見出し画像

日経ビジネスのインタビュー バックナンバー Vol.066




日経ビジネスのインタビュー バックナンバーVol.066



ここに掲載している内容は、管理人・藤巻隆が携帯サイトで運営していた当時のコンテンツです。

2007年1月8日号からスタートしています。1カ月分毎にまとめてあります。

途中、数件記事が抜けている個所があります。データを消失してしまったため再現できません。



✪ 2012.06.04 (No.1)<273>
クルマは汎用品にならない
カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)氏
[日産自動車社長兼CEO(最高経営責任者)、仏ルノー会長兼CEO]

一口に日系メーカーといっても多様です。

強いて共通項を言えば、第1にやはり非常に規律正しい組織があるという点です。

特に競争の激しい環境の中では、規律正しさときちんとした組織体制が競争優位につながります。

第2に言えることは、自動車業界というのはコンセプトを考えることも重要ですが、プロセス(工程)を作る業界なんです。

第3は、日本メーカーがグローバル化のアバンギャルド、すなわち先駆者だったということです。

依然として日本メーカーは、ダイバーシティ(多様性)の点で苦労しています。強みと弱みは表裏一体です。

ですので、日本の強みであるプロセス作りに目を向けすぎると、戦略を練るのに十分に時間をかけなくなるというリスクがあります。

クリエイティビティー(創造性)、つまり新しい概念や技術のブレークスルーなどに注意を払わなくなるきらいがあると思います。


✪ 2012.06.11 (No.2)<274>
人口減でも縮まない
上西 京一郎(うえにし・きょういちろう)氏
[オリエンタルランド社長兼COO(最高執行責任者)]

当社の基本的な考え方として、10年ぐらい先にディズニーリゾートがどんな姿になっているか、というイメージを作ります。

そのうえで、ある程度現実的に、5年ぐらい先にこのアトラクションを入れていこうとか、エンターテインメントを変更するのはその前の年にしようといったことを考えます。

キャスト(従業員)の皆さんがゲストの方々に高いホスピタリティーの心を持って対応する。これを続けることだと思います。

その意味でも、先日事故を起こしてしまったことは大変申し訳なく思っています。しっかりと原因を究明し、再発防止に努めていきます。

何年ごとといった基準はないんですが、(値上げに対する)考え方はあります。

パークのバリューが値上げをしてもいいと思われるレベルに1つ、2つ上がった時には、アトラクションなどに投資をしているので値上げもするということですね。

昨年、初めて(客単価が)1万円を超えまして、2012年3月期で1万336円です。

チケットの値上げも一部ありますけど、グッズとお土産が大きいです。お土産を買うのは日本特有の現象ですね。

今、非常に好評なのがディズニーシーの「ダッフィー」というクマのキャラクターです。ただのキャラクターとしてではなく、なぜダッフィーがここのいるのかというストーリーもしっかり作って、少しずつゲストの方々に浸透させてきました。


✪ 2012.06.18 (No.3)<275>
今こそ消費税を上げる
安住 淳(あずみ・じゅん)氏
[財務相]

いくら政治の世界で「成長戦略をやる」と張り切っても、いい知恵が学者から出てきても、肉づけをする予算が全くない。

税収はバブル時でさえ、最高で約60兆円でした。

今は国際競争の観点から、所得税も法人税も引き下げていますから、税収の上がる可能性が非常に限られています。景気が良くなれば税収がどんどん上がるという考え方は幻想ですよ。

徹底的に緊縮財政をすれば、かえって増税なんかできなくなる可能性があると思いますよ。

消費税を10%に引き上げるまでに共通番号制などの必要な制度の精度を上げていきたい。

被災地の問題があるからといって、日本全国の社会保障と税の一体改革が必要ない、という話にはなりません。感情的には理解できますが。


✪ 2012.06.25 (No.4)<276>
もう知財は抱え込まない
内藤 晴夫(ないとう・はるお)氏
[エーザイ社長兼CEO(最高経営責任者)]

(熱帯病治療薬の)価格はゼロ。究極の適正価格という位置づけです。これを米ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団、世界保健機構(WHO)などと協力して患者の元に届けます。

患者さんが、できれば経済的貢献をできるようになるぐらい回復してもらいたい。それが新興国における中間所得層の誕生の一要素になり、今後は我々の革新的な製品を購入してくれればと考えています。

エーザイの定款には、エーザイの目的は患者価値を増大することと書いてあります。それができれば、利益がもたらされる。目的と結果としての利益の順番は決して逆ではない。利益が出ないならば、患者満足が十分得られていないのです。

米国、日本は、新薬の確立です。大規模な製造は中国とかインドということになります。日本の工場の役割は、すごく変わっていくでしょう。開発工場といったところでしょうか。



🔷 編集後記


この元記事をアメブロに投稿したのは、9年前のことです(2014-02-02 01:10:34)。そして、オリジナル記事は11年前のものです。
読み直してみますと、「こんなことも書いていたのだな」「この個所に関心があったのだな」ということが思い出され、当時の自分の心境に思いを馳せています。

それだけ歳をとったのだと実感しています。

編集長インタビューの記事を読み返してみると、当時の経営者の心意気・信念・余裕・揺るぎない自信といったものが伝わってきます。
月日が経ち、自分だけでなく身の回りにも、環境にも変化があります。

しかし、経営に限らず、物事の本質は変わらないものです。

今回のインタビューの中から興味深い言葉を拾い出してみます。

カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)氏
[日産自動車社長兼CEO(最高経営責任者)、仏ルノー会長兼CEO]


の言葉から。

一口に日系メーカーといっても多様です。強いて共通項を言えば、第1にやはり非常に規律正しい組織があるという点です。特に競争の激しい環境の中では、規律正しさときちんとした組織体制が競争優位につながります。

🔴「特に競争の激しい環境の中では、規律正しさときちんとした組織体制が競争優位につながります」

ご存じのとおり、カルロス・ゴーン氏と言えば、瀕死の日産自動車を蘇らせた経営者でした。

しかし、経営立て直しを完了し、何年か後、ゴーン氏が不正を働いていたことが発覚し、逮捕されたことは記憶に新しいことです。その後、特別背任で起訴されました。

しかも、日本人の誰もが驚いたことは、釈放中にレバノンに逃亡するという前代未聞の出来事を起こしました。ゴーン氏はいまだにレバノンに滞在し、日本側の帰国要請に応じていません。

日本とレバノンは犯罪人引渡条約は締結していないため、現状ではどうにもなりません。ゴーン氏がレバノンから他国に居を移し、その国が日本と犯罪人引渡条約を締結していれば、強制送還が可能ですが、ゴーン氏がわざわざそんな危険を冒してまで転居するはずがありません。

ゴーン氏は、日産自動車だけでなく、ルノーでも不正を行っていたことが発覚し、フランス検察からも追われていますが、応じる気配は見せません。

最近になって、ゴーン氏は日産自動車を相手取って訴訟を起こしました。一般人の私には理解できません。逃亡している被告が逆に訴訟を起こすという論理はどこから生まれてくるのでしょうか?

自分が正しいと信じるならば、裁判で決着をつけるべきでしょう。もっとも日本の裁判は被告に不利になると考えているゴーン氏にとっては容認できることではないでしょう。

「現行の不一致」はしばしば起きますが、経営トップによる公私をわきまえない行為は許せないという感情論よりも、不正を行った者は相当な処罰を受けなければならないと論理的に考えるのが妥当です。

やはり、「権力必腐」(権力を持つと必ず腐敗する、作家・高杉良氏のノンフィクションのタイトル)となってしまうのでしょうか?

あなたはゴーン氏の行為をどのように考えますか?

カルロス・ゴーン事件

カルロス・ゴーン事件(カルロス ゴーンじけん)は、2018年から発覚した元・日産自動車会長カルロス・ゴーンを巡る一連の事件の通称である。
東京地検特捜部は、元会長のゴーン、元代表取締役のグレッグ・ケリー、法人としての日産自動車を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で起訴した。また、ゴーンを特別背任でも起訴した。その後ゴーンは保釈中に密出国し、逃亡。以降はレバノンで暮らしている。公判を開くことができず、ゴーンについては裁判が止まっている。

カルロス・ゴーン事件 Wikipedia 




1回の投稿ごとに1カ月分にまとめたインタビューの概要を掲載します。
2007年1月8日号からスタートし、2013年7月までの6年7カ月分のバックナンバーだけで79件あります。
途中、数件記事が抜けている個所があります。
データを消失してしまったため現時点では再現できませんが、日経ビジネス電子版では「2011年10月から最新号まで」のバックナンバーが閲覧できるようですので、抜けている個所に該当する部分が見つかれば、追記します。
⭐ 『日経ビジネス』の電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で2022年9月12日号 No.2157 から定期購読をスタートしました。


「日経ビジネス 電子版使い方ガイド」(全24ページ)を見ると
「雑誌『日経ビジネス』のバックナンバーの閲覧について」で、
閲覧できるのは2011年10月から最新号と書かれています。
そのため、2008年8月18日、25日分の記事は確認できません。
しかも紙の雑誌は、はるか昔に処分しています。


『日経ビジネス』の記事を再投稿することにした経緯

再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。

自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。
当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。
記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。
さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです
「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
プロフィールから)


クリエイターのページ


日経ビジネスのインタビュー(バックナンバー)


日経ビジネスの特集記事(バックナンバー)


日経ビジネスの特集記事


いいなと思ったら応援しよう!

藤巻 隆
サポートしていただけると嬉しいです。 サポートしていただいたお金は、投稿のための資料購入代金に充てさせていただきます。