【回想録 由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い 第77回】
🔷 「葬儀」の「通夜式と告別式」(4)を掲載します。🔷
『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』
(ハードカバー 四六版 モノクロ264ページ)
2016年1月25日 発行
著者 藤巻 隆
発行所 ブイツーソリューション
✍『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』(第77回)✍
葬儀
通夜式と告別式(4)
そのような方々でしたので、心のこもった弔電を送ってくださったのです。Mさんからご許可をいただきましたので、ここでその全文をご紹介します。
心のこもった弔電
藤巻 隆様
突然の悲報に、ただただ驚愕しております。ご家族のご心痛を
お察し申し上げ、心からお悔やみ申し上げます。
藤巻さんご家族とお会いしたのは18年前でした。お互い同名の
由美子さん同士で、偶然に娘達も同級生で同じ名前でしたね。
由美子さんはいつもご主人様のご健康に気遣い可奈ちゃんのご成長
に愛情を、母でありまた親友のように共通の楽しみを持ち、素敵な
時を過ごして来たのではと思います。温厚なお人柄と前向きな姿勢
学ぶって楽しいねーと、くったくのない笑顔が忘れられません。
在りし日を偲び、心よりご冥福をお祈りさせていただきます
M 由美子
後日、Mさんの心のこもった弔電を頂いたことに、電話で感謝の言葉をお伝えしたところ、Mさんは「自分の言葉で伝えたかったから」と語ってくださいました。文面からも、思いやりのあるお人柄が窺われます。
C警察署長のFさんが席で涙を流されていた姿を拝見し、胸が締め付けられました。
出棺の直前、私は由美子の耳元に顔を近づけ、「ゆみこ–––––––」と斎場内に響き渡るような大きな声をかけましたが、それ以上のことはできませんでした。
私の呼びかけが、由美子の耳に届いていたら嬉しいのですが・・・・・。
四十九日法要が営まれる日まで遺骨を自宅に安置し、毎日線香上げました。由美子がこんなに小さな骨壷に収まってしまい、哀しみが増しました。遺影に向かって、何もできなかった私はわびていました。今更何を言っているんだ、と思われそうですが。
八月二十五日午前中、ご近所のYさんご夫妻、Aさん、Sさん、Sさんの奥様が揃って線香を上げに訪ねてきてくださいました。母が、由美子が亡くなったことをお伝えしていた方々でした。十分なおもてなしも、お話もできず申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
(PP.199-202)
➳ 編集後記
第77回は「葬儀」の「通夜式と告別式」(4)を書きました。
四十九日の法要(納骨を含む)までの毎日、私は由美子の遺影と遺骨の前で、心の中でずっと詫びていました。哀しみと無力さで胸が張り裂けそうでした。