋しい。息が詰まる。

 私が最後を迎える時、由美子に迎えに来て欲しいと願っています。迎えに来てくれたら、ニッコリと笑ったまま永眠できる気がします。

(PP.238-242)



➳ 編集後記

第92回は「写真」の「時空を超えて、当時のことを思い出させてくれるもの」(1)を書きました。

写真は当時の人たちがそこで生きていたことの証しです。

喜怒哀楽を表現したものです。

当然のことながら年齢は当時のままで止まっています。年を取りません。

そんな当時のままの大切な人たちに逢えるのです。

時空を超えてというはそういう意味です。

写真っていいな!




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藤巻 隆
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