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大前研一 名言集 『サラリーマン再起動マニュアル』(21)
『サラリーマン再起動マニュアル』(21)
今回から『サラリーマン再起動マニュアル』から名言を取り上げます。
大前研一氏は、私にとってメンター(師匠)であり、グールー(思想的指導者)の存在でもあります。
大前氏の著作を読んでいつも感じるのは、物事の本質を捉える、ずば抜けた能力です。
凡人である私は大前氏の足元にも及びませんが、不断の努力を怠らず、一歩でも彼に近づきたい、と思っています。
『サラリーマン再起動マニュアル』
目次
[イントロダクション]志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない
第1章[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?
第2章[基礎編]「再起動」のための準備運動
第3章[実践編]「中年総合力」を身につける
第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件
第5章[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ
[エピローグ]新大陸の“メシの種”はここにある
私は企業からコンサルティングの依頼が入ると、まず自分でその企業に乗り込んでいく
私にあるのは問題解決の「プロジェクト・マネージメント力」だけである
私は企業からコンサルティングの依頼が入ると、まず自分でその企業に乗り込んでいく。
そして、問題解決にあたるプロジェクトチームを作るために、各セクションから最もフルタイムで引き抜き難い優秀な人材、将来の社長候補になりそうな若手のエースを1人ずつ選び、総勢7人のチームメンバーを集めてくれ、と要求する。
余人をもって代え難い“7人の侍”を招集するわけだ。
その理由は、コンサルティングがスタートした初日の段階では、私はその企業のことや業界のことを、ほとんど何も知らないからだ。
私にあるのは問題解決の「プロジェクト・マネージメント力」だけである。
だから“7人の侍”には会社のこと、業界のことを担当してもらうのである。
➳ 編集後記
『サラリーマン再起動マニュアル』 はタイトルから推測すると、マニュアル本のように感じられたかも知れませんが、いわゆるマニュアル本ではありません。
私たちが身につけるべき、本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている普遍性のある本です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。
私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の言葉は、いつでも私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 大前氏はきわめて行動力があります。
まず、自ら「現場」へ足を運び、「現物」「現実」を見るという三現主義で、五感をフルに使って、確かめることを厭いません。
私たちは、年を重ねるごとに、体力、精神力が衰えてきて、つい情報が上がってくるのを待つ姿勢になってしまう傾向があります。
特に、地位が上がるにしたがって、その傾向は顕著になっていきます。
コンサルタントはそれでは務まらないでしょう。
大前氏は私より、ちょうど一回り上ですが、とても精力的に仕事をしています。
大前氏とは仕事の内容が異なりますが、見習うべき点が多々あります。
また、そうしたことが、私が大前氏を勝手にグールー(思想的指導者)と仰いでいる理由です。
🔷 「私にあるのは問題解決の『プロジェクト・マネージメント力』だけである」
”プロジェクトマネジメント力”からスタートすることにしましょう!
あるウェブサイトではプロジェクトマネジメント力を下記のように定義しています。
プロジェクトマネジメント力とは、「成果に向かってQCD(品質・コスト・納期)をコントロールする力」です。
⭐ 出典元: 次世代のプロ人事に欠かせない「プロジェクトマネジメント力」とは 人事のノウハウ
次に、大前氏がプロジェクト・マネジメントを実践した例をご紹介します。
大前氏が語る、マッキンゼーに勤務時代にプロジェクト立ち上げ、成果を上げたケースです。上記定義よりずっとスケールの大きな内容であることが理解できるはずです。
このウェブサイトからポイントを抜粋します。
マッキンゼーも企業戦略はやっていたのだが、「戦略ならBCG、組織はマッキンゼー」という感じで、どうも世間的にはマッキンゼーは旧聞に属するという印象を持たれていた。
これを何とかしなければいけないということで、後に社長になるNY事務所のフレッド・クラッグと2人で「戦略のマッキンゼー」を打ち出すプロジェクトを立ち上げた。以来、マッキンゼーの「戦略」は我々が先頭に立って引っ張ったのだ。
たとえばM&Aの交渉に10カ月かかったとして、月額2500万円のフィーなら総額2億5000万円。M&Aに失敗しても、取りやめても結局、2億5000万円のコストがかかってしまう。
投資銀行などはリスクが高い案件でも成功報酬欲しさに「GO」を出す。しかし私はM&Aの価値がなかったり、見込みがない場合は、「社長、やめときましょう」と交渉途中でも平気でストップをかけた。だからこそ日本の企業は私を企業の長期アドバイザーとして使ってくれたのだ。
さりとて、ゴールしてもしなくても高額なフィーを払い続けるのは負担が大きい。そこでM&A案件については月額フィーを何分の一かにして、首尾よく成功した場合には一定の報酬が入る仕組みを考えたのである。
最後には「大前が日本でやる分には目をつぶる」ということになった。10億円を超える成功報酬が日本からポンと入金されるのだから、さしもの反対派も私の仕事に文句は言えなかった。
⭐ 出典元: PRESIDENT Online 私が変えたマッキンゼー(1)-戦略系コンサルへの変身 2012/12/03 13:00
もう1件ご紹介しましょう!
このウェブサイトからもポイントを抜粋します。
前項の「戦略化」と並んでもうひとつ、私はマッキンゼーの変革に大いに力を注いだ。「世界化」である。
今でこそマッキンゼーは世界44か国に80以上の拠点を持っているが、私が入った当時はアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、スイス、ドイツ、それから日本とオーストラリアぐらいにしか事務所はなかった。
私はイタリア、スペイン、ポルトガル、メキシコ、ブラジルなどの事務所の開所に立ち会ったし、アジアでは東京、大阪、韓国、台湾、香港の事務所を立ち上げた。私が在籍している間には事務所にはならなかったが、マハティール元首相のアドバイザーをしていた関係でマレーシアにも拠点を置いた。
しかし、私にとってはそんな仕事は二の次で、「世界化」の真の目的は別にあった。要はアメリカ本社中心、アメリカ人優先、WASP(White、Anglo-Saxon、 Protestant)支配、東海岸のハーバードエリートというイメージのマッキンゼーを実力主義の会社に変えることである。
⭐ 出典元: PRESIDENT Online 私が変えたマッキンゼー(2)-「世界化」への着手 2012/12/10 13:00
🔶 いかがでしたでしょうか?
大前氏が口だけの人物ではないことがご理解いただけたのではないでしょうか。
下記のウェブサイトも引き続きお読みいただければ、マッキンゼーで大活躍した日本人・大前研一氏の素晴らしさがおわかりになるでしょう。
🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。
大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。
🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。
大前研一オフィシャルウェブ
このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。
⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-12-28 21:01:03)。
「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。
⭐ 私のマガジン (2022.08.07現在)
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