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日経ビジネスのインタビュー バックナンバー Vol.083 2013.09.02



日経ビジネスのインタビュー バックナンバー Vol.083 2013.09.02

 

佐藤 康博(さとう・やすひろ)氏 [みずほフィナンシャルグループ社長 グループCEO (最高経営責任者)]

国内に軸足、リスクを取る


(写真:菅野 勝男)

佐藤 康博(さとう・やすひろ)氏

1952年生まれ。76年、東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行(当時)入行。総合企画部長などを歴任し、2002年の3行統合ではみずほコーポレート銀行(CB)国際企画部長に。2004年に常務執行役員、2007年に同副頭取就任。2009年に頭取就任。2011年にみずほフィナンシャルグループ社長、2013年みずほ銀行(BK)頭取に就任し、7月のBKとCBの統合を果たす。今春まで全国銀行協会会長を務め、今年「産業競争力会議」の民間委員も務める。


 2002年に第一勧業、富士、日本興業の3行が合併した当時は大企業や中堅企業、そして個人の方は金融に求める機能も質も違うだろうと考えていたと思います。

 海外部門は大企業向けのコーポ銀が担っていました。でも、中堅、中小でも海外進出する企業が増えてきました。こうなると、2行の間でこぼれ落ちてしまう可能性が出てくる。

 3行問題はたしかにありました。旧行意識で壁を作ってしまう。ですが、今はほとんどないでしょう。問題は、コーポ銀と旧みずほ銀の文化の違いをどうすり合わせていくか。ここが問題です。かつての3行意識というよりも、現状は2行意識ですね。

 2つの銀行を本当の意味での「One Mizuho」に変えていくには、もっと努力が必要ですね。

 単体の金融機関がいかに強かろうとも、ホームグラウンドである日本の金融や産業が、ぺんぺん草が生えるような状況になってしまった時に、国際金融社会において日本の金融機関がリスペクトされることはあり得ないだろうと思います。

 金融機関は、夢や未来に対して、一番近い存在なのです。

 会社の生き死ににも関わっていく重要な仕事なわけで、社会的な使命感を持たなければいけません。国内で利益3番手に甘んじるわけではありません。

 ただ、短期的に負けたとしても、長い目で見た時に最も存在感のある金融機関になるべきです。若い人には常にそう言っています。

日経ビジネス 2013.09.02  


みずほ銀行は2度にわたるシステムダウンで、金融庁からシステムの改善命令を受けました。

この問題も含め、「One Mizuho」をテレビCMでアピールし、信頼回復を図っています。

「One Mizuho」が浸透するまでには、長い時間がかかるでしょう。

佐藤社長が当インタビューで発言しているように、「最も存在感のある金融機関」になってもらいたいと思います。



🔷 編集後記


この元記事をアメブロに投稿したのは、10年前のことです(2014-02-22 23:45:43)。そして、オリジナル記事は11年前のものです。

読み直してみますと、「こんなことも書いていたのだな」「この個所に関心があったのだな」ということが思い出され、当時の自分の心境に思いを馳せています。

それだけ歳をとったのだと実感しています。

編集長インタビューの記事を読み返してみると、当時の経営者の心意気・信念・余裕・揺るぎない自信といったものが伝わってきます。
月日が経ち、自分だけでなく身の回りにも、環境にも変化があります。
しかし、経営に限らず、物事の本質は変わらないものです。

金融機関は、夢や未来に対して、一番近い存在なのです。
会社の生き死ににも関わっていく重要な仕事なわけで、社会的な使命感を持たなければいけません。国内で利益3番手に甘んじるわけではありません。  

🔴「国内で利益3番手に甘んじるわけではありません」

直近の業績を見てみましょう。そのためにはみずほフィナンシャルグループだけでなく、三菱UFJフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループを合わせて比較するのが良いでしょう。

【メガバンク:業界研究】三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い 2023年10月30日(月)

業績比較・順位


メガバンク各行の特徴・強みの違い

🔴三菱UFJ銀行:日本最大かつ世界有数の総合金融グループ
国内外での圧倒的な存在感。さらに顧客満足度にもこだわる
・アジアを中心としたGlobal Financial Group

🔴三井住友銀行:M&Aを推進し、グローバルで存在感のある金融機関を目指す
「スピード&効率」を追い求める革新的メガバンク
・メガバンクからグローバルバンクへ

🔴みずほFG:非財閥だからこそ、幅広い企業を支えるメガバンク
・徹底的に顧客目線を追求した特徴的なシステム
・競合のメガバンクと異なるキャリアパス、若手時代から裁量が大きい


みずほフィナンシャルグループの株価チャート

みずほFG(8411)月足チャート 株探 2024/07/18

⭐銀行の使命とは何か? このことは銀行員に限らず、銀行を利用する我々にとっても大事なテーマで、一度立ち止まって考えてみる必要があります。

2024年7月18日現在のみずほフィナンシャルグループ取締役 兼 執行役社長 グループCEO 木原 正裕氏

みずほフィナンシャルグループ 取締役 兼 執行役社長 グループCEO

 現場に赴き、生の声を聴く。これが2023年度の私の大きなテーマです。私は今、着実に"変化"の手応えを感じており、私自身、これからの私たち自身に大いに期待しています。一方で、私たちの挑戦は始まったばかりです。未来に向けて踏み出す礎となる1年にすべく、全力で取り組んでまいります。



<Ameba blog (Ameblo) に投稿した当時の解説記事 2014-02-12 23:30:14>に触れてみます。

⭐️「はじめに」に書きましたように、携帯やスマホ版のサイトは、2007年1月から2013年7月まで毎週掲載してきました。

1ページに1カ月分(4回から5回)をまとめて掲載しています。
オリジナルの「編集長インタビュー」から特に印象に残った言葉を、ご紹介する形式を採っていますので、1週ごとの量は少なめです。

このため1カ月分のインタビュー内容を1ページに取りまとめています。
このブログでは、この形式を採用せず、毎週1回「編集長インタビュー」から一部を抜粋し、ご紹介していきます。

ブログの可能性を引き出せるように、いろいろな試みをしていきたい、と考えています。

例えば、互いのブログを紹介しあう「相互リンク」はその1つでしょうし、コメントやトラックバックもそうでしょう。

さらに、携帯やスマホ版のサイトでは、特に携帯ではデータ処理量が少ないために、表示できなかった画像データも、ブログ版では意識せずに扱うことができます。

掲載した記事に、私のコメントを追加することを考えています。
特に制約は設けず、自由に書いていきたい、と思っています。

インタビュイー(インタビューされる人)に関連した事柄や、業界の動向など書きたいことはたくさんあります。

たくさんのコメントをいただけると、とても嬉しいです。批判的なことでも構いません。

あなたがご存知の情報で公開することに問題がなければ、ぜひコメントをお書きください。お待ちしています。

日経ビジネス』について付け加えることがあります。2つあります。
1つは、発行日付です。

普通、週刊誌の発行日付は発売日よりも1週間先の日付になっていますね。
今朝 (2013年8月1日) の新聞に掲載されていた、『週刊新潮』も『週刊文春』も8月8日号となっていました。これが普通ですね。

ところが、『日経ビジネス』は、毎週金曜日に指定した場所(主に自宅)に届けられ、発行日は翌週月曜日になっています。

つまり、最新号は8月2日に届き、8月5日号ということになります。
日経ビジネス編集部は、『日経ビジネス』の最新のホットな情報をできるだけ早く伝えたい、という方針を徹底しているからではないか、と考えられます。

もう1つは、サイトとの連動と独自コンテンツの配信です。

日経ビジネスオンライン (現在は日経ビジネス電子版というサイトがあり、雑誌で掲載できなかったその後の進展に関する記事やサイト独自の記事を配信しています。

有料のスマホやタブレット、PCで閲覧できる独自配信の記事があります。

いろいろとお話してきましたが、当ブログは『日経ビジネス』の「編集長インタビュー」から特に印象に残った言葉をご紹介するブログです。
これからよろしくお願いします。


1回の投稿ごとに1カ月分にまとめたインタビューの概要を掲載します。

2007年1月8日号からスタートし、2013年7月までの6年7カ月分のバックナンバーだけで79件あります。

途中、数件記事が抜けている個所があります。

データを消失してしまったため現時点では再現できませんが、日経ビジネス電子版では「2011年10月から最新号まで」のバックナンバーが閲覧できるようですので、抜けている個所に該当する部分が見つかれば、追記します。

⭐ 『日経ビジネス』の電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で2022年9月12日号 No.2157 から定期購読をスタートしました。


「日経ビジネス 電子版使い方ガイド」(全24ページ)を見ると
「雑誌『日経ビジネス』のバックナンバーの閲覧について」で、
閲覧できるのは2011年10月から最新号と書かれています。

そのため、2008年8月18日、25日分の記事は確認できません。
しかも紙の雑誌は、はるか昔に処分しています。


『日経ビジネス』の記事を再投稿することにした経緯

再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。
自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。

当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。

記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。

さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです

「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
プロフィールから)

(4,383 文字)


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藤巻 隆
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