伊藤雅俊の商いのこころ 第7回
伊藤雅俊の商いのこころ 第7回
ヨーカ堂には幹部が合宿する「箱根会議」があると、伊藤さんは話しています。
最近読んだ、日経ビジネスのインタビューで、サイバーエージェントの社長・藤田晋さんが、同じようなことを披露していました。
その内容は、次のようなことです。
「あした会議」という、会社の幹部50人ほどが参加する会議で、「中長期的な成長を考えるうえで、問題になり得ること、新しい事業を立ち上げること」をメーンに話し合っているそうです。
本社がある渋谷から離れ、熱海などで合宿して会議を開くそうです。日常から非日常へ場所を変え、普段と異なる環境で問題や将来をじっくり考えることが企業の成長に欠かすことができない、と考えているからでしょう。
たとえ、IT企業と言われても、効率一辺倒ではなく、異業種企業からも良いことは学ぶ姿勢が大切であると、トップが感じているからでしょう。
「ヨーカ堂グループがセブンーイレブンというフランチャイズビジネスを通じ、小売業の主流から落ちこぼれるはずだった個人商店に、商売の主流に乗る方法を提示したのは偉大な社会革命である」
大事なのは量ではなく、質ということです
「我々が気付かぬうちに世の中が変わり、大変なことが起こっているのではないか」
⭐出典元 『伊藤雅俊の商いのこころ』
➳ 編集後記
この記事を最初にアメブロに投稿したのは、9年前(2014-04-25 21:36:41)のことです。
伊藤雅俊さんは2023年3月10日に逝去しました。享年98歳でした。
ご冥福をお祈りします。
🔴「我々が気付かぬうちに世の中が変わり、大変なことが起こっているのではないか」
この言葉から連想したのは「茹でガエル」です。
Wikipedia の解説を見てみましょう。
毎日、ルーティンの仕事をしているとマンネリ化し、社内のことに特化し、社外のわずかな変化に注意を払わずに過ごしていくうちに、気づいた時には致命的な事態に直面しているということです。
誰でもそうかもしれませんが、自分に直接関係のないことには無関心で、まったく注意を払いません。
些細なことではあるけれど、実は重要なことに気づいたとしても、「私には関係のないことだ。誰かが対応してくれるだろう」と決め込み、そのことをすぐに忘れてしまうという経験はどなたにでもあるでしょう。
「あの時、素早く適切な対応をしていたらこんなことにはならなかったかもしれない」と悔やんでも、後の祭りです。
これは個人レベルの話だけではなく、企業経営においても当てはまります。
どこかに驕りがあったのです。
伊藤さんが吐露しているように、「万年ペシミストの私は幹部を前に不吉な予感を披露しました」というように、常に危機感を抱いていたということです。
私が好きな言葉の一つに次のものがあります。
いえ、私は賢者ではありませんよ。ですが、こうした考え方はたいへん重要だと考えています。
少し古い記事ですが、次の内容がブルームバーグに掲載されました。
以上の話とは直接関係はありません。念のため。