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日経ビジネスのインタビュー バックナンバー Vol.062
日経ビジネスのインタビュー バックナンバーVol.062
ここに掲載している内容は、管理人・藤巻隆が携帯サイトで運営していた当時のコンテンツです。
2007年1月8日号からスタートしています。1カ月分毎にまとめてあります。
途中、数件記事が抜けている個所があります。データを消失してしまったため再現できません。
✪ 2012.02.06 (No.1)<256>
R&Dで世界を健康にする
伊藤 雅俊(いとう・まさとし)氏
[味の素社長]
今、味の素は会社全体で1兆2000億円の売上があります。うち日本の売り上げが8000億円、海外が4000億円です。規模としてはまずまずですが、ゆくゆくはグローバルで活躍する食品メーカーのトップ10に入ることが目標です。
我が社はもともと、甘み、酸味、苦味といった人間が感じる5つの「基本味」に含まれる、うま味で勝負してきているのです。創業以来、基本味をコントロールすることを手がけてきています。味覚に関する特許の数は180を超えます。
日本の味の素には研究者が1085人いて、その割合は全社員の約30%を占めます。しかも、そのうち約10%がドクターです。このような研究組織を持つ会社は、世界でも類を見ません。
我々の独自性を出すことが喫緊の課題になっています。解決策の1つは、量から付加価値への転換です。
リーマンショック以降は、購買の態度が非常に理性的になってきていると感じます。量から質へとの流れが顕著です。
✪ 2012.02.13 (No.2)<257>
不況だからこそ頑張らない
加藤 修一(かとう・しゅういち)氏
[ケーズホールディングス会長兼CEO]
結局、1つの商品の売れ行きがいいと言ったって、全体の売り上げからすれば、数%を占めるに過ぎません。薄型テレビにしても買い換えが進むまで十数%程度の割合でした。これが特需で25~30%を占めるまで売れた。これは異常事態だったんです。
そもそも家電量販店の取引相手は個人のお客さんですから、無理やり特定の商品を売り込もうとしたってできませんよ。無理にそういうことをしようと頑張るから、おかしくなるのです。
頑張って数字を作ろうとすると、必ず綻びが生じます。無理して結果を出しても、翌年はもっといい数字を作らなければならなくなる。こうして蓄積されていった無理が、些細なきっかけで一気に噴き出してしまうんです。
私は、「頑張らない経営」を続けて成長してきました。無理をしない、結果を優先しない経営です。人間の体に例えるとよく分かります。長生きするためには腹八分目の食事をして、適度な運動をして、気楽に過ごすことが重要でしょう。一方で、無理を続けると病気になったり、最悪の場合死に至ったりすることもある。経営も同じです。病気は会社がおかしくなること、そして死は倒産です。こういった事態を避けるためには、結果を優先させるのではなく、会社が健康に、つまり強くなる施策に重点を置くべきでしょう。
品揃えや価格は頑張ればどうにかなるかもしれません。ただ、社員のレベルは違います。例えば、以前購入した商品の調子が悪いと相談に来たお客さんに対して、売り上げばかりを求められた社員が真摯に対応できるでしょうか。お客さんはたらい回しにされたり、置き去りにされたりするわけですね。しかし当社であれば、基本的に1日かかっても社員が対応します。以後、そのお客さんはずっと当社で買い物しようと考えてくれるかもしれません。「そのメリットは計り知れないよ」と僕は社員に話しているんです。
✪ 2012.02.20 (No.3)<258>
海外展開は「まだまだ遅い」
三木谷 浩史(みきたに・ひろし)氏
[楽天会長兼社長]
ハードウェアを輸出するだけなら簡単なんです。ただ、そうではない楽天みたいなIT(情報技術)とサービスのモデルで 日本人でも、日本の企業でも成功できるということを証明したい。自分の中には強烈なモチベーションとして持っていますね。
例えばカナダのコボの買収と英プレイ・ホールディングスの買収では全く意味が違います。何らかの資産を買うという意味では同じですが、英プレイの場合は現在のブランドネームと、トラフィック(ウェブサイトへの流入)を買った。一から立ち上げるよりも早いからです。
一方、コボの場合は保有している商品もすごくいい。ただ、それ以上にマネジメントチームがいい。
楽天の特徴は各店舗に特色があって、様々な店舗で買うことを楽しむという体験そのもの。アマゾンとは圧倒的に差別化できている。だからこそアマゾンのように商品数を絞るのではなく、どんな商品でも早く持ってきてくれる環境を構築しなければならない。
僕たちは国際化しているとともに、日本のいいところを海外に広めるんだと。英語公用語化もするけど、子会社のジャパナイゼーション(日本化)もするんだと、ということだと思うんですよ。経団連は考え方が古い。最新テクノロジーのこの先に何があるのかとか、産業は今後こうなるべきだとか、本当に議論すべきことはそういうことじゃないでしょうか。
✪ 2012.02.27 (No.4)<259>
新製品は半分でいい
末川 久幸(すえかわ・ひさゆき)氏
[資生堂社長]
今、力を入れているのはビューティー支援活動です。マッサージをして差し上げるとか、それからお化粧のご指導をして差し上げるということを全国のBC(ビューティーコンサルタント)が行っています。
セルフ化粧品と高価格帯の2極化というよりも、むしろ買いたいのは自分で納得したもの、多分それは価格帯ではないんだと思うんですね。欲しいのが安心、安全となってくると、多少、高くても信頼を買えるならお金を払う。そういう傾向にあるのかなと。
私たちは140年やってきたノウハウの中で、日本固有の「おもてなしの心」や、相手の気持ちに立って考える。それはものすごく大事だと思っているんですね。
僕は年とか、基本的には関係ないと思っているんですね。社長の肩書ってなんだろうと考えるんですけど、社長もやっぱり係ですよ。まずは自分で信じたことを自分の責任でやる。ただその前に相談やコミュニケーションで風通しをよくする。経験がない分、最初に思いを伝えておかないと、逆に間違えてしまうことがありますので、なるべく意見を聞きながら判断をしています。
社長になると、いい情報しか上がってこないと言われるじゃないですか。それは絶対にダメだと思っているので、できるだけ多くの人と会う機会を増やしています。
🔷 編集後記
この元記事をアメブロに投稿したのは、9年前のことです(2014-01-29 22:11:32)。
読み直してみますと、「こんなことも書いていたのだな」「この個所に関心があったのだな」ということが思い出され、当時の自分の心境に思いを馳せています。
それだけ歳をとったのだと実感しています。
編集長インタビューの記事を読み返してみると、当時の経営者の心意気・信念・余裕・揺るぎない自信といったものが伝わってきます。
月日が経ち、自分だけでなく身の回りにも、環境にも変化があります。
しかし、経営に限らず、物事の本質は変わらないものです。
今回のインタビューの中から興味深い言葉を拾い出してみます。
加藤 修一(かとう・しゅういち)氏
[ケーズホールディングス会長兼CEO]
の言葉から。
頑張って数字を作ろうとすると、必ず綻びが生じます。無理して結果を出しても、翌年はもっといい数字を作らなければならなくなる。こうして蓄積されていった無理が、些細なきっかけで一気に噴き出してしまうんです。
🔴「頑張って数字を作ろうとすると、必ず綻びが生じます」
期末が近づくと、決まって取引先にお願いし、大量に納品させてもらうという営業部員がいました。上司も黙認していました。
大量に納品した金額は形式上売上が立つことになります。期末の数字の帳尻合わせができます。
しかし、翌期に入り返品が大量に出ます。何のことはない。「数字を作っただけ」です。このようなことを毎回繰り返していました。
今期末大量納品 →翌期初めに大量返品 この繰り返しです。
まったくもってナンセンスです。余計はコストがかかるだけではありません。「実売」ではありません。誤魔化し以外何物でもありません。
私は、サラリーマン時代、主に経理に携わりましたが、営業経験も6~7年あります。決してやり手の営業マンではありませんでした。ですから、実績は眼を見張るようなことはありませんでした。
ですが、できるだけお客様本位に考え、本当に良い商品をおすすめしてきたと自負しています。サラリーマンですから、自社本位の考え方に従えば、私個人としてはおすすめできない商品でも売り込むことになりますね。
そうしますと、お客様は自分で判断して購入したという意識よりも、営業マンに押し売りされたという気持ちが強く残ります。こうした場合には次回また購入してもらおうとしても難しくなります。
1回の投稿ごとに1カ月分にまとめたインタビューの概要を掲載します。
2007年1月8日号からスタートし、2013年7月までの6年7カ月分のバックナンバーだけで79件あります。
途中、数件記事が抜けている個所があります。
データを消失してしまったため現時点では再現できませんが、日経ビジネス電子版では「2011年10月から最新号まで」のバックナンバーが閲覧できるようですので、抜けている個所に該当する部分が見つかれば、追記します。
⭐ 『日経ビジネス』の電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で2022年9月12日号 No.2157 から定期購読をスタートしました。
⭐「日経ビジネス 電子版使い方ガイド」(全24ページ)を見ると
「雑誌『日経ビジネス』のバックナンバーの閲覧について」で、
閲覧できるのは2011年10月から最新号と書かれています。
そのため、2008年8月18日、25日分の記事は確認できません。
しかも紙の雑誌は、はるか昔に処分しています。
『日経ビジネス』の記事を再投稿することにした経緯
再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。
自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。
当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。
記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。
さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです。
「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
(プロフィールから)
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