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大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(31)

『即戦力の磨き方』(31)

大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。

私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。

年齢は関係ないと思っています。

やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。

これはなかなか定めるのが難しい。

自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。

メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。

以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です
 

「値札」というのは、労働市場におけるその人の値段のことだ

「値札」というのは、労働市場におけるその人の値段のことだ

いま、年収一千万円もらっているといっても、たまたま上司に気に入られて出世が早かっただけかもしれない。

そうしたら、この人の「値札」に書かれた本当の金額は、一千万円よりもかなり低いはずである。

また、ハーバード大学でMBAをとっても、そんな「名札」に価値はないが、マッキンゼーで五年間やって結果を出せば、それは確実に「値札」として評価される。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 1 〈427〉                           






                             

「名札」というのは、おまえはいったい何ができるんだということだ

「名札」というのは、おまえはいったい何ができるんだということだ

ただし、「トヨタ自動車でクルマの設計をやっていた」なんていうのは「名札」ではない。

また、「自分が関わった○○○がヒットした」というのもダメ。

それは組織の実績だ。

そうではなく、「自分はこのクルマの足回りを担当して、ここを改良することでこれだけ性能アップに貢献しました」というように、個人で生み出した実績をいえて初めて、「名札」としてアピールできるのである。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 2 〈428〉                             


「値札」と「名札」は、自分が目的をもって価値を高めたり、獲得のための努力をしないかぎり、漫然と会社から与えられた仕事をこなしているだけでは、絶対に手に入らない

この「値札」と「名札」は、自分が目的をもって価値を高めたり、獲得のための努力をしないかぎり、漫然と会社から与えられた仕事をこなしているだけでは、絶対に手に入らない

あるいは、会社のなかに埋もれてしまっている人ほど、自分の「値札」と「名札」がはっきりしないことになる。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 3 〈429〉                           




➳ 編集後記

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。



🔷 大前氏が指摘している「値札」と「名札」は、「市場価値」と「個人の突出した能力」と言い換えられます。

「値札」は表面に表れたものであり、「名札」は内部にあるもの、とも言い換えられます。

この2つを併せて「自分ブランド力=パーソナル・ブランディング」と、考えています。

価値を創出するだけでなく、価値を提供できて初めて、プロフェッショナルと言える、と思います。

そのような人物はなかなかいないので、ますます価値が上がるという好循環を生みます。

以前、お話したことがありますが、ある人がコンサートチケットを街中で販売することになりました。

大きな声で、チケット販売を訴えていましたが、全く売れませんでした。

誰一人として、関心を持たなかったのです。

そこで、一計を案じました。
社名を出そう。彼は誰もが知っている大手家電メーカーの社員でした。

「私は、○○の社員ですが、今、コンサートチケットを販売しています。どうか、よろしくお願いします!」
(もちろん、このように言ったかどうかは定かではありません)

すると、一人またひとりとチケットを買い求める人たちが出てきて、遂に完売したのです。

見ず知らずの個人からは買いたくないが、有名企業の社員なら信用できそうだから買った、ということです。

彼のバックに存在するもの(大手家電メーカー)を信頼したのです。その人自身ではありません。

もし、彼の顔も名前も一般的に知られていたら、全く違う結果になっていたことでしょう。

彼は自覚しました。個人名(無名)ではモノが売れないが、有名な企業名(コーポレート・ブランド)を出せば、売れるのか……。

個人には、「値札=市場価値」も「名札=突出した能力」もなかったが、企業には両方ともあった、という実話でした。

🔶 上記の話は10数年前のことですから、こんなことをしなくてもインターネットを活用すれば(メルカリやヤフオクなどで販売)、24時間365日販売することができます。

あるいは「価格コム」で価格を比較でき、最低販売価格で入手できます。
自ら街に出て販売しなくても、ネット上で成約できてしまいます。売買が確定したら出荷するだけです。

値札と名札を分かりやすく説明するために、実例をご紹介しました。



⭐ 参考データをご紹介します。



このウェブサイトの中から重要なポイントを抜粋します。

「自分に値札を付けるためには、死ぬまで勉強するしかないんです。

ところが、私が昔、ある会社の人をインタビューしたとき、『あなたは、何ができるの?』と聞いたら、『課長です』なんて言うんだ。バカじゃないのか、と(笑)。これでは、自分に値札を付けられないよね」

「普通の実務を誰よりも頑張って、人の5倍やりましたといっても、価値ゼロです」

「仮に、自分がサイバー上のお客さんをたくさん連れてこられるスキルがあるとすれば、会社に、『私に、この仕事をやらせてください』と言って実績につなげることがポイントです」

「ネットという世界は、その背景に、お客さんがたくさんいます。それを、どうやって、うちの会社のものを買ってくれるようにおびき寄せ、最後、お金につなげるかを考える構想力ですね」

「ネットの向こうにいる人たちを、見えるようにする力が最も重要です。
これは手法的には、マーケットオートメーションといって、標準化されているものですが、それを使いこなして、実際にお客さんが来るところまでもってくのは、結構なスキルがいるし、最も金になるんじゃない?」

「生まれてから死ぬまでリカレント教育ですよ。
私なんかも、いい年をしているけど、まだまだ、若い経営者を育てているし、若い経営者から学んでいます。

これは面白いということをやっている人には、自分からすぐに会いに行きますから。

結局、給料を上げたかったら、人間、死ぬまで勉強だってことだよ」


🔶 このインタビューで大前氏はかなり「ざっくばらん(もったいぶったところがなく、素直に心情を表すさま)」な表現で回答しています。



🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。

大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。




🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。



大前研一オフィシャルウェブ

このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。

⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ




大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。








🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-09-22 21:04:08)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。



✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。












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