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【大人の流儀 伊集院 静 心に響く言葉】 Vol.69
大人の流儀
伊集院 静氏の『大人の流儀』から心に響く言葉をご紹介します。私は現在『大人の流儀』1~10巻を持っています。このうちの第1巻から心に響く言葉を毎回3件ずつご紹介していこうと考えています。全巻を同様に扱います。
時には、厳しい言葉で私たちを叱咤激励することがあります。反発する気持ちをぐっと堪え、なぜ伊集院氏はこのように言ったのだろうか、と考えてみてください。しばらく考えたあとで、腑に落ちることが多いと感じるはずです。
今回から『大人の流儀3 別れる力』を取り扱います。
ご存知のように、伊集院氏は小説家ですが、『大人の流儀』のような辛口エッセーも書いています。
「まえがき」から
伊集院 静の言葉 1 (204)
別れることは、切なく苦しいことだ。
時によっては非情にさえ思える。しかし私たちが生きていく上で、離別は避けてとおれるものではない。人と人の別れもそうだが、かつて私は北海道の牧場でサラブレッドの仔馬が母馬と別れた夜を牧舎で見たことがあった。仔馬は一晩、母馬を呼んでいなないていた。哀切に満ちた声が牧草地に響いた。辛いことだと思った。
「まえがき」から
伊集院 静の言葉 2 (205)
親しい人を失った時、もう歩き出せないほどの悲哀の中にいても、人はいつか再び歩き出すのである。歩き出した時に、目に見えない力が備わっているのが人間の生というものだ。その時は信じられないかもしれないが、確実にあなたにはその力が与えられている。そうしたその力こそが、生きる原動力であり、人間が持つ美しさでもある。
「まえがき」から
伊集院 静の言葉 3 (206)
春風の中を飛ぶ草木の種は、遠くへ飛ぶものほどたくましい草木に成長するという。それを知った時、私は、別れには、力と生きる尊厳があるのだと確信した。私もいくつかの別れを経験したが、その渦中にあった時はただ途方に暮れて悲嘆したが、歳月が過ぎてみると大きな力を得ていたことに気付いた。
⭐ 出典元
『大人の流儀 3 別れる力 』
2012年12月10日第1刷発行
講談社
表紙カバーに書かれている言葉です。
人は別れる。
そして本物の大人になる。
✒ 編集後記
『大人の流儀』は手元に1~10巻あります。今後も出版されることでしょう。出版されればまた入手します。
伊集院静氏は2020年1月にくも膜下出血で入院され大変心配されましたが、リハビリがうまくいき、その後退院し、執筆を再開しています。
伊集院氏は作家にして随筆家でもあるので、我々一般人とは異なり、物事を少し遠くから眺め、「物事の本質はここにあり」と見抜き、それに相応しい言葉を紡いでいます。
🔷「親しい人を失った時、もう歩き出せないほどの悲哀の中にいても、人はいつか再び歩き出すのである。歩き出した時に、目に見えない力が備わっているのが人間の生というものだ」
2015年8月8日に妻が他界した直後、私はあまりに大きなショックで激しい脱力感に襲われました。
しばらく時間が経った後、作家の中にも同様な経験をしている人がいるはずだと思い、初めに気付いたのは伊集院静氏でした。
女優でモデルの夏目雅子さんに先立たれたことを知っていたからです。
そのような経緯があり、『大人の流儀』シリーズに巡り合うことになりました。
伊集院氏の一言一言が琴線に触れ、涙したことは一度や二度ではありません。
さらに、勇気を頂いた言葉も数多くあります。
どうか他人事ではなく、自分事として読んでいただけると幸いです。
同様な境遇に至ることがあるかもしれないからです。
妻の死後、2017年3月に母が死去し、2018年1月には姉が他界しました。
父は1998年6月に鬼籍に入りました。
🔶 東日本大震災から11年:被災地と復興の現状
⭐ 出典元: 公営財団法人ニッポンドットコム 東日本大震災から11年:被災地と復興の現状 2022.03.09
🔶 伊集院静氏の言葉は、軽妙にして本質を見抜いたものです。随筆家としても小説家としても一流であることを示していると私は考えています。
<著者略歴 『大人の流儀』から>
1950年山口県防府市生まれ。72年立教大学文学部卒業。
91年『乳房』で第12回吉川英治文学新人賞、92年『受け月』で第107回直木賞、94年『機関車先生』で第7回柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で第36回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。
作詞家として『ギンギラギンにさりげなく』『愚か者』などを手がけている。
⭐ 原典のご紹介
⭐ 自費出版本
⭐ 私のマガジン (2022.11.12現在)
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