見出し画像

大前研一 名言集 『サラリーマン再起動マニュアル』(04)

『サラリーマン再起動マニュアル』(04)

今回から『サラリーマン再起動マニュアル』から名言を取り上げます。

大前研一氏は、私にとってメンター(師匠)であり、グールー(思想的指導者)の存在でもあります。

大前氏の著作を読んでいつも感じるのは、物事の本質を捉える、ずば抜けた能力です。

凡人である私は大前氏の足元にも及びませんが、不断の努力を怠らず、一歩でも彼に近づきたい、と思っています。


『サラリーマン再起動マニュアル』

目次
 [イントロダクション]志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない

 第1章[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?

 第2章[基礎編]「再起動」のための準備運動

 第3章[実践編]「中年総合力」を身につける

 第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件

 第5章[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ

 [エピローグ]新大陸の“メシの種”はここにある


 

新大陸で勝ち残る企業の多くは、プロジェクト・ベースの組織が主流になると思う

新大陸企業では、メールやイントラネットの発達で中間管理職の意味がなくなり、上司と部下の上下関係も崩れている。

私がいたマッキンゼーでは、プロジェクトごとにマネジャーがいて実践部隊のチームを率い、そのプロジェクトについてはそのマネジャーが全責任を負うというやり方をしている。

一つのプロジェクトが終わるとチームは解散し、次のプロジェクトではまた新たなチームを編成するのだ。

新大陸で勝ち残る企業の多くは、プロジェクト・ベースの組織が主流になると思う

なぜなら、新しいものを生み出していくためには、マンネリ化しやすいピラミッド組織ではなく、変化に柔軟かつ素早く対応できるプロジェクト・ベースが適しているからだ。

『サラリーマン再起動マニュアル』 大前研一の名言 1 〈448〉              
             
                             
                                                      

タスクフォース(任務組織)というものがあります。
これは、大前氏が指摘している、「一つのプロジェクトが終わるとチームは解散し、次のプロジェクトではまた新たなチームを編成する」と同じ概念です。

クロスファンクショナルチーム(組織横断的なチーム)は、プロジェクト・べースの組織と同様なものである、と思います。

縦割りではなく、組織を横串してチーム編成し、柔軟で迅速に行動できることを使命としているからです。

さらに、目的が達成できれば解散するという点でも同じです。

日産自動車のカルロス・ゴーン社長は、硬直した縦割り組織を「クロスファンクショナルチーム」という組織横断的なチームを導入することで、迅速に判断・決断・断行できる会社に変え、瀕死の状態だった日産自動車を甦らせた、と言われています。

もちろん、クロスファンクショナルチームは、日産自動車を変革した要因の一つに過ぎません。

社員が全社一丸となって、共通の目標に向かって邁進したからこそ復活出来たのです。

ゴーンさん一人だけで出来たわけではありません。
ゴーンさんもその点はしっかり認識しています。



➳ 編集後記

『サラリーマン再起動マニュアル』 はタイトルから推測すると、マニュアル本のように感じられたかも知れませんが、いわゆるマニュアル本ではありません。

私たちが身につけるべき、本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている普遍性のある本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。

あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います

私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。



🔷 「新大陸で勝ち残る企業の多くは、プロジェクト・ベースの組織が主流になると思う」

最近では、タスク・フォース(任務組織)について言及されることはなくなりましたが、今でも効果的で、十分に機能していると考えています。

タスクフォースとプロジェクトチームとの違いについては下記をご覧ください、

機動部隊のごとく!タスクフォースとプロジェクトチームとの違い

このウェブサイトからポイントを抜粋します。

プロジェクトチームとの違い

「明確な二つの違いとして『プロジェクトがどれくらい長引くのか』ということを焦点とした場合、比較的短期間なものをタスクフォース長期に及ぶものをプロジェクトチームとする意見も多くあります」

「タスクフォースとプロジェクトチームの大きな相違点はスパンですが、このスパンの違いによってメンバーの選定基準や、業務能力の向き不向きなどが議論されることになります」


タスクフォースを運営していく上でのポイント

「目指す道を共有しておかなければ問題解決に時間がかかるため、最初に必ず目的とゴールを設定しておきます」

スピード感を持って真摯に対応していくことが求められます。また、状況によってはいままでのやり方とは違ったアプローチを見せるなどの柔軟性も必要です」

🔶 「前例がないからやる!」という覚悟が必要だということですね。

判断・決断・断行




🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。

大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。



🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。



大前研一オフィシャルウェブ

このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。

⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ




大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。






🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-10-13 19:55:18)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。



✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。













いいなと思ったら応援しよう!

藤巻 隆
サポートしていただけると嬉しいです。 サポートしていただいたお金は、投稿のための資料購入代金に充てさせていただきます。