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イケアの執念 超サステナブル経営の内側 2022.12.19 1/3
【『日経ビジネス』の特集記事 】 No.46
✅はじめに
⭐『日経ビジネス』の特集記事から、私が特に関心を持った個所や重要と考えた個所を抜粋しました。
⭐ Ameba(アメブロ)に投稿していた記事は再編集し、加筆修正し、新たな情報を加味し、再投稿した記事は他の「バックナンバー」というマガジンにまとめています。
⭐原則として特集記事を3回に分けて投稿します。
「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」です。
(プロフィールから)
日経ビジネス電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で、2022年9月12日号から定期購読を開始しました。
⭐前回投稿予定を急遽変更しました。
ChatGPT 破壊と創造 2023.03.20
を投稿しました。
ChatGPTに関するニュースが毎日のように配信されていますね。
このようなタイミングで、3月17日(金曜日)に年間購読している日経ビジネスが配達されました。
今週の日経ビジネスの表紙を見た瞬間、ChatGPT に関する記事が特集されていることを知りました。すぐに一度目を通しました。その後、じっくり読みました。
その結果、これはすぐに投稿しなくてはならないと感じ、急遽予定を変更して投稿することにしました。
ChatGPTに関連した錯綜する情報を一度整理し、自分の知識をアップデートする必要性を強く感じました。
日経ビジネスの特集記事 46
イケアの執念 超サステナブル経営の内側 2022.12.19 1/3
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
イケアについては、私よりあなたのほうが詳しいかもしれません。
ですが、ひとまずイケアの概要についてお話します。
まず、イケアという社名の由来から。
手元に『イケアはなぜ「理念」で業績を伸ばせるのか』(立野井 一恵 PHPビジネス選書 2014年4月1日 第1版第1刷発行)があります。
この本の中に、説明がありました。
1943年、17歳の時、学校で好成績を収めた彼(イングヴァル・カンプラード 注:藤巻隆)は、父親からごほうびにもらったお金を資金として会社を設立。
自分のイニシャルである「I」と「K」、彼の育った場所であるエルムタリッド農場の「E」、アグナリッド村の頭文字「A」を組み合わせ、会社名を「IKEA(イケア)」と決める。それが、現在に続くイケアの原点だ。
詳細に覚える必要はありません。創業者の名前の頭文字と彼の生まれ育った場所の名称を組み合わせて決めた、と理解すれば良いと思います。
尚、今後もこの本を参照することがあります。
✅イケアはなぜ非上場会社なのか?
イケアが非上場会社である理由について『イケアはなぜ「理念」で業績を伸ばせるのか』に次のように書かれています。
イケアは株式を上場していない。株主の意向に左右されず、独立性を保つためだ。店舗用地を取得するのも、予期せぬ事態で撤退を迫られたり、金融機関による干渉を防ぎたいからだという。カンプラードは成長のペースを他にコントロールされることなく、長期的な視点で展開する方法を貫いた。
私は他の理由として、上場することで株式を買い占められ、買収されることを恐れたためであるとも考えました。
✅創業から一貫して「サステナビリティー経営」を継続している
カンプラードは、イケアの独自性を守ることに早くから知恵を絞り、今なお最高顧問として君臨する。
彼には息子が3人いて、全員がイケア関連の役職に就いているが、跡を継がせようという意向は薄いらしい。そもそも親族であっても、特定の個人が簡単にイケアを牛耳れる仕組みになっていない。カンプラードはイケア存続のために用意周到に準備し、独立性が担保される独自の組織をつくりあげた。
そして、サスティナブルに存続する企業であるための戦略として選んだのが、「ヴィジョンを掲げ、価値観を徹底させる理念経営」だったのである。
その第一歩が「家具商人の言葉」を著すことだった。
まず、イケアのスケールの大きさを表現する話から始めます。
家具販売の世界最大手、スウェーデンのイケア。コロナ禍やインフレという逆風を跳ね返し、売上高は6兆円を超える。
世界で売上高6兆円を超える巨大企業です。
PART 1 2億5000万個売る「ミートボール代替品」 脱炭素へ、インフレ突破 攻めのサステナビリティー
「プラントボール」を見聞きしたことはありますか?
それはイケアの売れ筋商品です。しかも家具販売が主流の中にあって、イケアの店舗内に併設されているレストランで販売されている商品です。
手ごろな価格とデザイン性、機能性を備えた製品で成長してきた同社に、新たな看板商品が生まれようとしている。その名も「プラントボール」。動物肉を使わないミートボールの代替品で、中身はエンドウ豆由来タンパク質やオーツ麦、ジャガイモ、リンゴなどだ。イケアは店内に併設するレストランや持ち帰り商品としてミートボールを年間10億個以上販売している。これが急速にプラントボールに切り替わっているのだ。
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イケアの執念 超サステナブル経営の内側 2022.12.19 p.010
大ヒット商品と言っても過言ではないですね!
22年8月までの1年間で、世界のミートボール販売のうち、プラントボールと野菜で作る「ベジボール」の合計販売比率が20%となり、前年から大きく伸びた。世界で年間およそ2億5000万個という膨大なミートボール代替品を販売している。
イケアが同業他社と差別化できているのは、店舗内にレストランを併設していることです。
イケアは店舗にレストランがあるため、世界でも有数のレストランチェーンでもある。その同社が植物由来食品を急拡大させているインパクトは大きい。
✅プラントボールがヒットしている2つの要因
⭐1つは価格のやすさ
なぜイケアのミートボール代替品がヒットしているのか。その要因は主に2つある。1つは価格の安さだ。
22年11月時点では日本などではプラントボールの方がミートボールより安く、英国とフランスなどでは同等の価格としている。
日本でプラントボールとミートボールの価格を比較すると、500gの袋詰めでは前者が699円で後者より200円安く、レストランでは同じ8個入りのメニューで前者が後者より200円安い。
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2021年夏まで日本法人社長を務めた
イケアの執念 超サステナブル経営の内側 2022.12.19 p.011
顧客は安ければ試してみるだろうという考え
ライス氏は「一度も食べたことがない人は、従来商品よりプラントボールが高ければ試そうとはしないだろう」と指摘する。実際、プラントベースのアイスクリームやベジドッグの価格は従来品と同等か、安い。インフレ下でも植物由来食品の価格を下げる可能性があるという。
低価格の鍵は大量生産
低価格を実現する鍵は、大量生産にある。イケアは小規模なテストを繰り返し、消費者からの手応えをつかめた段階で大量生産に乗り出す。サプライヤーと長期契約し一定の生産量を約束することで設備の稼働率を高め、「一緒に低価格を実現している」とライス氏は話す。これまで家具で培ってきた手法を、代替肉でも応用した。
⭐2つ目は味へのこだわり
2つ目は味へのこだわりだ。プラントボールで特に難しかったのが食感の再現だ。実際に食べてみると、香りはやや異なるが肉のような味わいで、食感はミートボールに似ている。ライス氏は、「じゃがいもやリンゴンベリー、グレイビーソースなどと組み合わせたときにもおいしくなるように作った」と話す。
✅イケアが代替肉にこだわる理由
サステナビリティー(持続可能性)がキーワード
家具が本業であるはずのイケアが、これほどまで代替肉にこだわるのはなぜなのか。その最大の理由は、サステナビリティー(持続可能性)の徹底的な追求にある。
温暖化ガス排出量ゼロを超える目標
イケアは30年までの目標として、温暖化ガスの吸収量が排出量を上回る「クライメートポジティブ」の達成を掲げている。排出量実質ゼロの「カーボンニュートラル」の一歩先で、同様の目標を公表している企業は世界でも英ユニリーバや米マイクロソフトなど一握り。日本でも一部企業が同様の宣言をしているが、50年をターゲットとするケースが多い。
ミートボール代替品とクライメートポジティブはどう繋がるのか
実はクライメートポジティブの目標を設定する前は、イケアの象徴であるミートボールは不可侵だという意見が多かった。だが、当時の経営幹部が「ミートボール代替品がなければ、クライメートポジティブの目標は承認しない」と発言し、開発が加速した。
これらのエピソードから分かることは、イケアは伝統があり、好業績企業でありながら、その状況に胡座をかかず、チャレンジングな企業であることが推測できます。
プラントボールとミートボールとで、二酸化炭素(CO2)の排出量を比較するとどう違うのか
プラントボールはミートボールに比べ二酸化炭素(CO2)の排出量が96%少ないため、消費者が代替肉を選ぶだけでおのずとCO2排出量を下げられる。
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植物由来食品をアピールするため、イケア仙台では
モニュメント(右)を作った
イケアの執念 超サステナブル経営の内側 2022.12.19 p.012
✅家具は同一の商品を世界中で販売しているが、食品はどうなのだろうか
イケアには、スウェーデンで商品を開発し、世界中の店舗に展開するという基本方針がある。その一方で、フード事業はある程度、各地域の裁量に委ねられており、それぞれの地域や店舗が工夫を凝らす余地が大きい。
日本は欧米に比べてベジタリアンやビーガン(完全菜食主義者)が少ない。しかし、創意工夫で植物由来食品を浸透させ、ミートボールに対してプラントボールを注文する人の割合が3割強と世界をけん引する。
✅イケア内のレストランでプラントボールなどの食品を販売しているが、社員食堂でも同様な取り扱いをしているのだろうか
毎月15日を「サステナブルデー」と定め、その日は社員食堂で提供する料理はすべて植物由来食品にしている。
イケアは非上場会社であることを先にお話しました。
情報公開をせずに、秘密裏にしているのかと言えば、決してそうではありません。
✅イケアの情報開示に対するスタンス
イケアの運営企業であるインカグループは非上場であり、環境や人権などの取り組みについて機関投資家からの直接的な圧力は小さい。しかし、毎年発行するサステナビリティーリポートやデータ集における情報開示の詳細さは、上場企業顔負けだ。進んでいるテーマをアピールするだけでなく、どの分野が不十分であるかも一覧できる。
こうした取り組みは世界的に高く評価されている。
今やイケアの事業戦略の全てがサステナブルか否かを起点に考えられている。その製品や事業が浸透しなければ、対外的な言い訳か自己満足に終わりかねない。
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世界サステナブル経営ランキング(2022年)
イケアの執念 超サステナブル経営の内側 2022.12.19 p.013
いかがでしたでしょうか?
イケアに対するイメージが少し変わったのではないでしょうか。
私はこの特集記事を読んで、イケアに対するイメージが大きく変わりました。
ネットショッピングでイケアの商品を購入しています。
RASKOGという家具です。
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![](https://assets.st-note.com/img/1680512986981-Z22ZGkM7eY.jpg?width=1200)
イケアの家具は自分で組み立てることが基本になっています。
ドライバー1本あれば簡単に組み立てられます。
RASKOGは構造がシンプルで、しかも丈夫です。
自宅の1階と2階で計4台使っています。
本体はステンレス製で、キャスターは耐久性があり、軸もしっかりしていて、かなりの重量があってもへたりません。
満足しています。
次回は
PART 2 前例がない、だからやる 環境配慮=高コストはNO 自己否定いとわぬ突破力
他をお伝えします。
🔷編集後記
サステナビリティーとかサステナブルという言葉が、ここ数年でよく耳目に触れることが多くなってきました。
イケアは創業期からサステナブル経営を実践してきました。
昨日今日のことではありません。伝統があるだけでなく、実際に成果を挙げています。
言うだけなら出来ますが、実践し成果を挙げることは容易なことではありません。トップから末端の従業員に至るまで「サステナブル」の本質的な意味が浸透していなければ、毎日の業務に生かすことはできません。
「今やイケアの事業戦略の全てがサステナブルか否かを起点に考えられている」
こうした精神が商品に反映され、世界から高い評価を受けているのは納得できます。
日経ビジネスはビジネス週刊誌です。日経ビジネスを発行しているのは日経BP社です。日本経済新聞社の子会社です。
日経ビジネスは、日経BP社の記者が独自の取材を敢行し、記事にしています。親会社の日本経済新聞ではしがらみがあり、そこまで書けない事実でも取り上げることがしばしばいあります。
私論ですが、日経ビジネスは日本経済新聞をライバル視しているのではないかとさえ思っています。
もちろん、雑誌と新聞とでは、同一のテーマでも取り扱い方が異なるという点はあるかもしれません。
新聞と比べ、雑誌では一つのテーマを深掘りし、ページを割くことが出来るという点で優位性があると考えています。
⭐ 回想録
⭐ マガジン (2023.04.03現在)
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