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日経ビジネスのインタビュー     バックナンバー 015

日経ビジネスのインタビュー         バックナンバー 015


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ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が携帯サイトで運営していた時のコンテンツです。

2007年1月8日号からスタートしています。1カ月分毎にまとめてあります。

● 2008.03.03 (No.1)<61>
3兆円に道筋つける
加藤 壹康(かとう・かずやす)氏[キリンホールディングス社長]

キリングループに加わる会社、事業提携する会社からもキリンってなかなかいいじゃないと思われるようでないといけません。

強い組織を持っている、人材もなかなかいいのがいる、これは一緒になる価値があると。

ただし、事業会社は自律的に動く。

先日、ナショナルフーズのアシュレイ・ウォー代表が来日して1時間ほど会議をしました。

その席で私は欧米流の細かいリポートはいらないと伝えました。

「代表はあなたです。そんなことに時間を費やしていただかなくてもいいのです」と言いました。


● 2008.03.10 (No.2)<62>
天下を取り、悪習を正す
坂本 幸雄(さかもと・ゆきお)氏[エルピーダメモリ社長]

日本のセットメーカーはシステムを作る力がありますが、それを半導体に落とし込むのはうまくない。

だからその部分は、半導体の専業メーカーに任せればいい。

そんなふうに役割分担していけば、日本の電機はもう一度浮上するチャンスがあります。

でもセットメーカーは、膨大な赤字を出してでも一気通貫でやろうとする。

そこがダメなんです。

米アップルや米デルなどは自分たちで半導体をやっていないけれど、立派な企業として成長しています。


● 2008.03.17 (No.3)<63>
未来技術の波、逃さない
ジョン・チェンバース(John T.Chambers)氏[米シスコシステム会長兼CEO(最高経営責任者)]

シスコには次の技術革新の波を逃さないための高い能力があります。

ライバルの多くは1~2つの分野に集中していますが、当社はインターネットの技術革新のカギを握る極めて多くの技術を保有しています。

シスコは、次世代の多様なコミュニケーションのプラットフォームとしてインターネットを提供できる、最初の会社になると確信しています。

シスコにはイノベーションを実現できる3つの手段があります。

1つ目は、既に高い市場シェアを持つ製品の競争力を維持し高めていくこと。

ルーターが良い例で、64%以上の市場シェアを獲得しており、大成功を収めています。

新旧様々なライバルと競争していますが、高いシェアを維持しています。

2つ目がパートナーシップです。

米IT大手のEMC、IBM、マイクロソフト、ヒューレット・パッカード(HP)に加え、インドのインフォシス、日本の富士通とも良好な協力関係を築いています。

当社にはシスコ製品を販売するパートナー企業とは競合せずに、良好な関係を維持し続けていくカルチャーがあります。

3つ目が買収です。

これまで130件の買収を実行しましたが、その7割が成功しており、当初の計画以上の利益をもたらしました。

ハイテク業界では通常、買収の9割が失敗すると言われているのとは対照的です。

シスコが買収によって新たな技術を手に入れ、成長の機会を見いだしていることに胸が躍ります。

私にとって常にあるチャレンジは、技術に優先順位をつけていくことです。

買収を実行すべきかどうかを検討する分野はたくさんあるからです。


● 2008.03.24 (No.4)<64>
経営者は“アスリート”
古森 重隆(こもり・しげたか)氏[富士フイルムホールディングス社長・CEO]

自分で見る。

周りの人間にも見ていてもらう必要があるけれど、最終的には自分で判断しなければなりません。

そういう洞察力は、やっぱり経営者として一番大事な資質なのではないでしょうか。

ただ、洞察力だけでは足りない。

経営者は全部揃っていないとダメなんですよ。

目、耳、鼻、それに肌から入ってくる情報に対してどれだけ神経を研ぎ澄ませられるか。

情報の本質を見抜くには一番大事なことです。

それと頭。

戦略を立てるには頭で考え、判断しなければならない。

その次は勇気。

自分で決めた戦略を実行に移すには、覚悟を決めて取りかからねばなりません。

ちょっと危ないことをしようとすると、「もう少し慎重に考えて」なんて先延ばしする人がいますでしょう。

グズグズするのは日本人の一番悪い癖。

あくまで一般論ですが。


● 2008.03.31 (No.5)<65>
環境技術で世界制覇を
佃 和夫(つくだ・かずお)氏[三菱重工業社長]

世界市場でプライスリーダーになるなるためには製品ごとの「覇権」を握ることが必要です。

市場もきっちり囲い込む。

それには海外企業との提携がより重要になるでしょう。

例えば、三菱重工業は原子力について、フランスの大手、アレバグループと提携しています。

アレバは国家戦略を担い、燃料のウランの生産から使用済み核燃料の再処理というサービスまで垂直統合的に事業を展開しています。

三菱重工は現在、出力100万キロワットの中型原子炉を共同開発していますが、今後は提携の幅を広げるつもりです。

アレバが買収したカナダのウラン探鉱会社ウラミンへの出資や、再処理事業での協力などを考えています。

将来、原発のプラントメーカーが燃料も一緒に売る可能性があるからです。

東芝さんもカザフスタンでウラン鉱山の権益を確保していますしね。

造船も他社との事業統合が必要になるかもしれません。

日本の中堅や大手だけで10社以上もある。

今のまでで、いつまでも利益を出せるのか。

厳しくなった場合に備えておくべきです。



🔷 編集後記


この元記事をアメブロに投稿したのは、9年前のことです(2013-12-29 12:17:02)。

読み直してみますと、「こんなことも書いていたのだな」「この個所に関心があったのだな」ということが思い出され、当時の自分の心境に思いを馳せています。

それだけ歳をとったのだと実感しています。

編集長インタビューの記事を読み返してみると、当時の経営者の心意気・信念・余裕・揺るぎない自信といったものが伝わってきます。

月日が経ち、自分だけでなく身の回りにも、環境にも変化があります。

しかし、経営に限らず、物事の本質は変わらないものです。

今回のインタビューの中から興味深い言葉を拾い出してみます。

ジョン・チェンバース(John T.Chambers)氏[米シスコシステム会長兼CEO(最高経営責任者)]

の言葉から。

私にとって常にあるチャレンジは、技術に優先順位をつけていくことです。買収を実行すべきかどうかを検討する分野はたくさんあるからです。

🔴 なぜ買収をするのでしょうか?

それは他社の優れた技術力を手に入れたいからです。
ただそれだけではありません。時間を金で買いたいからです。

企業規模は自社よりも小さくても優れた技術力を持つ企業があったら、自社の開発力に頼って時間をかけるよりも、買収してしまう方が時間がからないからです。

M&A(合併・買収)はきわめて一般的な戦略ですが、今まで日本ではあまり採用されてきませんでした。

M&Aで大きくなった日本企業としては、日本電産が有名です。
M&Aするだけでなく、重要なことは、被買収企業は赤字から黒字に転換していることです。

⭐ 実例 旧三菱重工工作機械

「世界一を目指す方が幸せ」、日本電産の買収で変貌した旧三菱重工工作機械

このウェブサイトから重要な点を抜粋します。

機動的ではなく、意思決定が遅かったと言えます。永守会長には「甘い、それから遅い、そして中途半端だ」と指摘されました。おまけに「売っている機械が高い」とも。

価格は市場が決めるので、利益を出そうと思ったらまずコストダウンは非常に大事ですよね。
日本電産はハンズオンと言うか、誰もが当事者意識を持って状況を把握し、問題を解決する組織風土です。特に上層部ほどその意識が強い。

経費の削減も徹底しています。無駄はたくさんあるわけです。例えば、まだ使える工具を捨てたり、計測器を大事に扱わずに壊してしまったりするようではいけません。裏紙の使用や人がいない部屋の消灯なども基本です。塵(ちり)も積もれば山となるという意味でも大事ですが、それ以上に、コスト意識を徹底して身に付けることに意味があるという考えです。

一方で、ケチになってはならない。ムダなお金は1円も出さないが、生産性向上に寄与するなど必要なものはちゃんと買うべきだという意味です。ただし、買うにしても「交渉を重ねてベストプライスを引き出そう」というのが日本電産流。

日本電産はとにかくスピードを重視します。永守会長いわく「まずは行動、失敗してもええじゃないか」と。ちょっと粗くてもいいから、プロジェクトの全期間の半分程度の時間でまず1回は形にする。そうすれば仮にうまくいかなくても、まだ半分の期間が残っています。だから、早い内に軌道修正できる。もし3分の1の期間で形にできれば、3回軌道修正のチャンスが生まれますし、開発などが早く完了する可能性も高まります。日本電産の三大精神の1つである「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」を表していると思います。

永守重信氏(代表取締役兼最高経営責任者)は稲盛和夫氏から薫陶を受けた一人です。

✅ 京都発カリスマ経営 リーダーの共通点とは?




1回の投稿ごとに1カ月分にまとめたインタビューの概要を掲載します。

2007年1月8日号からスタートし、2013年7月までの6年7カ月分のバックナンバーだけで79件あります。

途中、数件記事が抜けている個所があります。
データを消失してしまったため現時点では再生できませんが、日経ビジネスの電子版では「2011年10月から最新号まで」のバックナンバーが閲覧できるようですので、抜けている個所に該当する部分が見つかれば、追記します。

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