【回想録 由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い 第62回】
🔷 「入院」の中の「最後のメール」(1)を掲載します。🔷
『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』
(ハードカバー 四六版 モノクロ264ページ)
2016年1月25日 発行
著者 藤巻 隆
発行所 ブイツーソリューション
✍『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』(第62回)✍
「入院」の中の「最後のメール」(1)を掲載します。
入院
最後のメール(1)
由美子が入院した翌日(七月二十二日)から、私は自宅のノートパソコンから由美子のスマホへメールを送信することにしました。面会に行く前にメールし、文字によるやり取りをしたのです。
万が一のことを考慮し、記録に残して起きたいと考えたのです。最悪の事態を迎え、記録に残しておいて良かった、と心底感じています。由美子の「肉声」に近いものが残せたからです。
すべての内容を、一切削除、加筆修正せず掲載します。そうすることで由美子の「肉声」に近いものをお伝えできると考えたからです。さらに、由美子と私の間に、心の交流があったことを示したいからです。私のノートパソコンからGメール(gmail)で送信していましたので、コピペ(コピー・アンド・ペースト)で掲載します。
但し、横書きから縦書きに変える際、表示の仕方を一部変更しています。
このメールのやり取りを読み返してみると、その時々の心情が甦ってきて、つらくなってきます。しかし、「最後のメール」には真実が語られています。嘘、偽りのない由美子の清澄な言葉を読み返してみると、涙が溢れ出します。
私にとって、由美子は最高の妻であり、最高の女性であり、最良の理解者でした。「唯一無二」の存在でした。それだけに永久の別れは考えたくありません。私も何年か後に、由美子のもとに行くことになるからです。「最後の瞬間に由美子に迎えに来てほしい」、と墓参りするたびに由美子に伝えています。迎えに来てもらえないと、永遠に由美子に逢えなくなると思うからです。
七月二十二日
藤巻隆(以下、隆)
気分はどうだい? 読むのが大変だろうから、手短に書くね。
・三井住友銀行(由美子の口座)から五万円引き出し
・三菱銀行UFJ銀行(私の口座)に二万円入金
・三菱銀行UFJ銀行(由美子の口座)の記帳
以上三件を戸塚駅周辺でしてくる。おうちCO-OPへは十時過ぎに連絡する。可奈は、出かける前に「パパ、ママのことを頼むね!」と言ってTDLへ出かけていったよ。可奈が、「おばあちゃんの指輪を持って行ってあげてね」と言ったので持って行くよ。可奈は優しい娘だなと、つくづく思った。できるだけ早く出かけたいけど、弁当の受け取りなどがあり、銀行回りをするのでそちらに着くのは十四時頃になってしまうかもしれない。ごめんね。文章が長くなってしまった。申し訳ない。
藤巻由美子(以下、由美子)
ありがとう!
あと来るときに、飴とお水を買ってきて欲しい。
飴は、袋いりではなくて、一〇〇円ぐりい(ママ)の紙ちはいっている(ママ)美味しそうなやつでいいよ。
あと、十時半ぐらいから入浴して、お昼ごろから水抜きが始まる予定。
2015/7/22 9:57
(PP.136-139)
➳ 編集後記
第62回は「入院」の中の「最後のメール」(1)を書きました。
メールのやり取りは、ノートパソコンとスマホで行ないました。私がメールしても返信してこない時がありましたが、あまり気にしませんでした。疲れているか、寝ていると思ったからです。
時々、文章がおかしい個所がありますが、それはメールの打ち間違いなのか、それともがんの影響でそうなったのかは最後まで判然としませんでした。
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